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2400ウォンの不足で2人解雇、56人を懲戒で脅迫する湖南高速

[不法社長探して3万里](7)巡回闘争7日目

オ・ジファン(現代車牙山非正規職組合員) 2015.03.27 15:28

昨晩、現代車全州工場現章動支会の仲間たちのすごい歓迎でたくさん酒を飲んだ。 私たちが訪問した不法派遣事業場ではほとんど、非正規職の仲間たちが私たちをむかえてくれたが、 唯一全州工場では正規職の仲間たちが宿舎と食事などを用意してくれた。 正規職の仲間たちの暖かい連帯から多くの力をもらったが、 一方では胸の片隅が痛く苦々しい気持ちもして仕方がなかった。 これも8.18合意が生んだ多くの傷の一つだろうか?

翌日(3月25日)午前5時、現場同志会のイ・ドンギ、キム・ヨンチャン同志が私たちを起こす。 二人の同志は恐らく私たちを起こすため、夜中に酒を飲んでいたようだ。 韓国GM群山工場での出勤宣伝戦のために、あたふたと宿舎を出た。 午前6時少し過ぎに宣伝戦を行った。 宣伝戦は巡回闘争団の他にも、群山工場非正規職、現場同志会、群山地域タクシーの仲間たち、 階級政党推進委、労建闘の仲間たちが来てくれた。

群山での宣伝戦を終えて湖南高速の仲間たちの出勤闘争に連帯するために、 雇用労働部全州支庁へと向かった。 しかし湖南高速の仲間たちの事情は本当に涙ぐましい。 湖南高速の仲間たちは全北高速の仲間たちと共に昨年から行ってきた賃金団体協議を終わらせることができず、長期の闘争を展開している。

ところが最近、会社がバス料金2400ウォン足りない(小銭がなく、そのまま乗った客がいるなど、さまざまな事情があったようだ)2人の仲間を解雇して、 56人の組合員たちに懲戒を予告した。 「いやあ、たかが2400ウォン、社長野郎に投げつけてしまえ…」と舌打ちしたところ、 ある同志が「われわれは740ウォンのために大法院まで行きました」と話す。 理由はこうだ。 テント座り込みをしていた時、電気を調達したと社長が電気料金を請求したという。 本当に荒唐なシチュエーションだ。

60年〜70年代、社長たちがバスガイドのからだを撫で、あとで小銭を見つけたと言ったそうだが、 2015年の大韓民国で資本家どもは僅か2400ウォンのために労働者たちを解雇する。 用地で悪辣な使用者側の弾圧にもかかわらず、ほとんど頭が白くなった湖南高速の先輩たちは、 宣伝戦の間、同僚と無駄口をたたきつづける。 遠くからきてご苦労さんと、もやしクッパをおごってくれて、 腹の中をさっぱりさせて市庁前の全北タクシーの仲間たちの座込場へと向かった。

座込場で懇談会を開いたが、タクシーの仲間がすぐにこう言う。
「大法院(最高裁)の判決が出ても、 鄭夢九(チョン・モング)はぴくりともしないでしょう? 私たちも全く同じです」。

社納金制度はタクシー業界の現代版奴隷制度だ。 すでに大法院は、社納金は不法だと判決を出した。 その上、タクシー社長たちによる違憲請求も棄却された。 だが現在も社納金制度は慣行的に続いている。 毎日10万9千ウォンの社納金を会社に払い、 一日15〜16時間タクシーを走らせてやっと最低賃金水準の月給を受け取れる。 さらに驚くべきは、基本給を算定する所定勤労時間がまちまちなのだ。 ある会社は一日6時間40分、別の会社は5時間だという。 その上、栄州のある分会では、所定勤労時間を団体協約で2.5時間にしたという。 1か月、コマネズミのように走り回っても賃金がマイナスの場合もある(社納金の不足分はそのまま仮払いで処理されるという)。 物価は上がるのに、社納金は上がっても労働者の賃金は下落している。 こんな事情だからか、タクシー業界では若い人がなかなかいないという。

タクシー会社が不法を行えば、担当地方自治体(市庁)は過怠金、減車、免許取り消しなど強力な行政処分をする権限がある。 ところが市庁は社納金制度を傍観しているのだ。 「頼むから法の通りにしてくれ」という労働者たちの本当に最低の要求も握りつぶすのだ。 不法派遣をすれば、雇用労働部は派遣法[第19兆]により、 下請企業を閉鎖する強大な権限がある。 しかし雇用労働部は鄭夢九の顔色をうかがい、 実質的な是正措置を無視している。 タクシー業界も現代車も、不法を黙認する政府の官僚らの態度はなんでこんなに似ているのだろうか?

昼休みに合わせて韓国GM群山非正規職の仲間たちと懇談会をした。 群山工場ではすでに昨年、350人が隠れた整理解雇である希望退職で工場を辞めた。 最近、韓国GM群山支会は1交代転換と士気高揚費10万ウォンを受け取る代わりに、 非正規職に対する事実上の整理解雇に合意した。 僅かな10万ウォンで地域の後輩、弟たちである非正規職労働者たちの解雇を容認するという、本当に恥ずかしい合意をした。 1交代に転換し、4月末までに正規職は富平、昌原などに転換配置を完了し、 650人の非正規職には希望退職をすれば勤続によつて200万ウォンから最高1000万ウォンの慰労金を支払うという。 おもしろいことに、非正規職労働者の労組結成の動きがあれば、 慰労金の金額が一時5000万ウォンまで沸き上がったという噂が飛んだ。 とにかく、闘争せずに争奪できるものは何もないという真理を改めて思い出す。

非正規職の解雇が続き、群山工場でも最近は非正規職労組結成の動きがあった。 だが最近、この計画が失敗し、労組建設の夢が水の泡になるかと見えた。 だがある仲間が勇気を出して勤労者地位確認訴訟に参加し、労組を建設するための公開的な活動を始めた。 「短くても3〜4年、長ければ10年以上働いたのに、千万ウォンでこのまま出て行くことはできない」とし、拳を握りしめた。 解雇が差し迫った状況で、多くの非正規職労働者が訴訟をしたくても生計のためにすぐには動けないと心配した。 その上、正規職労組が果たして助けてくれるかという心配も大きい。 蔚山・牙山の解雇者がたくさん助言をしたが、初めからやさしい闘争などどこにもない。 だがひとりひとりの怒りと意志が集まれば、群山工場でも非正規職支会の旗を見ることができるという希望を持ちたい。

最後の日程として、午後2時半から現代車全州工場の前で宣伝戦を行った。 全州委員会の議長や常執の仲間たちをはじめ、 多くの正規職の仲間たちが一緒にプラカードを持って宣伝物を配った。 宣伝戦の後、全州委員会の仲間たちと懇談会を進めた。

全州委員会のカン・ミンソク議長は現在、非正規職労組事務室を清潔に使ってくれと全州非正規支会に頼んだという。 「新規採用でみんな辞めてしまえば、今後ここを嘱託契約職が使わなければならない」と言って.... そういえば現在、現代車の生産部門の嘱託契約職人員は3200人を越えたという。 現代車は採用の時は一生懸命働けば正規職になれると希望拷問をするが、 2年経つ前に必ず契約職労働者を路上に追い出している。 最近、ある嘱託契約職労働者が「とてもくやしくて、このままではいられない」とし、 現代車に対する不当解雇救済を申請して闘争を準備しているという。 それこそハエの命の嘱託契約職労働者によるすさまじい闘争に、 正規職-非正規職の仲間たちが共に手を取り合って戦う日を期待したい。

全州地域のスケジュールには、 現代車全州委員会、階級政党全北推進委、公共運輸労組全北タクシー支部、発電労組のイ・ジェベク同志など、 多くの同志が闘争基金をカンパしてくれた。 タクシーの仲間たちの事情も難しいらしく、巡回闘争団も闘争基金を差し上げようと準備していたのに、 結局、互いに出しあった。 少し照れくさかったが、労働者たちの情とはこんなものではないだろうか? 私も苦しいが、私よりもっと苦しい闘争をしている仲間を考える気持ちだ。

連載目次

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-03-28 23:34:42 / Last modified on 2015-04-01 10:57:32 Copyright: Default

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