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LNJ Logo 韓国:KBS 9時のニュース、海上警察を指摘せず船長非難
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KBS 9時のニュース、海上警察を指摘せず船長非難の二番煎じ、三番煎じ

海上警察の初動対応の問題点を軽く扱い、釈明のニュアンスで報道

キム・ヨンウク記者 2014.04.29 11:13

4月28日夜のKBS 9時のニュースは、海上警察がセウォル号惨事から12日経って公開したセウォル号救助動画をメインのニュースで扱った。 だが動画の中の海上警察が見せた未熟な救助態度に批判の声が高まっているが、KBSは船長と船員の脱出当時の問題だけを集中的に強調した。

▲KBS画面キャプチャー

KBS 9時ニュースは「海上警察の警備艇が救助にきたのに...寂しい甲板」というヘッドライン ニュースで、乗客が甲板にいなかったという残念さを伝えたが、これはあえて追加の動画ではなくても、すでに何回も船長に提起された指摘だった。 特にヘッドライン ニュースでは、乗客に動くなという録音と、退去命令がなかったというリポートの後に、海上警察の初動対応の失敗について積極的な釈明を入れた。

追加動画が公開される前から海上警察の初動対応失敗の議論が政府不信にまで続く局面で、こうした資料画面映像とリポート、録音の流れは、いつの間にか海上警察は悪くないと認識させる効果がある。

すでに2-3日前からFaceBookなどのソーシャルネットワークでは、初期に公開された乗務員の脱出過程の写真が議論を呼んでいた。 船室のガラス窓から救助を待つ乗客の姿を拡大した場面が回り、海上警察に対する強い不信が表れていた。 こうした状況で、船長の対応だけを強調するのは意図がある編集だと誤解されかねない。 KBS 9時のニュースは海上警察の初動対応の失敗の問題は、ニュース中盤部の後で少し扱って終わった。

KBS 9時ヘッドライン ニュース リポート

〈録音〉セウォル号案内放送(09時28分):「現在の位置から絶対に移動しないで下さい。 動かないで下さい。 動くとさらに危険です」。

(リポート)この時まで、3、4、5階の客室全体はまだ水に浸っていませんでした。 退去命令があったなら、相当数は海に脱出できたということで、実際に4階の搭乗者1人が救助艇を見て飛び込みました。 海上警察は当時、船体の傾斜が激しくて、船舶内部への進入が難しく、それで外部から脱出指示放送をしたと説明しました。

〈録音〉キム・ギョンイル(海上警察123警備艇艇長):「艦内警報を利用して、乗客総員退去しろと、海に飛び降りろという放送を数回実施しました」。

(リポート)搭乗者が甲板にいれば相当数を救助できた状況…残念な瞬間が動画にそのまま含まれています。

KBS 9時のニュースの二番目に「セウォル号船長、水一滴つかず救助」はさらに深刻だった。 やはり地上波が数えきれない程扱った船長の態度をまた新しい映像と共に詳細にリポートし、再度怒りを刺激した。

〈リポート〉 本格的な救助が始まった午前9時38分、差し迫った乗客が海に身を投げている間、船員の出入だけが可能な船首「統制区域」!

下着姿で一番早く綱をつたって降りて、あたふたと構造物を捕まえる人がいます。 セウォル号のイ・ジュンソク船長です。 水に落ちないかと、裸足で救命艇に無事に到着したイ船長! あわてて船の中心に移動します。 続いて乗務員の制服を着た船員らがぞろぞろ脱出に成功します。

あらかじめ準備したロープ、一方の手には無線機まで、互いに連絡をやり取りしながら脱出したという疑惑が確認できます。 水に落ちた乗客を救うべき緊迫した瞬間にも、ガラスを割って乗客を脱出させる危機の状況でも、水一滴濡れずに救助された航海士は、対岸の火事見物です。 後も振り返らず脱出に汲々とした船長と船員ら

〈録音〉イ・ジュンソク(セウォル号船長):「(乗客らに)退去命令しました」。

結局彼らの最後の弁解も真っ赤な嘘であることがわかりました。

▲KBS画面キャプチャー

この日のKBS ニュースの題名は、視聴者の集中度が高いヘッドラインのほとんどは船長と乗務員の指摘と、脱出の困難に集中した。 オープニングまで8つの枠だった。 そしてニュース中盤の後になって海上警察の一歩遅れた動画公開、編集疑惑と検察が初動対応不十分の調査に入ったという知らせを扱った。

28日午後9時ニュース順序

  1. オープニング(アンカー核心ニュース紹介)
  2. 海上警察警備艇救助しにきたのに…寂しい甲板
  3. セウォル号船長、水一滴つかずに救助
  4. 「救助に必死の努力」海上警察の後で「高飛び」する船員
  5. 必死の脱出・必死の救助…その瞬間、その現場
  6. 時間帯別のセウォル号のようす…ますます「転覆の速度」速まった
  7. 10時17分最後のメッセージ…「次の案内放送はなく」
  8. すでに45度傾いた…「自力での船室脱出は不可能」
  9. [アンカー&リポート]動画なぜ遅れて公開したか?…編集の疑惑も
  10. 木浦海上警察・消防に押収捜索…初動対処不十分を調査
  11. 乗客3百余人が無事帰還…スペイン旅客船は違った
  12. [集中診断](1)「非常対応」決定権はCEOに?…会社との通話50分
  13. [集中診断](2)CEOが事故船舶の退去決定を規定…正しいのか?

しかし海上警察の動画公開について29日午前のニュースのほとんどは、海上警察の初動対応の問題と動画隠蔽の疑惑に合わされていた。 政府に友好的な保守メディアの朝鮮日報さえ、A01面総合で「海上警察も船内に入らなかった」と非難した。

出勤時のラジオも海上警察の初動対応の失敗を指摘するインタビューを中心に扱った。 韓国海洋対海洋警察学科のイ・ウンバン教授はYTNシン・ユルの出発新しい朝とのインタビューで「船内に進入はできなくても、多様な方法で船内の人々に退去を知らせる方法が動画になかった」とし 「さらに危険を甘受してわが国の海洋水難救助機関としての専門家らしい姿が見えず、物足りなく思う」と明らかにした。

▲朝鮮日報紙面キャプチャー

韓国海洋対航海学部のコン・ギリョン教授もCBSのキム・ヒョンジョンのニュースショーで「(初めて出動した海上警察が)もっと経験があれば、事故船舶に接近して、はやく船長は誰か、船員は誰かを見つけ、彼らと共に協力して救助作業に臨むことが一般的な考え」とし 「その部分がなかったのは、かなり残念だ」と述べた。

コン・ギリョン教授は 「船舶に旅客が何人乗っていて、どの位置にいるのかについて、出動するにあたり事前に情報を持って、乗客が一番多い側から接近をするべきだった」とし 「多くの人がいる船内に入ったり、多くが集まっている側に行って、はやく船室の外に出て脱出しろと言えなかった部分が残念だ」と指摘した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-04-30 05:57:11 / Last modified on 2014-04-30 05:57:12 Copyright: Default

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