正義党チャン・ヘヨン「不平等社会、原則に変える」

［インタビュー］正義党比例代表候補チャン・ヘヨン

キム・ハンジュ記者 2020.04.10 23:10

4月10日、ソウル市中浪甲の正義党遊説現場。正義党比例代表2番チャン・ヘヨン候補の声の力は格別だった。声は枯れ、咳も出てきたが、チャン候補のからだは前へ前へと進んだ。「韓国の不平等、いまこそ原則を持った政党が出るべきでありませんか」。発達障害の妹の脱施設人生を描いたドキュメンタリー「おとなになれば」が彼女の政治的成長を助けたとすれば、 21代総選挙は彼女の原則をさらに強硬した。今は国会で「力と速度」で世の中を変えたいと話すチャン候補。チャムセサンが中浪区のあるカフェでチャン候補とのインタビューを進めた。

［出処:キム・ハンジュ記者］

ドキュメンタリー監督から本格政治家活動を始めた。どんな心掛けで総選挙に臨んでいるか?

妹の脱施設をしていた時から総選挙の時まで、気持ちの本質は変わらない。個人の努力ではなく、社会全体が変わらなければならないという心がけだ。初めは妹と共に、平凡に、人間として尊重されながら暮らしたいという考えで映画を撮った。それだけでは「力とスピード」が足りないと感じた。文化が変わり、法と制度が変わるけれども、法と制度で文化を変えたりもする。目標を成し遂げるためには多くの手段がある。私はそれらすべての手段を動員して目標を達成したい。

正義党比例代表2番という当選圏に指定された。どんな背景があると考えるか?

正義党青年割当制の力だったと思う。民主労働党の時から正義党まで、その価値と共にした人たちは、青年政治を公論化した。既得権政治を突破する力は青年にあるといった。それで今回の総選挙を控えて正義党は青年にオールインしたし、私はそこで青年たちと競争する機会ができた。こうした過程でここまできたのではないか。

チャン・ヘヨン政治の始めとして正義党を選択した理由は何か?

巨大両党は絶対に行かないと決心した。文在寅(ムン・ジェイン)政府に対するすべての期待は崩れた状態だった。これからどうするべきかという絶望と怒りが大きかった。そんな時、昨年9月に沈(シム)サンジョン代表から電話がきた。沈代表が単刀直入に「望むことがあればここでやりなさい」と言った。私は1か月「私が今政治をすべきか?」、「それが正義党だろうか?」と悩んで決定をした。正義党がどうか、よくわからなかったのも事実だ。これまで党籍を持ったこともなかった。私は完ぺき主義の気質があって、人物と政策にすべて同意しなければならない。そうした判断で「一度してみよう」と考えた。

文在寅政府、共に民主党に対する診断は?

社会的弱者にひどい。 2020年の脱施設予算は0ウォンだった。障害等級制はニセの廃止だった。不動産については言う言葉がない。不動産価格が途方もなくあがった。李洛淵(イ・ナギョン)が従富税を下げるといった時はびっくりした。私の感じでは、文在寅政府は「社会的弱者が睨まれればどうなるのか見せよう」と言っているようだ。共に民主党は衛星政党を作ってはならなかった。民主化勢力が自分の党にダメージを与えた。選挙法改正の趣旨を壊したが、誤りを認めなければならない。私は民主党政治に対する公的な怒りを国会で人々が共感する言語で置き換えたい。

障害者運動が政治活動の契機になった。1号法案として脱施設をあげたが韓国社会は施設主義、受け入れ主義の根が深い。障害者運動陣営でも数十年間主張してきたが、力不足だ。どう突破していくか?

一番難しい問題だ。私が脱施設運動をしていた時も、周辺に多くの懐疑があった。私はそのたびに「すべての準備ができた時を考えれば永遠にできない」と思った。先送りするのはとても容易だ。だから今すぐ始めなければと考えて旗揚げした。韓国社会は一度変わればはやく変わる。朴槿恵(パク・クネ)キャンドルの初期に、誰が大統領弾劾が可能だと考えただろうか。コロナ19事態でも、脱施設イシューに対する国民的な認識が突然高まった。大変だ、難しい、条件ができていないと言って先送りすることではない。コロナ19で脱施設イシューが出てきたように、逆説的な契機を作りたい。

既成政治で障害者はいつも脇役だった。政治の領域で障害者運動をどう診断するか? その対応方向はどう設定すべきか?

障害を損傷や不足することではなく、一つの「完全な人生」だと見る観点から法と制度を作った議員は今までいなかった。障害者の人権をそれ自体で代弁できるものではない。もちろん恩恵授与と同情を強化する方向で話す当事者がいたりもする。だからアイデンティティ運動を立体的にながめる地点がある。私は障害者と非障害者が一緒に暮らす土台を作るという観点がもっと必要だと見る。

［出処:キム・ハンジュ記者］

昨年は公共運輸労組傘下で障害者労組も発足した。障害者労働権についてどう考えているのか

脱施設でも当然労働権を考えるほかはなかった。どんな障害があっても、ひとりの形態で生きていかなければならない。金についても、自己実現についてでも、誰もが働ける条件は必要だ。だが韓国の障害者労働は最悪だ。まず最低賃金からして障害者は例外の対象だ。真っ先に改正しなければならない。共感を得られると思う。また従来の方式で労働を見る時に現れる能力主義の問題も改善していかなければならない。

デジタル性犯罪処罰強化などフェミニズム公約も断然引き立っている。デジタル性犯罪他にも韓国のフェミニズム強化のためにどんな政治を準備しているのか。

まずもっと多くの女性政治家がいなければならない。女性政治家が半分になれば解決できることが多くなる。今は女性義務割当30%も満たせない現実だ。女性、青年政治家がどのように国会に入城したのか、その共感と経験の幅を広げることが重要だ。すべての面でフェミニズムは必要だ。まず女性は安全が脅かされているではないか。こうした状況で国会がきちんと処理しなければならない。今の国会はn番房をきちんと口に出すこともできない。性搾取という言語があるが、法的な概念として作用しない。国会でこうしたことから整理しなければならないのではないか。

候補が掲げた青年公約「青年基礎資産制度」を具体的に説明してくれ。また候補は韓国の青年問題をどう診断し、どう解決する計画か?

青年基礎資産制度は満20歳の青年に基礎資産3千万ウォンを国家が支払うものだ。もちろん一定以上の所得がある青年は除く。保育施設などで自立した青年の場合は、さらに多くの資産を支払う。財源は富裕税を新設し、所得税率を強化すれば充分だ。一方では私は私を説明する時に「青年チャン・ヘヨン」とは言わない。むしろ女性、障害当事者の家族と自称する。青年の貧困が一生の貧困につながるという点で、青年問題を今とは違う方式で話さなければならない。例えば青年住居貧困は青年ではなく、本質的に不動産問題だ。強力な不動産政策が施行されれば青年問題も解決するという意だ。

候補は青年割当で選出され、青年選対本部長をしている。正義党内の青年党員はどんな新しい運動を提示していて、党内にどんな影響を及ぼしているか?

正義党青年党員は私もいるが、過去の民主労働党の時は青少年党員、今は青年党員として活動する人が多い。彼らはとても原則的で、価値中心的だ。計算機をたたいて、これが原則ならとにかく押し進める。うれしいことに彼らと私は通じる点がある。私が入党した時は、むしろ青年党員たちが私に「こうした批判についてどう思うか」とまず単刀直入に尋ねたりもした。青少年党員も非常に剛性だと思う。一足遅れて入ってきた私だが、彼らと融け合うのは難しくなかった。

正義党の沈サンジョン代表に「争いにきた」と話した。正義党でどんな活動を期待して、正義党はどんな道を望むか?

政治が扱うイシューは誰かの具体的人生と連結している。連結した人の中で一番不平等で、一番代弁されない人生がある。こうした観点で代弁することが私の存在と価値だと考える。そうでなければ国民が政治家を支持する理由がないと思う。妥協があってはならない。箸にも棒にもかからない、水を水で薄めたようにしてはいけない。正義党は断固として進まなければならない。独自路線で評価されなければならない。今の韓国はじっとしていても死にそうな社会だ。ここで死んでも、あちらで死んでも、じっとしていても死にそうな現実だ。こうした世の中が続けば私も、妹や私たちの人生は視野の外に消えるだろう。社会の安全網を備えるためには正義党は錐のような存在にならなければならない。

最後に伝えたい言葉は?

私一人で暮らすのも難しいのに、どうして他人の面倒を見られるかと言う。人の面倒を見なかったから、自分も苦しい世の中になった。この人もあの人も反則しているからといって、自分が反則してはいけない。曺国(チョ・グク)事態が見せたように、正義党には不足な点が多い。だが原則を守る政党に力を貸して欲しい。私は正義党に入ってきた時、党内インタビューで「能動的変数になる」と話した。私が守る原則を信じて機会を与えて欲しい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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