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自動車を作る労働者の話

[不法社長探して3万里](9)巡回闘争9日目

チェ・ビョンスン(現代車支部組合員) 2015.03.30 14:26

瑞山に自動車工場があるという事実は、どれほど知られているだろうか? ドンヒオートという会社を聞いたことがある人は、またどれほどいるだろうか? おそらくいないだろう。 ドンヒオートが作る車は起亜自動車のモーニングという名前で販売されているためだ。 ドンヒオートは起亜自動車が49%、ドンヒオートが51%の株式を持っているが、 敷地と設備は起亜自動車が賃貸する。

以前、韓国宇宙航空産業があった敷地に起亜車から持ってきた設備を設置し、 ドンヒオートが社内下請業者と契約して下請労働者を集めた。 いわゆる「夢の工場」、正規職が一人もいない工場がドンヒオートだ。 こうした工場はいろいろな所がある。 現代重工群山工場、現代モービス チャンセンポ工場(モジュールテック)、漢拏空調蔚山工場など、社内下請労働者がすべてを生産する工場だ。 それでわれわれはドンヒオートを起亜自動車瑞山工場と呼ぶ。 実際、2010年にドンヒオート社内下請支会解雇組合員たちは、良才洞の起亜車本社前で復職を要求して闘争した。 鄭夢九(チョン・モング)が責任を取れといった座り込みが長くなり、 初めはドンヒオート社内下請の社長たちが、 次はドンヒオート資本が、 三番目には起亜車自動車が問題解決をしようと現れた。 事実上、起亜車と交渉をしたが、下請企業社長とドンヒオート確約書を受け取っただけで闘争を終えた。

資本は業者ごとに御用労組を設立し、復職した組合員は少数労組で苦しい闘争を組織している。 だが当初からドンヒオート社内下請支会が少数労組だったわけではなかった。 設立初期にはほぼ70〜80%を組織していた。 闘争をすると業者の廃業で労働者を集団解雇した。 そして現場をまた組織し、業者の御用労組を民主化し、金属労組に上級団体を転換すると、また業者を廃業する。 こうして資本は民主労組を作れば業者を廃業するという方式で、 ドンヒオートの民主労組を少数化した。 それでも放棄しない仲間たち! また闘争を組織する仲間たち! 誰よりも誇らしい仲間たちだ。

先日、ドンヒオートは作業して倒れた労働者の労災認定闘争を行い、少数労組にもかかわらず使用者側との合意書を作成した。 そして労災闘争をしたファン・ジェミン氏は、勤労福祉公団から労災承認を受けた。 なぜ民主労組が必要なのかを示す事例だ。 海の上に置かれた橋「瑞山大橋」を越えるとすぐ平沢だ。 極限作業をする労働者がいたから、この橋もできた。 自動車の輸出車両が一番多く船積みされるという平沢港を通り、平沢にある双竜自動車前に立った。 この前、101日ぶりに煙突から降りたイ・チャングン同志の拘束令状実質審査のために、 双竜車支部事務室は忙しい。 170日以上高空籠城をしていたムン・ギジュ先輩と互いにあいさつする。 懇談会を始めた。

「6〜7年闘争しているので困難がある。 金属労組闘争事業場会議で非正規職、整理解雇、労組弾圧、複数労組闘争事業場が分散せず、共に力をあわせなければと主張した。 中執でも積極的に提起できず残念だ」。

キム・ドクチュン支部長がやっと口を開く。 煙突座り込みになったら力強く闘争を決議しようとしたが、 イ・チャングン同志が降りてきて雰囲気が良くなかった。 巡回団の仲間たちを元気に迎えられず申し訳ないという。 どんな気持ちなのか分かるようだ。

2014年12月14日、双竜車支部のキム・ジョンウク事務局長とイ・チャングン政策室長が双竜車平沢工場にある高さ70mの煙突に上がった。 高空籠城は年を越え、89日目の日にキム・ジョンウク事務局長が集中交渉のために先に降りてきた。 そして3月23日、座り込み101日目のイ・チャングン企画室長が 「労使が現在、誠実に交渉をしている状況で、もう煙突にいる必要はないと考え、 煙突から降りることで交渉がもっと円滑に進むようだ」とし、煙突から降りてきた。 そして今日(3月26日)15時には7次交渉が予定されている。

6次交渉までは解雇者復職、26人の犠牲者の支援対策、損賠仮差押え撤回、正常化問題を話そうといったが、特別な内容はなかったという。 6年ぶりに会い、互いの空白を満たすのが難しかったし、今までそれぞれの考えを公式な立場で議題化させる過程だという。 それでも、これまで使用者側が否定してきた187人(非正規職解雇者8人を含む)の整理解雇者の実体を認めたことが成果だという。 まだ表での議論はしていないが、今日の話なら速度を上げたいという。 ところが煙突座り込みを解除した時点なので、使用者側の反応がどうか分からないと心配している。

煙突座り込みは終わったが、その闘争が残した成果は存在する。 使用者側が整理解雇者と交渉を行い、先頭で闘っている解雇者が29人から32人に増えた。 希望を拡大したのだ。 その力で双竜車支部は解雇者の先導闘争と社会的な力、そして工場内の仲間たちとの関係復元で、もうひとつの闘争を準備するという。 現在、組み立て1チーム(チボリ生産)は昼間3時間延長と夜間2時間延長、特別勤務などでフル生産されており、 組み立て3チーム(コランドC生産)も昼夜間を運営していている。 ただし組み立て2チームは昼間だけ運営している。

だが3月24日の株主総会で組み立て2チームの工事費用180億ウォンが通過した。 組み立て2チームを合理化工事し、すべてのラインを昼夜間に転換して、チボリとコランドC生産を拡大するという意図だ。 現在はチボリのガソリン車だけを生産しているが、5月15日にはディーゼルエンジン、 下半期にはロングボディの市場発表が予定されていて、 組み立てラインを拡大する必要性があるからだ。 結局、人員補充をするしかない。 今するのか、でなければ交代制転換と生産ラインの調整過程でするのかが残っている。 6年間、路上を家と思って闘争した双竜車の仲間たちが少しでもはやく工場に戻れれば良い。 煙突座り込みの解除を理由として、すべての協議で開き直った現代車とは異なる双竜車使用者側の態度を期待する。

少し上がると起亜自動車華城工場が現れる。 海がすぐそばにあり、海の反対側でぼんやり煙を吹き出す現代製鉄が見える。 鄭夢九会長が起亜車で現代製鉄買収を決心し、一貫製鉄所の夢を見たというエピソードがある所でもある。 いろいろな話をしていると、起亜車華城分会の仲間たちが橋をかける途中でやめたと話してくれた。 生産された冷熱鋼板を自動車ですぐ運ぶシステムを作るという夢だったようだ。 本当にスケールが違う。 それなのになぜ不法派遣問題に対しては姑息なのだろうか? 2次業者の解雇者は起亜車とは何の関係もないと粘るその姿が本当に浅ましい。

他社の出入が禁止されているとし、起亜車分会の常執が車両を持ってきた。 起亜車は1社1組織で、非正規職の仲間たちも起亜車支部所属だ。 華城工場非正規職は「起亜車支部華城分会社内下請分会」に所属する。 組合員は1800人を超え、分会常勤者は分会長1人、常執5人だ。 現代車非正規職支会が同じような規模だった時、常勤者は2人だった。 それもまともに常勤費(タイムオフ費用)も受け取れなかった。 今はまったく常勤費が支払わていない。 同一資本なのに、較べものにならない。 少し早く到着して、分会の仲間たちが準備してくれた茶を一杯飲み、退勤長宣伝戦を行った。

起亜車の仲間たちが「退勤場」と呼ぶ所があった。 起亜車華城工場では通勤バスの停留場が一箇所に集まっている。 すべての通勤バスがここから出発して下車する。 現代車は途中で乗せたり、停留所も2か所あり、夜は工場の外にもあって分散しているのに比べ、 起亜車は一か所に集中しているので本当に多くの人と一度に会うことができた。 労働で疲れたからだをひきずって早く出た。 この日の退勤宣伝戦は、起亜車分会の仲間たちの積極的な組織で多くの代議員の仲間たちが参加し、 起亜車の現場組織である労解戦、金属労働者の力、起亜車ゼネスト実践団の仲間たちも参加した。 巡回の期間、一番多くの人員が参加した宣伝戦の一つと記憶される。

懇談会を華城分会の空間でしようとしたが、さまざまな会議でやむをえず食堂で行った。 カレンスセンター2階のサムギョプサル屋がその場所だ。 本当に久しぶりに来た。カレンスセンター。 現代車非正規職支会と起亜車非正規職支会を中心としして2006年の社内下請ゼネストを決議した所がまさにここカレンスセンターだった。 感慨新ただ。2015年にもすでに金属労組非正規職代表者会議で2日間(6/26〜27)のストライキを決議し、 社内下請の仲間たちが自発的に「社内下請ゼネスト推進全国の会」を構成し、 2015年の闘争を決議している状況で、さらに感激だったのかもしれない。

労使共同委員会協議で遅くなった華城分会のヤン・ギョンス分会長同志が決意に充ちた発言をしてくれた。 不法派遣10年! 今年は必ず不法派遣問題けりをつけるという決意を明らかにした。 そのために現代/起亜差非正規職労働者たちの共同闘争を宣言する。 これも感激だ。 先月、現代車の仲間たちの誤りで現代起亜車共同闘争の議論をきちんと行えなかった。 その意味で、すぐ現代車の仲間たちが起亜車の仲間たちを訪問し、共同闘争についての具体的な計画を決議しなければならない。 4月9日に代表者会議があるのでそこでしてもいいが、一日でも早くした方が良くないだろうか?

とにかく今年、社内下請労働者たちの集団行動のためには、現代車非正規職と起亜車非正規職がきちんと会って、 現代製鉄、ウィアへと拡大し、「鄭夢九/鄭義宣」を必ず拘束して終わらせなければならない。 あるいは使用者側がそのように拡大させてくれているのかもしれない。 平沢ウィア社内下請支会核心幹部6人を解約したという。 ヤン・ギョンス分会長同志が明日(27日)の記者会見をウィア工場で10時に開く予定だという。 起亜車華城分会と現代製鉄唐津支会が参加することに決めたという。 本当に良いことだ。 もう少し早く知っていれば、良才洞の記者会見を先送りしても行きたかったのに、 記者会見報道資料を配ってしまったのでスケジュールの修正をすることができなかった。 とても申し訳なかった。 だが闘争の現場で会えると考え、残念さを苦い焼酎でなだめた。 久しぶりに会った仲間たちがとてもなつかしく、我を忘れて食べる。 そして長い闘争の現場で一緒にしたファソンの同志が用意してくれた宿舎に移動した。 殺人の思い出に出てくるようなあぜ道に沿って到着した家! 夜明けに所下里に行くのは大変なことになりそうだ。

連載目次

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-03-31 01:53:42 / Last modified on 2015-04-01 10:58:05 Copyright: Default

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