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先住民族に「学ぶ」姿勢に貫かれた映画「セデック・バレ」 | ||||||
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先住民族に「学ぶ」姿勢に貫かれた映画「セデック・バレ」台湾映画「セデック・バレ」が公開されている。この映画は、日本が植民地として支配していた台湾で実際におきた、先住少数民族の抗日武装蜂起「霧社事件」(1930年10月)を史実に基づいて描いた作品である。 「史実に基づいて」というのは、例えば蜂起した先住民族「セデック族」の(「霧社」管内の11社のうち6社)が、運動会会場を襲撃するシーンでは、女性子どもも襲われる残虐なシーンも描かれている。事実そうだったのだろう。そして重要なのは、その背景だ。 先住民族の人達は強制労働で日本人に低賃金でこきつかわれ、生活全般が隷属状態に置かれていた。そして蜂起の「鎮圧」には国際条約で禁止されていた毒ガスが使用され、忍者のごとく出没するセデックの戦士たちに同じ先住民族で敵対する集落を分断策として戦闘に投入するなど、日本の徹底した人民弾圧があった。 監督のウェイ・ダーション(1969年生まれ)は、漢民族という立場でこの作品を制作した。彼は、子どもの頃教科書で学んだ「霧社事件」や先住民族の政府に「土地返還」を求めるデモに関心を持っていた。しかしこの映画の製作の過程で「自分の立場はどこなのか」悩んだという。そして最終的に「文化の衝突」という描き方をした。その証拠にセデック族の歌で場面、場面をつなぐ展開は、監督の先住民族に対する極めて謙虚な姿勢が貫かれている また1部、2部(計276分)の大半が戦闘シーンで占めるこの映画は、残虐を越えて、「はかなさ」「悲しみ」を感じる。また、時間の長さを感じなかったのも不思議だった。起こるべくして起きた「霧社事件」の中に日本人として身を置いて考えてみることが大事だとも思った。製作にハリウッド映画のジョン・ウーが参加しているのには少し首をかしげたが、そのせいか戦闘シーンがほぼ「兵士」の目線で描かれており、客観的な立場にたてないのである。 この夏たまたま中国・台湾を旅する計画があることで事前学習として観た映画ではあったが、「領土問題」「原発震災」「憲法」「靖国」と揺れる日本列島に釘をさすような勢いのある「文化の衝突」を観た思いだ。(湯本雅典) 映画「セデックバレ」公式サイト http://www.u-picc.com/seediqbale/ Created by staff01. Last modified on 2013-04-23 13:40:26 Copyright: Default |