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仲間の皆さんへ  久下 格(国労組合員)

 昨日(25日)明番だったので、まっすぐ東京高裁に行きました。花冷えの日比谷公園を横切って裁判所前に
10時過ぎにつくと、幟旗をたてた宣伝カーの前に100人ほどの人々が集まっていました。北海道
、九州から上京した原告の闘争団員と東京の国労組合員、それに支援の労組員です。地裁判決のとき
にはなかった国労の旗が並んでいるのには若干の感慨がありましたが、いいことだと思いました。

 同じ職場の○○さんが来ていました。出身地である北海道の仲間たちのことを心配して、休みで出
てきたのだそうです。お互い、会うと思わなかったのでびっくりしましたが嬉しかったです。地本の
委員長も来ていました。闘争の現場に行くと「皆、年とったなあ」と思うようになってからずいぶん
たちますが、原告の平均年齢は私より何歳か上だったような気がするので55歳は超えていると思い
ます。同じような黒っぽいジャンパーに黒っぽいズボンかジーパンをはいた原告たちの顔にはみな、
20年を超える苦労のあとが染みついているように思われて、判決を知らせる垂れ幕を持って走り出
してくるはずの原告団長を、歩道に静かに並んで待っていました。

 10時半すぎ、白い垂れ幕を持った団長が、何人かの弁護士と一緒に建物の中から走り出して来て
、出口でカメラを構える報道陣の前で広げました。「不当判決」の文字が見えたので一瞬動揺しまし
たが、その横に「不当労働行為は認める」という文字も見えました。「(地裁と)同じだ…」という
意味の小さな声があちこちから聞こえて来ました。基本的に地裁判決を踏襲したものが出たようです
。500万円の賠償すら反古にされたらと思っていた私は、解決にむけた最低の足場が確保されたこ
とに安心しました。

 司会者が説明をはじめます。「解雇は有効との不当判決だが、採用に当たって不当労働行為があっ
たことは認定し、原告が新会社に採用されることを期待する、「期待権」が侵害されたことは認めた
。500万円の慰謝料は550万円になったが、解雇前に停職処分を受けていた者は救済対象から除
外、広域採用を辞退した者は慰謝料を半額にするなど、後退した点もある。時効は明確に否定した」
という内容でした。

 「不当労働行為はあったが解雇は有効」?? 23年間の苦しい闘いを余儀なくされたことへの代
償が550万円 ?? 裁判所とは何と常識が通じないところでしょう。前回2005年の地裁判決同
様、裁判所はまたもやアクロバットのような論理を弄して国家が行った組合つぶしを擁護しましたが
、さすがに「時効」で一切を切って捨てることはできませんでした。裁判長が最後に「判決を機に、
早期に解決することを望みます」との意見を言ったようですが、私には、国が、自分の犯した戦後最
大の不当労働行為にほおかむりしたまま、「そろそろこれで勘弁してくれよ」と言っているように聞
こえました。

 原告たちは、最高裁に上告して、「JR等への雇用。年金の確保。慰謝料」の3項目を要求して闘
い続けることを表明しています。最後まで応援していこうと思います。

Created by staff01. Last modified on 2009-03-27 01:05:37 Copyright: Default

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