部品メーカー「昼間連続2交代制」導入の議論、労使は「同床異夢」
「来年3月の施行合意に履行を」 VS 「設備投資、人員補充が負担」
ユン・ジヨン記者 2013.05.21 20:57
現代自動車が10年間の論争の末に今年の3月4日から昼間連続2交代制を導入し、部品メーカーでも昼間連続2交代制の導入による実労働時間短縮が実現するのかに関心が集まっている。
現在、金属労組と金属使用者協議会は、部品メーカーの昼間連続2交代制導入に
合意した状態で、具体的な施行方案の議論を続けている。
しかし部品メーカーは、まだ完成車メーカーである現代車の交代制変更モデル
をそのまま導入するのは無理だと声を高めている。ほとんどの部品メーカーは
生産性向上のための設備投資と、賃金保全の余力がないという主張だ。
すでに労組と使用者協議会は、来年の3月までに1次協力社から順次、交代制を
施行することに合意した状況で、労使は実質的合意履行の方案を導き出さなけ
ればならない状況に置かれた。これにより金属労組と金属産業使用者協議会は
21日の午後1時、白凡金九記念館のコンベンションホールで「部品メーカー昼間
連続2交代導入のための労使共同ワークショップ」を開き、部品メーカーの昼間
連続2交代導入についての労使それぞれの立場と導入方案などを議論した。
部品メーカー、「設備投資、人員補充圧迫...できるならしたくない」
専門家を中心に「短時間正規職」、「弾力的勤労制」の主張も
自動車部品メーカーは、完成車メーカーより労働時間が長く、賃金および勤労
条件が悪いといわれている。実際に、部品業者の年間労働時間は現代車と較べ、
2007年126時間、2008年325時間、2009年513時間の差が生じるなど、長時間労働
が蔓延している。
金属労組と金属産業使用者協議会は、昨年の中央交渉で2014年3月末までに1次
協力社から昼間連続2交代制を導入するなど、順次交代制への変更を施行するこ
とに合意した。また京畿支部、慶州支部、大忠支部、蔚山支部などの地域支部
と支会単位で昨年と同様の内容の合意がある。
合意によれば、部品メーカーの昼間連続2交代制導入まで1年も残らない状況だ
が、労使間の論争はまだ続いている。部品メーカーは労働時間が短縮されると
物量の保全が難しくならざるをえず、現代車と共に生産性を向上させるための
設備投資や賃金保全に耐える条件が整っていないとして難色を示しているためだ。
イ・ジョンタク産業労働政策専任研究員は「大部分の部品メーカーは、内部の
柔軟性がとても高く、編成効率も最大の状態なので、追加の投資や変化による
生産性向上の効果は大きくない」とし「完成車に従って昼間連続2交代制を導入
した企業は、労使の負担を外部/他者に転嫁する形で接近している」と説明した。
賃金保全の負担を減らすために外注/請負化、非正規職採用などで使用者の負担
を減らし、結果的に労働市場体制の改善は放置しているという指摘だ。
セウォン・テックのユ・ジェチョン部長はもっと直接的に、昼間連続2交代制を
施行することの困難を吐露した。彼は「使用者の立場としては設備投資や人員
の増加に相当な圧迫感を持っている」とし「人員の補充、設備投資をして(昼間
連続2交代制に)必ず行かなければならないようで、注文がいつも一定ではない
状態で生産量が急変した時のダメージも憂慮される」と強調した。続いて、
「完成車が施行しても、私たちが今の形態を維持できるのなら、やりたくない」
と述べた。
また金属産業使用者協議会のパク・クニョン常任理事は「会社の経営事情など
を考慮せず、突然に政府政策の推進や労働組合の要求で労働時間を短縮すると、
企業の競争力を弱め、労使当事者に後遺症を残して、新しい労使の対立を招く
可能性がある」と主張した。続いて彼は「金属産業使用者協議会所属72社は、
合意事項を不誠実に避けるつもりはない」とし「ただし、労組の譲歩と配慮が
必要だ」と強調した。
部品業界の事情上、現代車の方式では交代制への変更が難しいという主張が続
き、専門家たちは新しい交代制方式を導入するよう主張した。イ・ジョンタク
専任研究員は「物量が安定していても、設備投資や編成効率の改善が難しいの
なら、3組2交代や3交代制なども積極的に考慮しなければならない」として、
「雇用形態にも『短時間正規職』のような新しい雇用形態を積極的に発掘する
ことも代案かもしれない」と主張した。
ワークイン研究所のイ・ムノ所長は物量保全の可能性がない会社は、交代組の
拡大(例. 2組2交代→3組3交代)や外注化などの方法を探すことになるだろうと
展望した。
イ・ムノ所長は「交代組を拡大する場合、雇用は創出されるが賃金の10%が減少
しかねず、不況期に正規職より非正規職が増えかねない」とし「外注化の場合、
ワークシェアが可能だが、賃金減少と重層的搾取構造が深刻になるだろう」と
見通した。物量保全の可能性が確保された会社では、設備改善と作業場革新と
いった現代車モデルや弾力的勤労時間法が導入されると説明した。
金属労組、「回避せず、昼間連続2交代制の合意履行方案を提出しろ」
だが現在の部品メーカーの労働時間短縮の議論が物量と賃金をバーターする方
式の現代車モデルを越えられず、労組の譲歩を前提とした雇用形態変更までも
言及されていて、労組の内部からは憂慮の声もあがっている。
ある労組の幹部は「3人の発表者など専門家たちは、使用者側の財政的な余力が
小さく、物量と賃金を変えるしかないという前提で話している」とし「その上、
短時間正規職や弾力的労働時間も言及されているが、これが金属労組交代制の
変更準備過程のガイドラインになってしまうのではないか憂慮される」と声を
高めた。
金属労組側は、長時間労働体系はもうこれ以上持続可能ではないという点を明確
にし、部品メーカーの昼間連続2交代制合意履行を要求した。
金属労組労働研究院のアン・ジェウォン研究委員は「会社は物量減少の困難、
賃金保全の困難、新規生産設備投資の困難を訴えて、段階的導入と労働強化、
外注化による勤務形態改善を回避している」とし「だが2012年中央交渉に合意
した通り、2014年3月末までに昼間連続2交代導入のために、合意をいかに誠実
に履行するのかを提出しなければならない」と強調した。
特にアン・ジェウォン研究員は部品メーカーが完成社に設備支援の要請をする
難しい状況だけに、金属労組と使用者協議会が労使共同で、政府と元請に勤務
形態の改善のための支援を要求しろと強調した。
イ・ムノ所長は部品メーカーの昼間連続2交代制導入のために元請と政府の役割
も必要だと主張した。彼は「政府は生産性向上のためのコンサルティング支援、
施設貸与および設備投資時金融/税制恩恵の導入、元下請の公正取り引きの確立
および社会福祉の確立などに動くべきだ」とし「完成車は公正な納品単価策定
と部品メーカーの安定的物量確保のための元下請の長期的契約関係維持などの
制度改善や支援に努力すべき」と説明した。
なお今回のワークショップには、昼間連続2交代制施行事業場のトウォン精工と、
施行を準備している事業場、漢拏ビスティオンの労使が参加して、それぞれの
事例を共有した。
漢拏ビスティオンの場合、先月平沢工場の生産部署を対象に交代制変更モデル
運営を実施した。その後、8月に全工場でモデル運営を行い、10月1日から勤務
形態を変更する計画だ。
漢拏ビスティオンのキム・スハン常務は「昼間連続2交代の導入は、労使の共感
形成が最も重要で、われわれは労働時間短縮と深夜労働撤廃、労働者の生活の
質の向上に共感したので実施することにした」とし「会社は勤務形態を変更す
るために100億の投資と50人ほどの人員補充の過程を経ている」と説明した。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
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Created on 2013-05-22 23:30:48 / Last modified on 2013-05-22 23:30:48 Copyright:
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