本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:[不法社長探して3万里](5)巡回闘争5日目 ポスコ
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1427210484287St...
Status: published
View


労働者がいなければあの工場はスクラップだと信じる人々

[不法社長探して3万里](5)巡回闘争5日目

チェ・ビョンスン(現代車支部組合員) 2015.03.23 13:20

5日目は、1週目の巡回闘争最終日だ。 明日はスターケミカル300日文化祭に個別に合流することにした。 晩に巡回地域の仲間たちと遅くまで話をして疲れたのか、 あるいは本当に熱心に駆け回って疲れたのか分からないが、 疲れたからだを休めると意欲が湧く。 名前を知って、挨拶をした人はいくらもいないが、 いつも強固で感謝したポスコ社内下請支会ヤン・ドンウン支会長同志と会うのは楽しい。 昨日も家に帰らず、スチロールを敷いて一緒に眠った。

ポスコ社内下請支会は2009年11月26日に発足したが、とても長い歴史を持っている。 1989年3月にポスコ社内下請業者のサムファ産業で民主労組を建設し、 光陽地域で初めて全労協に加入した。 そして2003年、もうひとつの社内下請業者だったテグム産業労組と共同闘争本部を構成し、共同闘争を行う。 麦藁帽子と喪服を着た仲間たちは、2003年に牙山社内下請支会の集会に参加し、 牙山工場を突破して入る超人的な姿を見せた。 だから昨晩の打ち上げは、どの地域よりも和気あいあいとしていた。 闘争の空間で共同の記憶を持っているということは、非常に幸せなことだ。 とにかく2003年の共闘以後、ポスコ下請労働者で構成されたサムファ産業支会、テグム産業支会、ヨングク産業支会が一つに統合し、光陽地域支会を作った。 そして2009年、ポスコに使用者としての責任をはっきり要求するために、 名称をポスコ社内下請支会に変更した。 労働組合の歴史は26年になる。 この長い時間、まだ48人の組合員が民主労組を死守している。 協力業者の平均年齢は48.4歳と、組合員の平均年齢は似ている。 先輩の内面の空白が感じられる。

ポスコの鉄鋼生産構造を単純化すれば「高炉-〉製鋼-〉熱延-〉冷延-〉入庫」といえる。 それぞれの製造工程を通るためにクレーンを使う。 高炉から製鋼に行くクレーン作業はほとんどが正規職がする。 その次にの製鋼から熱延、冷延、入庫までのクレーン作業は90年の初めからクレーン作業を社内下請業者に渡し、 今ではほとんどが社内下請労働者たちがしている。 結局、下請労働者が作業しなければ、どんな鉄鋼も生産できない。 また高炉から入庫/出庫まですべてひとつの作業になる自動流れ方式だ。 そのためポスコ社内下請は不法派遣の可能性が高い。 いや確実だ。 たとえ勤労者地位確認訴訟1審で敗訴したとはいえ、 が控訴審宣告が3回も延期された現実を考慮すると、2審で勝訴する可能性が高い。 3月25日に裁判所の変更で弁論が再開され、1、2回、審理を開いたとしても6月末にはその結果が出てくると予想する。

毎週、火・木の二日間、「不法派遣正規職転換」の出勤闘争をしているが、 今日は巡回団がきたので一日延びるという。 一度出勤闘争に来てみたが1人も見えなかった女性組合員たちがいた。 ところがポスコ社内下請支会の組合員ではなかった。 今年の2月25日に労働組合を建設した光陽農協支部の組合員たちだった。 朝から、それも製造業事業場の出勤闘争に参加する組合員たちは多くないが、 本当にうれしくて、珍しく思った。 いやこのようにすることができた光陽がうらやましかった。 また毎週1回の出勤闘争に参加するために、朝早く光州から来た金属労組光州全南支部のシム・ジョンソプ支部長も本当にすごいと思う。 直轄支会を担当する役員が私たちの出勤闘争に、いや集会に参加したことがいくらあっただろう? 交渉する日も、交渉にならないだろうと言って、他のスケジュールを決めて降りてくるのだから。 まったく私たちの闘争は、形式的に考える人しかおらず、 こうして誠意をつくして体で動く姿を見たからさらに感動したのかもしれない。

今日の出勤闘争には全国事務金融サービス労働組合・光州全南地域本部のチュ・フンソク本部長も光陽分会の教育のために来て参加した。 海南にある花園農協に通っているという。 祖父母の墓がある先山があるので小さい時期の記憶がある海南。 同郷の人と会うのはとても嬉しい。 光陽農協分会の幹部と短い懇談会を要請し、日程にはない光陽農協に向かった。

幹部の仲間たちが大きな空間にいる。 農協職員がやさしく挨拶もしてくれる。 チョッキを着てこんなにうれしい挨拶を受けながら、案内されるは、本当に久しぶりのようだ。 2月25日に56人で発足した光陽農協分会は、何日も経たない現在、 組織対象89人のうち70人を越えているという。 組織対象全員を加入させる日は遠くない。 25日に分会結成、26日に交渉要求、一週間で本店に入り、基本協約を結んだという。 分会長さんをはじめとする幹部らは、分会結成前の1週間の緊張感を話しながら、不足だが上手くやるため努力していると謙遜する。 だがひとりも懐柔された人がいないというの言葉の中に、 勝利できるという確信がにじむ。

全国的に組合長選挙で騒々しいが、光陽農協はどうかと聞くと、 光陽農協は投票をしていないという。 単独候補なら投票せずそのまま当選だという。 本当に珍しい。 公職選挙ということ。 労働組合は単独候補でも組合員の選択を問うが、 組合長や他の公職選挙はただ無投票当選とは。 だから互いを買収し、金権がやりとりされることが多くなる。 何人か抱き込めば良いのだから。

だがわれわれは彼らとは違う。 われわれは民主的に選出し、民主的に議論して集団的に決める。 交渉委員の仲間たちが交渉要求を作るために組合員アンケート調査をして、 その結果から要求案を確定することにしたという。 本当にとても頑張った。 どれほど長い時間くやしい思いをしたのだろうか? 明るい顔に勝利の勢いを感じる。

交渉委員は7人だが、今日は分会長、主席副分会長、事務局長、会計監査、交渉委員1人、 合計5人が参加した。 後の二人は業務が忙しくて(一人は副支店長なので、支店長の本店で責任者として残らなければならないという)まだ出席できいという。 光陽農協は7つの支店とスーパー2つ、LPGガソリンスタンドを持つ大きな組合だった。 こんな大きな農協で労働組合を建設した仲間たちも、もっと多くの賃金を取るために労組を作ったのではない。 不当転出のような事があっても、期間制契約職、時間制契約職、用役業者職員などの権利保障を要求するためだ。 なぜか頼もしく見える。 すでに勝利の鍵が何か知っている仲間たちに多くのことを学んで行く。 仲間たちが全国を巡回して、ちゃんと食べろと言って闘争基金と光陽農協が誇る光陽米をプレゼントする。 今回の巡回闘争で、色々と贅沢な暮らしをする。

昨年の全面スト闘争で4組3交代を勝ち取った現代製鉄順天非正規職支会のイム・サンジプ同志と懇談会をした。 昨年、ユソン希望バスの後、初めてク・ヒス支会長同志と会った。 今日が要求案を確定する臨時代議員大会なので忙しい。 金属労組でゼネスト教育のためにソ・サンヨン副委員長もいる。 一緒に懇談会をしていたが、途中で出て行って残念ではあった。

現代製鉄順天非正規職支会の状況をチェ・ヒョンテ副支会長同志が説明してくれる。 勤労者地位確認訴訟は2010年にソウル中央地法に出したが、 光州地方裁判所順天支院に移管され、現在も進行中だ。 何と年数にすれば6年間続くこの訴訟も、今年の8月から9月には終わりそうだという。 当時、組合員163人が訴訟に参加した。 だが今は332人に組合員が拡大した。 これは現代製鉄順天非正規職支会が訴訟に頼らず、着実に闘争を進めてきた証拠だ。 いや、自らの力を作った記録だ。 今年が現代製鉄順天非正規職支会(最初の名前はハイスコ非正規職支会だった。 現代製鉄がハイスコを買収した時に変更された)設立10年、団体協約締結8年目だ。 ハイスコの下請企業に残っている業者に組合員がいて、2つの元請を相手に闘争している。 一般的に現代製鉄に集中して、ハイスコに適用する方式だという。

10年の闘争の力、現場の力で2015年は「正規職化ロードマップ」を作る計画だという。 元請ときちんと戦う準備をしているという。 労組の掲示板に貼りだされた宣伝物も、闘争の方向が誰に向かっているのかが分かる。

ゼネストについては各級会議のたびに教育を配置しているという。 今日の臨時代議員大会にソ・サンヨン副委員長を呼んだ理由も、ゼネスト教育のためだという。 毎週水曜にゼネスト現場宣伝戦を行っており、25日から27日まで賛否投票を実施する予定だという。 交渉も中央交渉、支部交渉の後に支会の要求を発送する予定で、4月末から交渉が進められそうだという。 そして6月10日頃に金属労組の中央交渉調整の時に共に申請する予定だという。 6月26日〜27日に社内下請労組2日間の闘争も可能だと話す。

現代製鉄順天の仲間たちは社内下請共同ストライキが一回だけのもので終わってはならず、 以後社内下請正規職転換計画と経路に拡張されなければならないと話した。 その通り。 一人の力で巨大資本を相手にすることはできない。 組合員が昨年に続き、今年ストライキをすれば、生産ラインに支障を与えられても、 それですぐ正規職を争奪できるのではない。 私たちの力を付けることも重要だが、社内下請労働者共同の力を付けることも大変重要だからだ。 その意味で現代製鉄順天非正規職支会の仲間たちの2015年闘争方向は模範的な姿だ。

4組3交代を17年より前倒しにするためにモデル実施もして、勤務形態も統一させるなど、 多くの部分で正規職転換の準備をするという。 それでもう一つ提案した。 まず現代起亜車が共同闘争を組織してみる。 この共同闘争が一次的に行われれば、現代製鉄、ウィアが共に鄭夢九会長打撃闘争を共同で進め、 現代グループ社圧迫闘争をしようと要求した。 現代製鉄順天支会の仲間たちは快く受け入れた。 問題は、これを現実のものとして成功させる私たちの力が必要だ。

今日の最後で、今週の最後だ。 錦湖タイヤ曲城工場だ。 到着する前から錦湖タイヤ非正規職支会のシン・ヒョンギュン支会長同志が必要物品は何か用意する。 光州から曲城まで来て、巡回闘争団をむかえる気持ちが有難く感謝する。 曲城工場に非正規職支会事務室があって簡単に話をしようとしたが、出入りの統制でもめた。

怒る人たちと、どうすればいいのかわからない支会長同志の間で、私も戸惑う。 シン・ヒョンギュン支会長同志が組合員もいて、最近錦湖タイヤ状況が少しごたごたしているからだとし、巡回団の仲間たちにずっと申し訳ないと言い続ける。 だが正規職労働組合がきて出入問題を解決したのだから... 労働組合は力がなければならない。 警備労働者も自分の支会長が責任を取るという言葉はできないと言い、 正規職常執には分かったと話さなければならない現実で、 どんな感じがしたのだろうか? また非正規職支会組合員の警備労働者にどうすることもできないシン・ヒョンギュン支会長の気持ちはどうだったのだろうか。 わけもなく申し訳なくて恐縮する。 紆余曲折の末に非正規職支会事務室に入ると一番最初に見たのは故キム・ジェギ烈士の焼香所であった。

「私が死んでも労働の世の中が変わることはないだろうが、 わが錦湖タイヤだけは変わればと望みます」。

錦湖タイヤが一方的に押しつける請負化の絶対阻止組合員署名用紙と、 労働の世の中を願う遺書を残して焼身した故キム・ジェギ烈士にあいさつした。 生き残った者がきちんと闘争できない恥、 利益の拡大に労働者の死はまばたきもしない資本に対する怒りがからまって、 申し訳なくて恥ずかしかった。 錦湖タイヤ曲城工場ではずっと心が重い。 だが非正規支会のホン・テソク労安部長と組合員の仲間たちが共に宣伝ビラも配り、 一緒に宣伝戦もして、私たちの闘争を知らせた。 少しは気持ちが軽くなる。

錦湖タイヤは複数労組事業場だ。 正規職も1労組と2労組があって、非正規職も各業者ごとに労働組合が違う。 正規職は金属労組が多数労組だ。 資本が複数労組で一番面白くないところが錦湖タイヤでもある。 非正規職は金属労組組合員が300余人、韓国労総組合員が700余人いる。 どんな方式であれ1000人の非正規職労働者が組織されているという点で、 今後の闘争の可能性は開かれている。 非正規職労組が二大労総に分れた理由は何だろうか? 気になる。

2004年、錦湖タイヤ非正規職支会は元下請共同闘争で不法派遣の正規職化を勝ち取る。 400余人が正規職で採用された後、正規職で採用されなかった6人だけが組合員に残った。 また労働組合を拡大するために警備、食堂、清掃労働者を組織し始めた。 当然、生産も組織した。 その結果、今では生産よりも非生産組合員の方が少し多い。 不法派遣闘争をしながらも現代車非正規職支会と共に正規職転換闘争にオールインできない理由だ。 近々、4月17日には光州高裁で控訴審宣告が予定されているので、宣告後の賃闘と連動し、本格的な闘争を計画する予定だと言う。 昨年、通常賃金の問題も解決されたが、今年も闘争の取っ手をつかみ、 組織拡大闘争を作ろうと計画している。 もっと詳しい話は月曜に光州工場で具体的に話すことにした。 蔚山へと向かう。 明日はスターケミカル300日闘争だ。 昨日の夜の26年目の老いた労働者ヤン・ドンウン支会長の話がずっと頭をぐるぐる回る。

「組合を脱退する労働者と、組合に加入しない労働者皆を嫌ってはいけません。 私たちが守ってやれない時、私たちが守ってくれないと考えるからです。 労働者は弱いのです。 だから労働組合で団結して戦おうということではありませんか? しかしわれわれは知っています。労働者がなければポスコはスクラップだということをね。 本当のスクラップかどうか、退職前にはぜひ確認したいです。 来年が退職ですが、近い将来そんなことになると信じます。 一度も負けると思ったことはありません。だから勝ちます」。

私は本当にこんな気持ちで一日一日を暮らしているのか? 何度も何度も尋ねる。そうだ、必ず勝つのだと考えよう!

付記
巡回闘争後援口座:農協302-0800-6304-91 /キム・ギシク

連載目次

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-03-25 00:21:24 / Last modified on 2015-04-01 10:56:47 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について