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LNJ Logo 映画『WARmerikaの運命』を観て:侵略と戦争を繰り返してきた米国の歴史
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投稿者 : 小野利明
 6月21日大阪の阿倍野区民センター小ホールで午後6時より金哲民監督の韓国映画「WARmerikaの運命 1部、2部」が上映された。主催は「1パーセントの底力で朝鮮学校の民族教育を支える会」「未来アジア学習会」など4つの団体が力を合わせて開催にこぎつけることができた。当日の鑑賞者は70名ほどであったが他の大きな会合と重なった中で、このテーマでよく集まったといえるのではないか。

 この映画は朝鮮戦争停戦協定70周年の節目2023年に制作された映画であったが、監督の「世界的には米国の一極支配が終わろうとしている今、韓国と日本は今も米国に追従している。・・・朝鮮半島と東アジアの平和のために戦っている人々がいる。この人たちの力になりたくて映画を製作した」という言葉に感銘を受けた人々が、自主的に集まって映画上映を成功させた。当日は監督も参加して短時間であったが映画の感想や今の韓国の状況などを監督と意見交換できる時間も持つことができた。

 映画は15世紀のアメリカ大陸における先住民虐殺から始まって一貫して侵略と戦争を繰り返してきた米国の歴史を振り返る。そして軍産複合体に支配される現代の米国による世界一極支配の崩壊と、ドル覇権の終わりが見えてきた今、共同富裕を目指す多極化社会を目指す、世界の民衆デモ、それとメダルの裏表の関係を持つ、米国や、EUでの反社会的犯罪の発生、格差社会の深刻化を映画は映し出している。

 このような矛盾に対してグローバルサウスの先頭を切る、ロシア弱体化を目指すウクライナを利用した代理戦争の様子や、石油産出地域中東でのイスラエルを使った反帝自主権を目指す勢力を絶滅させる戦争政策、さらにはユーラシア、中,ロ、共和国を封じ込める米、日、韓そしてNATOの合同軍事演習に映画は焦点を合わせる。3つの地域の緊張は米国を中心に組み立てられた一連のグローバルノースによる世界支配の中心的対抗軸を示していると主張する。

 この世界観の鮮明さは鮮やかにみる者の認識を刺激し、認識の転換を促す。その意味で面白く時宜にかなった映画上映であった。


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