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LNJ Logo 渡部通信(7/4):悪化する公教育への反省がない都教委の再回答
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渡部通信(7/4) : 明けない夜はない(320)<若者を再び戦場に送るな!(70)悪化す
る公教育への反省がない都教委の再回答>

============================= 「都教委包囲首都圏ネットワーク」では、今年2月26日、 東京都教育委員会に対し、以下の6項目の要請行動を行いました。 1.「10・23通達」を撤廃すること 2.それによりなされた処分をすべて取り消すこと 3.教職員の職階制を廃止し、主任制より前の職場に戻すこと 4.業績評価を廃止すること 5. 学力テストに参加しないこと 6.英語スピーキングテストをやめること それに対し、3月17日付けで「回答」が届きました。 このことに関して「明けない夜はない」(320、2025年3月19日)で、 <反省しない都教委からの回答>として、それぞれの回答を紹介し、 次のように述べました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 要するに都教委は、 これまでの取り組みの結果どんどん教育崩壊が起きているにも関わらず、 それを指摘されても反省せず、開き直りを続けているのである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー そこで、私たちは、6月4日に都教委に「再質問」を出しました。 それについては「明けない夜はない」(313、6月5日)に紹介しました。 そこでは都教委の「回答」への具体的な反論を述べ、 さらに質問・要請を12項目に増やしました。 それに対し、6月24日付けで都教委から「再回答」が届きました。 中身を読むと、そのほとんどは前回と同様、 彼らの進める教育政策を肯定したもので、 この間の公教育の悪化に対する反省や責任が全く感じられないものでした。 ここでは煩雑になりますので12項目の「再回答」すべてには触れませんが、 4つの項目について紹介したいと思います。 1、都教委は「君が代」は天皇主権の歌ではないと考えているのですか。 戦前教えられた歌詞の意味に忠実に沿ってお答えください。 なぜなら、歌詞は戦前と変わってはいないからです。 これに対しては以下のような「再回答」が来ました。 学校教育における国歌に関する指導は、 学習指導要領や学習指導要領に基づき、行っております。 私たちの質問に何も答えていないのです。 答えられなかったのかも知れませんが、 <無責任>としか言いようがありません。 8、職階制度が導入されて以降の職場環境は、私たちが指摘した通り極めて悪化し、 休職や中途退職、初任での退職が後をたちません。 その大きな原因の一つが風通しが悪く、ものも自由に言えなくさせているトップダウンの 職階制度です。それでもなお職階制度を改める考えはないのですか。 「再回答」 主任教諭はミドルリーダーとして、主幹教諭への補佐、教諭への助言・支援という 双方向のコミュニケ―ションの要となり、組織内のコミュニケーションを 活性化する役割を担っています。 これも私たちが指摘したことに対しては何も答えていません。 私たちは、職場環境の悪化の大きな原因がトップダウンの職階制度で、 それでもなお改める考えはないのですかと聞いているのに、 「組織内のコミュニケーションを活性化する役割を担っています。」 と答えています。しかし実際にはそうなっていないから、 ストレスがたまり働く意欲がなくなり、休職や退職に追い込まれ、 かつ長時間労働を強いられるので、採用試験の倍率も落ち、 教員不足になっているのです。 9、都教委はこうした戦前のような「国家主義教育」が当然であると考えているのですか 。 これは、「改悪教育基本法」になって(2006年)、 教員は「全体の奉仕者」という文言が消され、 「自己の使命を自覚し」は、「自己の崇高な使命を自覚し」となり、 「絶えず研修と修養に励み」が追加され、 教員はもはや「全体の奉仕者」ではなく、 国家が要求する「崇高な使命」のために「絶えず研修と修養に励」 むことが要求されるようになり、 これが教員に対する「業績評価」の基準となり、 これはまさに戦前の「国家主義教育」への逆戻りであることを問うたものです。 「再回答」 業績評価は、連携・協働の中で進められている教育活動において、 一人一人の教員が担当の職務にどのように取り組み、学校の課題解決に 貢献したかを把握するための制度です。 ここに見られるのは「業績評価」は生徒の成長のためではなく、 「学校の課題解決に貢献したかを把握するための制度」であるということです。 しかし、それは改悪された「教育基本法」に新設された 「教育振興基本計画」にそって定められた「学校の課題解決」に他なりません。 つまり、こういうのを「国家主義教育」というのです。 それを当然であると考えているわけです。 12、これだけ問題点の多い、英語スピーキングテストを、都教委はまだ続けるつもりです か。 「再回答」 試験は適切に実施されており、学校における様々な指導と、 その学習成果を確認するスピーキングテストの双方w実施することが 生徒の英語力を伸ばすことにつながります。 そのため、引き続きスピーキングテストを実施してまいります。 しかし、実際には多くの問題を生じており、 事業者もベネッセからブリティッシュ・カウンシルに代わり、 かえってトラブルが多発(前年度の4倍以上)しており、 かつ、代わった事業者が財政危機に陥っていると報道されています。 そして、特に中学校の生徒・保護者や教員に対し、大きな負担を強いているのです。 ある中学校の英語の教員は、4月の反対集会で、 「総じて、かなりの労力と時間を奪われた。現場丸投げの作業をなくしてほしい。 これ以上、英語科だけの負担が増えることへ、断固として反対します!! 来年以降もこの負担は耐えられません!!」と述べていました。 以上からもお分かりのように、都教委は自ら行っていることに対しては、 全く反省も無ければ責任も負いません。 その結果、そのしわ寄せは全て現場に丸投げです。 そして、諸問題は解決するどころかますます悪化しつつあるのが現状です。 都教委包囲首都圏ネットワークでは、 今後さらに詳細に「再回答」を検討したいと思います。 みなさん、黙っていないで、声を上げましょう!! 7月の全国学習・交流集会」のチラシを添付します。 ******************************************************** 「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス http://houinet.blogspot.jp/ 千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ http://hinokimitcb.web.fc2.com/ 「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト http://hinokimi.web.fc2.com/

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