
投稿者: 高田勢介
安倍銃撃事件と森友学園事件で命を奪われた赤木さんの死、そして独裁者プーチン
安倍晋三の死亡で思い浮かぶのは、森友事件で命を奪われた赤木俊夫さんのこと、そし
て今もう一人、安倍の死に弔辞を送ってきた「晋三」「ウラジミール」と呼び合い未来を
夢見たロシアの独裁者プーチンのことがあります。
2017年2月9日、安倍晋三首相の昭恵夫人が小学校の名誉校長となっている森友学園が建
設を予定していた国有地が、評価額は9億5,600万円であったのに対して払い下げ価格は1
億3,400万円と、8億2,200万円が割り引かれ、財務省近畿財務局が払い下げたことを朝日
新聞が報道。
2017年2月17日、安倍晋三が、国会で、国有地払い下げに「私や妻が関係していたとい
うことになれば、首相も国会議員も辞める」と答弁。
2017年2月24日、財務省で理財局長を務めていた佐川宣寿は、「売買契約の締結をもっ
て、事案は終了した。記録は速やかに廃棄した」、「近畿財務局と森友学園の交渉記録は
ない」と国会で答弁。
2018年3月7日、財務省近畿財務局の上席財産管理官だった赤木俊夫さんが、公文書の改
ざんを強要されたことを苦に、自ら命を絶ちました。
https://interests-me-the-most.com/econ_news/moritomo_point_kaisetsu_2020/
こんなことがあって5年が経ちこの間、モリ・カケ・サクラ事件の数々の疑念に対する
国会質問では、安倍晋三総理大臣の100回以上の嘘発言が繰り返されていたのでした。
サクラ事件では、【「桜を見る会の招待状を信用し、ジャパンライフに財産を預けまし
た」(87歳)「『桜を見る会』『政治家』との食事会の映像や話を聞いて信用し財産をあ
ずけました」(山形県・77歳)「『桜を見る会』の招待状の映像がでました。すごい会社
だと思いました。総理からの招待状が届くなんてびっくりしました」(42歳)。手記がそ
ろって物語るのは、「招待状」の効果の大きさでした。被害者の中には、老後の備えをと
ためたなけなしの財産を失った人もある】、ジャパンライフによるオーナー商法の被害者
はおよそ7000人、被害総額は2000億円以上にのぼるという犯罪行為の広告塔の役割を果た
したのが安倍晋三でした。
さらに今回、安倍銃撃の犯人、山上徹也は母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)
会員で、教会への財産提供により家庭が経済的に破たんし父親が自殺、兄も自殺という経
過の中で、それまでの安倍と統一教会との深い関わりから殺意を持つに至ったことが報じ
られています。安倍の祖父岸信介から始まり、安倍晋三までが果たした、長年にわたる統
一教会・世界思想・勝共連合への貢献は、どれほど大きなものであったか、多くの記録が
あります。
安倍元総理が選挙演説中に起きた統一教会への恨みにかられた山上容疑者からの銃撃よ
る死亡、赤木さんが安倍総理の嘘から出た公文書改ざんに巻きこまれたことによる死亡、
同じ一人の人間の無惨な死が、どれだけ大きな違いをもって日本社会の中で取り上げられ
ているのか、そしてウクライナ侵略の戦争犯罪者プーチンからも弔辞が送られたことにつ
いて、全世界的な視点に立つ稀有の政治家であったとなどという安倍讃美のニュースがあ
ふれかえっています。
元総理という政治家への銃撃殺人は、民主主義国家としては絶対に許してはならない、
その犠牲者である安倍に対し、弔意を示すことは民主主義を守るための決意の表明であり
、これに何らかの異議を示すことは、「民主主義への挑戦」行為というべきであるなどと
いう主張がまかり通っています。
そして、ついに「安倍元首相 秋に国葬」という大見出しで、国家的讃美のためのイベ
ントの開催を「安部元首を追悼するとともに、わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固と
して守り抜くという決意を示していく」岸田首相の談話と共に報じられるに至ったのでし
た(7月15日朝日新聞朝刊)。
これは、日本の国政史上最長といわれ8年近くも政権を握っていた安倍晋三首相が、犯
したモリ・カケ・サクラ事件という民主主義破壊活動の事実のすべてを帳消しとする驚く
べき行為というべきことです。中でも公文書改ざんという民主主義根幹を揺るがす事件。
後世に残すべき公文書の内容の事実を書き換えてしまうことについて、近畿財務局の赤木
俊夫さんが、公務員としての自負から命を絶つに至ったという悲惨な死亡に対し、すべて
を闇に葬ったうえで「民主主義を断固として守り抜く決意を示す」などということは、安
倍晋三の虚言によって命を奪われた赤木さんへの冒涜的行為として決して許されるもので
はありません。
赤木さんが亡くなった後、人事院では公務上災害による死亡と認定されたのは、遺書に
遺された手記の内容が、公文書の改ざんの経緯とそのことでの深刻な精神的負担による苦
しみ訴えが、人事院による調査の結果から事実として確認された確認されたことによるも
のでした。
それと共に、赤木さんが森友学園への国有地払い下げに至る内容とそれの改ざん行為へ
の指示関係の詳細を記録していた「赤木ファイル」の存在も明らかになったことから2000
年3月には、この文書の開示と併せ国の責任と財務省理財局長佐川氏への損害賠償請求訴
訟が行われてきたことに対し、2001年12月、約1億700万円の損害賠償を求めた雅子さん
側の請求を「認諾する」と伝え、裁判による真実の解明に蓋をすることまでしているので
す。
日本国民の目の前で起きているこのような「民主主義は破壊」の実態が、新聞からテレ
ビ放送に至る主要なマスコミ、メディアによって追及、解明のないままに国家が蝕まれつ
つあることは、21世紀の世界にとっても、大きな損失を加えるものとしか見えません。
もしも今、ウクライナ戦争を引き起こし世界中の人たちに大きな損失を加えつつあるロ
シアの独裁者プーチンが、国内の誰かによって暗殺されたとしたら、どのようなことが起
こるでしょうか。世界中の政治家、国家権力にある人たちから哀悼の辞がおくられるなど
ありえないことです。
統一教会にかかわる家族破壊への恨みにかられた銃撃殺人犯による安倍晋三の死亡、安
倍晋三の虚言の国家権力による隠ぺい行為という民主主義破壊の中で命を奪われた赤木さ
んさんの死亡、どのような中で失われた命でであっても大切さには変わりないものであり
、人間として生きる権利を奪うことは許されないことは当然と言わなければなりません。
安倍晋三元首相の死亡と国家公務員赤木俊夫さんの死亡は、どのような関係の中でおき
たのであったか、国家と国民、民主主義と人権、「国葬」という国家行事としての人間の
死に対する社会的対応、21世紀に生きる人間としての民主主義の在り方について考えると
き、安倍晋三の「国葬」は民主主義の破壊につながるものとしてぜったいに許されないこ
とです。
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Last modified on 2022-07-15 14:43:18
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