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脱原発のシンボルを守り抜く〜テントひろば強制執行停止で記者会見

                   笠原眞弓

 2015年3月20日テントひろば強制執行停止記者会見が、テントひろばで行われた。報道関係者は、それほど多くなかったようだが、奈良など、地方からの参加者の姿もあった。

 渕上さんはじめ、担当の大口弁護士、副代表の宇都宮弁護士、遅れて河合弁護士、鎌田慧さんが並んだ。テントが国有地を不法占拠しているので、即撤去と損害賠償金(借地代?)を払えと訴えられているもので、一審で直ちに撤去することと、その間の損害賠償金2000万円以上を支払えという判決が2月26日に下りた。直ぐに控訴と強制執行の停止を申し立ていた。それに対し、東京高裁は「理由があるもの」として、18日に強制執行は、裁判の判決があるまで停止することを認めた。テントでは、示された供託金の500万円を、その日のうちに用意して、裁判所に届けた。

 最初に話したのは、大口弁護士。高裁は、「理由がある」と認めた事が重大なことである。これでこの裁判の結果が出るまで、経産省は、テントに手出し出来なくなった。前回の裁判で用意していた13人の証人の証言を含めて、控訴審を充実させていくと力強く語った。

 代表として裁判当事者の渕上さんは、原発事故がなければテントはない。事故の被災者というが、被害者である。その被害者が、まだいるのにまるで収束したかのように、復興と言っている。この「復興」を巡って多くの人が、被害を受けている。最近、原子力規制委員会の田中俊一が、濃度の薄い汚染水は、海に流せと言った。問題は、濃度ではない。総量である。また、汚染土の持って行き場につて、個人所有地は全くokが取れていない。福島の、こういう状況の中でのテント撤去である。許されない。今後10年、20年、脱原発が実現するまで、撤去はない。財政上の問題もあるので、1億円をめどとしたカンパ活動を展開していきたいと結んだ。

 この裁判の弁護団副団長の宇都宮弁護士は、司法の役割をしっかり果たしたのは、昨年5月27日の大飯原発の人格権を理由とした再稼働差し止めの1件だけである。3.11以前の裁判で運転を差し止めていたら、3.11は防げたし、今回の判決もない。まだ帰れない人がいる中で、再稼働や輸出は、あり得ない。被害者の声に耳を傾けず、突然結審したのは、とんでもない。今回のテント撤去中止は、当然の快挙である。このテントは、心の拠り所であり、救いであった。また、全国の反原発の象徴となっている。憲法21条で集会、結社の自由は、認められているので公有地を使っていても、誰にも迷惑をかけていないのだから、表現の自由は守られるべきである。裁判所は、いい加減な裁判をするべきではないと、キッパリと語った。

 鎌田慧さんは、国が国民の安全を守ろうとしていない時に、テントは全国の人々の思いをここに結集している。今の状態は、広島に原爆を落とされても、いたずらに時間を空費して長崎にも落とされた当時の政府とおなじ。安全は、担保されていない。国有地だけど、商売しているわけでもなし、賃貸料を取るというべらぼうなことを言ってきている。これは、運動の弾圧のために他ならない。福島の人たちと維持してきたここが、国としては目障りなのだ。シンボルとして守っていく。子どもたちの未来のために、再稼働は許せない。人民を無視した政府を許すわけにはいかないと、激しく締めた。

 忙しい中、遅れて現れた弁護団団長の河合弁護士は、テント撤去の仮執行の判決が出て心配していた。執行停止の供託金が500万円で、河合さん出してと言われたが、映画を作ったので金がなくなっちゃたから、出せない。でも、それを聞きつけた人が、ポンと用意した。すごいことです。これからも金はかかるし、出してしれた人にも返していくべきだし、資金集めをしなければならない。これからテントは、何年も粘る。日本から原発がなくなったら、テントはいらなくなる。それまでがんばる。経産省は、50年間亡国の役所だ。懲りもせず、反省もせず、まだ原発をやろうとしている。経産省の喉元で抗議の意志を発信し続けるテントが一番大事。全国でいろんな闘いをやっているが、中心は、ここ。心の拠り所。全国の原発差し止めと、事故を起こした役員の責任追求、被害者の補償など、全体的な闘いを頭に入れて、テントもその中で捉えることが必要。シンボリックな意味を持っていることを、皆んなで確認したい。「一点突破、全面展開」をしようとしていると、高浜原発の裁判の作戦について語り、それが当たりそうだと意気軒昂だった。

 会場からの質問に、日米地位協定の会議で東電役員から提案された(される?)危険なウランの代わりにトリウムを使うことについて、鎌田さんは、これだけ多大な迷惑をかけながら、原子力から脱却する体制にない、反省もないと述べた。渕上さんは、「今」やらなければならないこととして、次のようにのべた。「規制委員会がまるで安全が保証されたように言っている。今、再稼働反対のボールは、九電が握っている。全ての力を川内原発再稼働反対に集中しよう。川内原発の前には、新たにテントが張り、発信地として抗議を強めている」と、報告と運動の重点を示唆した。


Created by staff01. Last modified on 2015-03-22 13:55:23 Copyright: Default

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