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韓国:この家がわが家ではない理由 | ||||||
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この家がわが家ではない理由[ワーカーズ・イシュー(1)]不動産、エンドゲームはない
キム・ハンジュ、ユン・ジヨン、チョン・ウニ記者 2019.05.28 12:39
「国民の住居水準は全般的に改善されたことが明らかになった」。 去る5月16日、文在寅(ムン・ジェイン)政府が「2018年度住居実態調査結果」の発表にあたり出した評価だ。 彼らは最低住居基準未達世帯の割合が減少し、住居費負担も緩和され、 青年および新婚夫婦の住居条件も改善されたと明らかにした。 いよいよ政府政策の成果があらわれ始めたという点も強調した。 去る5月9日、共に民主党などが主催した 「9.13不動産対策成果および住宅市場安定と供給戦略討論会」でも 政府の政策に厚い評価を与えた。 2017年の8.2不動産対策から2018年の9.13対策まで、 2年間の政策によりソウルの住宅価格の安定と投機需要抑制、 実所有者がマイホームを持つ機会が拡大しているという評価であった。 果たして沸きかえったこの2年間の政府の対策が不動産の二極化と独占、 そして庶民の住居の安定を実現したのだろうか。 私たちの「住居できる権利」と土地の「公共性」は本当に拡大したのだろうか。 いつも1%の人々と政府、そして私たちが感じる体感温度は違っていた。 根本的な問題に近寄ることができない政策はいつもそうだった。 相変らず新しい不労所得の源泉を作り出して、 それで相変らず対応することができない不動産市場を≪ワーカーズ≫がのぞいて見た。
![]() 1. 君が買ったその家、その家がわが家繋いでいなければならなくて![]() 私に買える家はないが、私が住める家は世の中に広がりました。 住宅数が所帯数を追い越したのは11年前の2008年です。 当時の住宅普及率は100.7%を記録し、住宅難を解決する基盤を用意しました。 その後も住宅普及率は着実に上がりました。 2017年基準、住宅普及率は103.3%まで上昇しました。 住宅普及率が最も低い都市のソウルでも、 2008年の93.6%から2017年には96.3%に上がりました。 需要より供給が多いのに、 1人1住宅が可能なのに、 なぜわれわれは10年経っても慢性的な住宅難に苦しんでいるのでしょうか? 2. 旅館より考試院![]() ![]() 今や1人1住宅が可能な時代がきたといわれます。 しかし変です。 住宅が残っているのに、「住宅以外の住みか」で暮らす人々が増加し続けているといいます。 「住宅以外の住みか」は宿泊業者の客室、掘っ建て小屋やビニールハウス、 竪穴、考試院あるいは考試テル、 寄宿舎や特殊社会施設などを含みます。 住宅を持っていることができないか、住宅で暮らせない人たちが暮らしている所です。 2005年に5万7066世帯だった住宅以外の所帯数は2017年の36万9501世帯から約7倍に増えました。 そしてこれらのうち最も多い15万1495世帯(41%)が考試院や考試テルで暮らしています。 3万299世帯(8.2%)は宿泊業者の客室で、 6651世帯(1.8%)は掘っ建て小屋やビニールハウスで居住しているといいます。 2005年だけでも38%がビニールハウスや竪穴、掘っ建て小屋で、15.9%が宿泊業者で暮らしていました。 3. 最高と最悪、階層に従う住居形態![]() ![]() 韓国で最高の住居形態とされるアパート。 そして最悪の住居形態とされる「住宅以外の住みか」。 最高と最悪の間隙は、階層によってさらに深まるばかりです。 低所得層の「住宅以外の住みか」は2008年の1.8%から2017年には6.5%と、 幾何級数的に増えました。 中所得層と高所得層でもそれぞれ1.1%、0.4%増えましたが、 それは「住宅以外の住みか」に「オフィスホテル」も含まれるためだと思われます。 とにかく、不安定な住居形態の上昇を牽引している階層は低所得層です。 しかしアパートの居住率は2017年基準で 低所得層が28.1%、中所得層が56.%、高所得層が74.5%を記録しています。 2008年と比べると 低所得層が2.2%、中所得層が6.5%、高所得層が6.4%増えました。 いくらアパートがたくさん経てられても、 低所得層が暮らせるアパートはそれほど多くはないようです。 4. マイホームを奪われる人々![]() ![]() ![]() おかしなことはまだあります。 特定の階層でマイホームの割合が明確に減少している点です。 低所得層の自家占有率は2008年の51.9%から2017年には47.5%に減少しました。 では自家を放棄した人々はどんな形態の住居空間に移動したのでしょうか。 残念なことに、低所得層の伝貰占有率も2008年の16.8%から2017年には11.5%に減りました。 しかし彼らの月貰占有率は2008年の24.3%から2017年には34.2%と、何と10%も増えました。 低所得層を中心に家賃の支払いが難しくなり続けているという意味です。 中所得層の住宅占有形態の移動経路も興味深いです。 彼らの自家占有率は54.7%で、2017年には60.2%に増加しましたが、 伝貰占有率は9%も減り、月貰占有率は4.3%増えました。 一部の世帯は伝貰から自家に、別の世帯は伝貰から月貰に移動したということです。 事実上、中所得層も住居安全層ではないのです。 しかし高所得層の自家占有率は2008年の69.4%から2017年には73.5%に増加し、 伝貰の割合は5%減少、月貰の割合は0.5%増加しました。 5. 一銭も使わず11年の奴隷生活![]() ではわれわれは住宅を持つために、どれほどあくせく暮らさなければならないのでしょうか。 年所得対応住宅価格倍率(PIR)という指標があります。 何年間、一銭も使わずに貯めれば住宅を買えるのかを計算する方法です。 まず低所得層の平均PIRを調べましょう。 2008年の9.9から2017年には11.1に増えました。 つまり11.1年間、1年の所得を一銭も使わずに貯めれば家を買えるという意味です。 2008年に比べて1.2年増えた形です。 中所得層の平均PIRは2008年の5.6から2017年には6.2へ、 高所得層は5.2から5.3へと小幅に増えました。 結局、所得階層が低いほどPIRが急激に増加しており、 所得が低いほど住宅を持つことがさらに難しいということです。 6. 土地の価格は休む暇もなく上がる![]() 住宅市場に冬が訪ねてきたとすれば、土地市場は1年365日間、ずっと真夏の炎天です。 文在寅(ムン・ジェイン)政府になっても地価の上昇は止まりませんでした。 地価変動率は2009年には0.96%、2011年には1.17%、2014年には1.96%、2016年には2.7%、 そして昨年には何と4.58%上昇しました。 アパート売買の価格変動率が2016年から2018年までに0〜1%の水準を維持していた反面、 地価変動率は毎年さらに大幅に上がっている状況です。 地価が上昇するので土地の取引量も着実に増加しました。 特に2017年には331万筆が取り引きされ、歴代最高を更新しました。 (筆は一つの地番がついている土地を呼ぶ登記単位です)。 昨年には歴代二番目に高い318万筆が取り引きされました。 土地取り引き面積も2012年の18億2300m2から2017年には22億600m2に増えました。 7. 土地成金には生きる喜びがある世の中![]() 地価が上がり、土地取引量も増加して、土地成金もさらに増えています。 土地価額の規模が5億〜10億の地主は2012年より19万5105人増え、 10億〜50億未満の地主は9万5564人、50億〜100億ウォン未満の地主は3183人、 100億ウォン以上の地主は1653人増えました。 しかし土地価額規模が5千万ウォン未満の地主は2012年より66万5517人減りました。 8. 不動産成金はさらに金持ちになる![]() 不動産投機等による不労所得の総額です。 年間300兆ウォン以上の金が不動産を独占している資産家と投機屋らの財布に流れます。 中央政府の1年間の総支出予算と釣り合う金です。 その上、2011年までは中央政府の予算よりも大きな規模でした。 2016年基準、不労所得は374.6兆ウォン。 当時、韓国政府の社会福祉総予算の123.4兆ウォンの3倍を越える規模です。 9. ソウル市3倍の土地を持つ企業![]() ![]() 企業が所有する土地の規模も想像を超えます。 2017年基準、上位10の法人が5億7千万坪の土地を持っています。 5億7千万坪とは、想像もできない面積です。 簡単に言えば、ソウル市の3.1倍の面積だと思えば良いです。 経済正義実践市民連合(経実連)によれば、 これら法人所有の土地は10年前より何と4億7千万坪、約5.8倍増えたといいます。 現在、大韓民国で土地を保有している法人のうち上位1%は1752社で、 ソウル市の6倍を越える面積を所有しています。 そして上位10法人がこれらの30%を所有しています。 少数の企業が莫大な土地を独占しているのです。 また上位10法人が所有する土地の公示地価は385兆ウォンに達します。 韓国政府の1年の国家予算と釣り合う規模ですね。 2007年の上位10法人が保有する土地の公示地価は102兆ウォンでした。 10年間に何と283兆ウォンの資産を増やした形です。 10. 5大財閥の不動産腐心![]() 5大財閥が保有する土地も10年間で3倍近く高騰しました。 経済正義実践市民連合(経実連)によれば、 2017年にサムスンと現代車、SK、ロッテ、LGが保有する土地資産の帳簿価額は 総額67.5兆ウォンです。 2007年の23.9兆ウォンより43.6兆ウォン増えました。 土地資産が最大の幅で増加した財閥は現代車です。 現代車の土地資産は10年間で19.4兆ウォン増加しました。 5大財閥グループを系列会社で区分しても、 現代車の土地資産は断然トップです。 5大財閥系列会社の土地資産順位は 現代自動車(10.6兆ウォン)、 サムスン電子(7.8兆ウォン)、 起亜自動車(4.7兆ウォン)、 ホテルロッテ(4.4兆ウォン)、 現代モービス(3.5兆ウォン)の順です。 上位5社のウチ3社が現代車の系列会社です。 一方で財閥は相場差益や賃貸収益などを目的とする「投資不動産」も所有しています。 投資不動産の場合、サムスンが5.6兆ウォンで最も多かったです。 次はロッテ3兆ウォン、LG 1.6兆ウォン、現代車1.4兆ウォンの順です。 彼らの総投資不動産は12兆ウォンに達します。 5大財閥の投資不動産と土地資産を合わせれば何と80兆ウォン。 参考までに、昨年の世界4大コンサルティング社のローランド・バーガーは、 企業が75兆ウォンを追加で負担すれば、 韓国は最低賃金1万ウォンを実現することができるという内容の報告書を発表しました。[ワーカーズ55号] ![]() [出処:ホン・ジノン]
翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2019-06-04 17:27:49 / Last modified on 2019-06-06 10:46:29 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |