ないがしろにされる労働者の権利/レイバーネットTV「介護とコンビニの現場から」 | |||||||
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ないがしろにされる労働者の権利〜レイバーネットTV「介護とコンビニの現場から」→放送アーカイブ(84分)
●レイバーネットニュースは力作ぞろいニュース読む尾澤邦子さんも思わず力が入る力作ぞろいだった。トップは、10月6日から来日していたユニクロのサプライチェーン、インドネシアの労働者2人を中心に、「労働者に退職金の支払いを!」の悲痛な声をルポ。予断は許さないものの、ユニクロ側のインドネシアでの11月の面会を勝ち取り帰国した。抗議行動には、多くのレイバーネット日本の会員が支えていた。次は、沖縄知事選ニュース。那覇の玉城デニーさんの勝利の瞬間と同時刻の宮古島の喜びの様子を我々の仲間が立体的にルポしていた。他に、ファーストフード労働者の最低賃金アップの渋谷で世界同時キャンペーン行動、築地市場に残った業者の応援ツアー、横田基地廃止を訴える9回目の大集会など充実した内容だった。 ●特集1・介護労働者の“権利宣言”〜仕事は面白い。だが……89歳の母親介護をしている渡辺照子さんが聞き手になって、障がい者ケアワーカーの中西幸太さんから話をうかがう。彼は知的障がい者の居宅介護の仕事をして7年目。はじめこそ、未知の世界で不安があったものの、今ではコミュニケーションもとれるし、楽しくやりがいがあるという。 障害者支援は、支払える額を支払い(応能負担)、残りを国民が支える(税金)仕組みとか。彼はグループホームの職員で、生活全般を支援する。最大の重労働は入浴サービス、と聞いてちょっと不安になったが、「男性が女性の介助を?」の疑問には、彼の施設では同性介助だということで、ちょっとほっとした。 介護士仲間で顔を合わせることが少なく、横のつながりがつくりにくい。だからこそ仕事に関する情報交換の大切さを語る。そこで介護士の労働問題へと話題が進み、ユニオンの腕章を見せてくれる中西さん。 介護というと、労働者より受ける人の権利が先立ちがちだ。だが、彼から、障がい者も社会の中で差別や抑圧の中にいるのだから、彼らの生活を守ることと自分たちの労働条件の改善を一つのこととして活動していると、何ともうれしい言葉を聞いた。 ケアワーカーの組合結成でどうなったか。まず、利用者やその家族の理解を得るところからはじまり、粘り強く団体交渉をしていく中で、さまざまの改善を勝ち取ったと。中でも非正規と正規の夜勤手当格差が2倍あった格差を1対1.5まで縮めた。他にも会社を説得して処遇改善加算制度の補助金をもらえるようにしたりと成果を上げているという。 では、よく聞く「介護職では食っていけない」はどうなのか。子育て中の人たちにとっては、やはり厳しいということだ。ご自身の周りでも3割の方が辞めたという。質のいい介護を求めるなら、質のいい労働条件は必須だ。彼らのボランタリーな気持ちを搾取してはならないと改めて思う。 ●特集2・コンビニオーナーになってはいけない2年半ほど前までコンビニの店長だった三井義文さんをゲストに、コンビニのフランチャイズシステムの問題を追求した。その後、彼は店長を辞めてコンビニ加盟店ユニオンを仲間と立ち上げて、定期的にニコ生のネットTV「衝撃!コンビニの現場」で発信もしてきた。その三井さんたちユニオンの仲間で、9月に発売以来版を重ねている『コンビニオーナーになってはいけない』という本を上梓した。今回は三井さんと共著者であるジャーナリストの北健一さんを迎え、さらにコンビニの問題点を明らかにした。最初に流された「衝撃!コンビニの現場」のダイジェスト映像に、まず衝撃を受ける。まずコンビニで16万6千円売り上げがあった場合、一般店舗では62万8千円になると。万引き犯に説教していると、それを見た本部職員に「大事なお客様だ」と言われた。確かに本部にとっては商品がなくなってもオーナーが支払うシステムなので、本部はまったく痛くもかゆくもない。大事なお客様なのだ。 もっと驚いたのは、「店内の新聞をコピーして、新聞は買わない」人がいる話だった。また災害時の開店は、オーナーの判断でやり始めたのに、まるで本部の手柄のように宣伝し、そのための損失は何ら保障しないという。本部に「最後に避難するのはオーナーだ」という指示を出され頑張っていると、消防団に避難指示が出たら避難してくださいと言われて、避難していいのだと気がついたという。 3.11のときもある店舗が店を開け「代金は後でいいです」としたところ本当に払いに来た人は半分だった(店主はそれていいと言っている)。でもそれは美談として本部の手柄になった。ネットで出回った北海道の地震のときのコンビニ棚を占拠したバナナやレモンパンの映像、それに被る「タダで配ってはいけないとの本部からの指示」という言葉を思い出した。 ●これでいいのか 悪化する日本の商い形態次々に語られるオーナーと本部の非人間的な関係。本を出版しようとしたきっかけなど、一つコンビニだけでなく、何となく日本に蔓延してきた商いの非人間的な関係など、改めて考えたい。こんな社会状況を改善していくには、小さな力を集めて大きくするユニオン(労働組合)の大切さを思う。特に最後に質問に答え、コンビニのブラックバイトについて、オーナーがぎりぎりで回しているときにバイトの当然の権利(休みをとることなど)にもいい顔できない現状も理解してほしいとのことだった。いつものことだが、最後の言葉が胸を打つ。その部分は、アーカイブで見てほしい。なお次回放送は11月21日(水)で、「首都圏原発“東海第二”を動かすな!」である。〔笠原眞弓〕 *写真撮影=小林未来 Created by staff01. Last modified on 2018-10-20 20:45:44 Copyright: Default |