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行動することで社会は変わる!〜マイケル・ムーア監督『華氏119』

    大椿裕子(大阪教育合同労働組合執行委員長)

 マイケル・ムーア監督の最新作『華氏119』を観た。全編に渡り、絶望を突き付けられる。自然と脳内で、アメリカが日本に、トランプが安倍晋三に、水質汚染に苦しむミシガン州フリントの子どもたちが、福島の子どもたちに置き換わる。

 しかし、映画は絶望だけでは終わらない。行動することで社会は変わることを見せてくれる。公立学校の教員や給食調理員、スクールバスの運転手たちが、組合執行部の生ぬるい妥結に業を煮やし、賃上げを求めストライキに突入する。生徒や保護者、市民がそれを後押しする。アメリカでも公務員のストライキは違法だ。執行部は教員の賃上げで事を収めようとしたが組合員は納得せず、Oh we're not gonna take it!No.we ain't gonna take it!Oh we're not gonna take it anymore!(そんなことは受け入れたくない!受け入れるなんて嫌だ!もうこれ以上そんなことは受け入れないんだ!)と歌いながらストライキを継続。給食調理員やスクールバスの運転手の賃上げにも合意するまでストライキで闘い続け、最後には要求を勝ち取った。そしてその運動は近隣の州へ、そして全国へと波及していく。

 そのシーンで思わず号泣。組合員や教育現場で働く労働者のことを思い浮かべながら、こんな風に声上げようよ! 私たちもこれくらい怒ろうよ! と悔し涙が溢れた。映画館からの帰り道も、布団の中に入っても、悔し涙が止まらなかった。

 長時間労働に忙殺される教育労働者の労働運動に携わる私は、正直言うと、最近、とても疲れていたのだ。しかし、私は労働者のこういう美しい姿を見たいんだ、団結する美しさを、誰かのために立ち上がる美しさを。まだ見てないぞ、見るまで諦めるな。そんな気持ちを思い出せてくれた。

 選挙権を持たない高校生たちが銃規制を求めて行動し、大人たちの投票行動にも影響をもたらす運動を生み出していく姿も必見。自分たちの力で社会を変える、そう口にする彼・彼女らの眼差しには、蔓延する無力感をはねのける力強さがある。


Created by staff01. Last modified on 2018-11-08 21:07:08 Copyright: Default

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