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LNJ Logo JCA-NETセミナー報告:モバイルIDをめぐる問題点について
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*レイバーネットMLから

としまるです。

先週金曜日にJCA-NETのセミナーでモバイルIDについて取り上げました。 マイナカードのスマホ搭載もモバイルIDです。先週のセミナーでは、主にスマホ搭載の運 転免許証についての問題点をとりあげました。 セミナーの内容について、別途録画したデータを下記に置いてあります。 https://archive.org/details/2025-07-26-16-46-58 資料は https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/s/y5GrBNz7j9pZs77 以下若干の説明。 スマホ搭載の身分証の技術的な仕様では、本人の気づかないままに、IDの利用情報を政府 などに通知する仕組み(これをphone homeといいます)が組み込み可能な技術になっている という問題について、以下関連する資料を紹介します。いずれも主に米国の事情に基く記 事を日本語に訳したもの(機械翻訳のままのものもあり)です。セミナーでも説明したよう にモバイルIDの基本的な技術の規格は国際標準を前提にしているので、米国であれ日本で あれ、問題の本質は同じといっていいと思います。 phone homeとは、たとえば、運転免許証を提示するたびに、この行動を運転免許証の発行 者などに通知する仕組みをいいます。下記の「medium.com」の記事など参考にしてみてく ださい。また、この問題は運転免許証だけの問題ではなく、スマホ搭載の身分証全ての規 格に関係すると思われます。 いずれにせよ、この問題は技術的にも複雑で取り組むのがちょっと大変な課題だと感じて います。また、別の機会に再度取り上げてみたいと思います。 米国におけるphone home反対の共同声明の日本語訳 https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowledge-base/no-phone-home_jp/ (medium.com)phone homeは悪い。 本当に悪い。 https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/edit/fuwV64WMYCyMCJV47UMdrSBv/ できれば、この記事はぜひ読んでいただきたいと思います。phone homeの問題をやさしく 概観しています。とくに、政策(法)によってプライバシーを保護するという考え方を厳し く批判しています。法は必ず裏切ると断定しています。 ACLUレポート「デジタルID 州議会への提言」 PDF https://cryptpad.fr/file/#/2/file/de-VB7unOWUcxrt6ZZmpFHxm/ ODT https://cryptpad.fr/file/#/2/file/hff+9EelB5ETeM-xDmS3pRdh/ ACLUのこの提言がphone home機能への反対運動のきっかけになったと思います。証明書を 紙9プラスチック)でも提供することなど重要な提言が含まれています。また重要な指摘と して、モバイルIDの失効操作を発行元が勝手に行なえる、という点についても重大問題と して指摘しています。この問題は運転免許証だけでなく全てのモバイルIDに共通する問題 でもあります。 (criipto.com)検証可能な資格情報Verifiable Credentialsと ISO/IEC 18013-5 ベースの 資格情報:その違いは? https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/edit/nLH5ekRWdz2zeekqmqCJoZdD/ モバイルIDの技術仕様については、異なる出自をもつ二つの流れがあります。デジタル庁 などが推している(?)と思われるのがISOの規格ですが、これとは別に、W3Cの規格VCがあ ります。その違いを説明した記事。 (EFF)自分の州のデジタル運転免許証を使用すべきか? https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/edit/cgRCdl9RrBtzMcTRyYqt67Uc/ (reclaimthenet.org)no phone homeはデジタルIDが予想しなかったプライバシーの反乱で ある https://cryptpad.fr/pad/#/3/pad/edit/a9332d48ec17e91e149459ae2a9b5a68/ なお、EUでもデジタルIDについての議論が活発です。EUではモバイルIDに関して、Google とAppleがOSを独占している状況への危惧が指摘されてきました。たとえば英語のままで すが、 https://news.dyne.org/the-problems-of-european-digital-identity/ モバイルIDはOSが提供するウォレットの仕組みを前提とします。そのために個人情報の扱 いをOSを提供する企業の手に委ねることになり、ひいてはこれら米国企業への法的支配国 となる米国の手にも委ねることになる、といったところが問題になるかと思います。別途 この問題は扱いたいと思っています。

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