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子ども甲状腺がん裁判〜新たな原告の怒りの陳述 | ||||||
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堀切さとみ 100万人に1人しか発症しなかった小児甲状腺がん。わずか14年の間に400人の子どもが罹患しているのは、放射能による被ばくのせいではないのか。 9月17日、311子ども甲状腺がん裁判が東京地裁で行われた。第15回期日のこの日、大きな転換点を迎える法廷となった。 ******************************** 原発が爆発した時「いつかガンになって死ぬかもしれない」。12歳で、そういうことを、なんとなく受け入れていました。 高校二年でがんが見つかりました。「この大きさになるには10年かかるから、事故の前に出来たものだよ」と医師に言われ、素直に受け入れると「皆、あなたのようだったらいいのに」と医師に言われました。「見つかってラッキーだったね。とれば大丈夫」とも言われました。 裁判のためにカルテを開示すると、1回目の検査の時は、がんどころか、結節もありませんでした。わずか2年で、1センチのがんができたのです。しかも、リンパ節転移や静脈侵襲がありました。 9年前、手術の前日の夜、暗い部屋で1人、途方もない不安や恐怖を抱えていました。その時、私の頭に浮かんだのは、「武器になる」という言葉でした。私は反原発運動に利用する大人に怒っていました。私は、大人たちに都合のいい、可哀そうな子どもにならない。何があっても幸せでいようと思いました。 私が受けてきたのは、構造的な暴力です。命よりも、国や企業の都合を優先させる中で、私たちの存在はなかったことにされていることに気づきました。私たちは論争の材料でも、統計上の数字でもないのです。甲状腺がんで体と人生を傷ついた私たちは、社会から透明にされたまま、日々を生きています。私にとって福島で育つということは、国や社会が守ってくれないことを、肌で感じることでした。 でも私は抵抗しようと思います。命と人権を守る立場に立って、どうか独立した判決をお願いします。 ********************************* 途中からずっと泣いていた瞳さん。その背中を見ながら、彼女の怒りと覚悟を感じた。三人いる裁判官は皆若く、一人は瞳さんと同じ年齢だという。 日比谷コンベンションホールでの報告集会では、傍聴できなかった人たちのために、原告が前日に録音した意見陳述の音声が流れる。この日もそうだった。静かで深い瞳さんの声が終わった時、法廷では許されない拍手が会場を包んだ。 原発賠償関西訴訟団長の森松明希子さん、『俺たちの伝承館』の中筋純さんに続いて、福島県内の母子にアンケート調査をしている中京大学の成元哲教授(下写真)が、この14年のことを語った。「今からでも避難しようと思っているお母さんと、ここに居続けようと思っているお母さんとで、語り合う場を作ろう」と提案したら「語り合うなんて戦争」と返された。「もう、そっとしておいてほしい」「調査自体が風評だ」と言われてしまうのだと。こうした福島の現実が、瞳さんの苦しみを生み出してきたのだと思う。 驚いたことに報告集会の最後に、瞳さんが登壇したのだ。集会参加者を前に「こんなに多くの支援者がいることを、ガンになった時は想像していなかった。支援者と七人の原告がつないでくれたおかげで、追加提訴できました」と感謝の言葉を述べた。 次の期日は12月17日(水)14時15分から、東京地裁103号法廷にて。 Created by staff01. Last modified on 2025-09-18 23:35:35 Copyright: Default |