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差別の実態ぶつける!〜メトロコマース「非正規差別なくせ裁判」が結審


 *「怒りのメラメラハットを作ってきました」と瀬沼さん

 晴れ晴れとした4人の笑顔が印象的だった。11月19日、東京東部労組メトロコマース支部の労働契約法20条に基づく「非正規差別なくせ裁判」の控訴審が結審を迎えた。2014年5月の提訴から約4年半、2017年3月の地裁不当判決から1年8か月が経過した。裁判の始まる2時間前の11時半、裁判所前には、支援者ら約100人が集まりアピール行動を行った。裁判所には、個人500筆、団体197筆の公正な判決を求める「緊急要請書」が提出された。(↓署名の束を抱える後呂委員長)

 支部のメンバーは、「どんな判決が出ようと、非正規差別と闘う運動を続けていく」と決意を表明。中でも疋田節子さんは、「人前でしゃべれなかった私が、大勢の前で話せるようになった。自分をほめてあげたい。今日は赤飯を炊いてきた」と話し、参加者を和ませた。同じく非正規裁判を闘う郵政原告団の浅川喜義さんは、4人にチョコレートの「キットカット」をプレゼント。「勝ったら、裁判所の前で食べてください」とコメントして拍手を浴びた。(写真下)


*アピール行動の最後に「公正判決を出せ」のシュプレヒコール

 午後1時半、いよいよ裁判が始まった。弁護士陳述のあと、4人の原告が意見陳述をした。瀬沼京子さんは一番切実な問題として「骨折で4か月休んだ年は、手取り10万のボーナスが4割しか出なかった。給料の出ない上にボーナスを減額されて、まるで懲罰のような扱いを受けた」と訴えた。

 加納一美さんは、仕事でたいへんだった代務のこと、定年時に「退職願い」を強制的に書かされたことを陳述した。疋田さんは、「退職後もメトロコマースに登録社員として週に一度働いているが、それだけでは生活できないので、残りは他の会社で働いている。休みは一日もない」と話した。そんな余裕のない中で、母の訃報が入り、3日前が母の誕生日だったことも忘れていたのに気がついて号泣したと語った。法廷には、傍聴者のすすり泣きが聞こえた。

 支部委員長の後呂良子さんは、「契約社員は、1年契約を繰り返し、実質的には無期雇用と同じ。それなのに賃金は少なく、賞与は契約社員を導入した平成8年からまったく上がっていない。正社員とくらべると勤続10年で1140万円の差になる」と述べ、「この判決には全国2000万人以上もいる非正規労働者の生活と尊厳がかかっています。わたしたちは、あきらめるわけにはいかないのです。命の続く限り、改善を求めていくしかありません」と訴えた。そして、3人の裁判官に「非正規労働者が納得できる判決を、少しでも希望を持って働ける判決を」と呼びかけた。
 判決は来年2月20日午後3時に決まった。〔佐々木有美〕

↓報告集会(参院議員会館)


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