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「沈黙では何も変わらない」若者たち語る〜レイバーネットTV「文化とハラスメント」

動画(108分)

 流浪する「レイバーネットTV」。3月17日の放送は、初めて東京・水道橋にある「梨の木舎スタジオ」を使った。「梨の木舎」は出版会社だが、「あめにてぃCAFE」という出会いの場をつくったり、梨の木ピースアカデミー(NPA、https://npa-asia.net/)というネット配信を活発に行っている。ネット環境は抜群で、今回レイバーネットTVはそのスペースをお借りして放送した。

 なかの雰囲気はまるで「本の森」のようだ。たくさんの本棚が並び、ポスターや絵画もあり、とても心地よい場所だった。しかも今回のゲストの「UPLINK Workers' Voices Against Harassment」の4人は20代と若い。グループのカラフルでかっこいいロゴもスタジオの雰囲気を盛り上げた。

 キャスターは土屋トカチさんと北穂さゆりさん。「今月の一枚」の紹介のあと、15分のサブ企画から始まった。テーマは「北健一スラップ訴訟・その後」で、ゲストはジャーナリストの北健一さん。「ダイヤモンドオンライン」で「東京美々卯」の解雇事件の記事を書いたら、いきなり会社から訴えられた。いわゆる「スラップ訴訟」だ。「一番きつかったのは何ですか?」の質問に、北さんは「きつかったのは裁判のために証拠として膨大な文章を書くこと。時間をとられて疲れるが一銭にもならない」とぼやいたが、「この裁判は絶対に勝てる。会社がでたらめだから」と自信を吐露した。解雇されてたたかっている「東京美々卯」の板前さん3人も駆け付けた。生活はくるしいが、知恵をしぼって生活資金をつくっている現状を報告した。最近、営業再開をめざして「宅配うどんすき」を始めたという。

特集はココカラ

 メインの特集は「文化の仕事とハラスメント〜声をあげた者たち」で、当事者の4人が、UPLINKでの仕事内容、浅井社長から受けたハラスメントの実態、裁判のこと、今後の取り組みなど、たっぷり語ってくれた。「自分が悪くないのに100回以上謝罪させられた」「言うことを聞けと、どなられた」「退職に追いこまれた」など、思い出したくない過去の出来事を話してくれた。いうなれば「ワンマン君主に従業員がひれ伏している」状況だという。「リベラルを標榜する文化の仕事でこんなことがあってはならない」「自分たちだけの問題ではない」「沈黙では何も変わらない」と思い、裁判での告発に踏み切ったという。2020年10月30日に和解が成立したが「不本意ながらの和解」で課題が残っている。また現在は、UPLINKにとどまらない、文化事業におけるハラスメントをなくすための活動をしている。番組でも「ユジク阿佐ヶ谷」「カオスラ」「劇団/地点」の実例が紹介された。

 個性豊かな4人の若者たち。ある一人が語った言葉が印象的だった。「一人だったら何もできなかった。仲間がいたから怖い気持ちを払拭し、自分たちの力を取り戻すことができた」と。特集の合間には、ジョニーHの替え歌、乱鬼龍の川柳もあった。出演者・スタッフなど計19人で、賑やかな楽しい放送となった。(M)


Created by staff01. Last modified on 2021-03-18 19:41:41 Copyright: Default

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