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LNJ Logo 加藤宅放火事件〜「言論封じ」のテロを許さない共同アピールに802人が賛同
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■加藤紘一氏宅放火政治テロ事件 記者会見報告

             by 大地 実(文と写真)

  今日(2006年9月5日)、元自民党幹事長で衆議院議員の 加藤紘一氏宅「放火政治テロ事件」についての記者会見が、日 本弁護士会館5階で行なわれた。
 午後1時から開始の予定は、呼びかけ人、賛同人ともに刻々 と増えたため、記者会見配布資料の作成が遅れ、1時10分か ら始まった。はじまった時、会場はほぼ満員となった。テレビ はNHKとTBSが来ていた。

 呼びかけ人は、当初の4人から13人になっていた。
 賛同人集めはごく短期間にもかかわらず、北は北海道から南 は沖縄まで802人にも上った。中には海外にいる人からのも のもあった。
ここにじつに多様な人たちが声をあげた。民主主義の敵、政治 テロを糾弾し、闇の背景も追及し続けることが、この国の民主 主義を進展させる道であり、今後も求められる道である。

当初案より若干書き直された共同アピールの全文は以下である 。

詳報は、続報として追って報告する。

▲共同アピール  加藤紘一氏宅放火事件
    私たちは「言論封じ」のあらゆるテロを許さない

 六十一回目の敗戦記念日となった八月十五日夕刻、元自民党 幹事長加藤紘一氏の山形県鶴岡市にある実家と事務所が全焼し た。敷地内で腹部を切って倒れている男が発見され、男は東京 都内の右翼団体幹部であることが判明した。簡易鑑定では、火 の気がなかったとされる実家一階奥の寝室で金属製の缶二個が 見つかり、周辺からは油類が検出された。状況はこの男の放火 であることを示している。確保された男は一命をとりとめたが 取り調べに応じられない状態で、真相はなお多くの点で捜査の 解明をまたなければならない。
 十五日早朝、小泉首相はA級戦犯が合祀される靖国神社に参 拝した。中国、韓国などアジア諸国からの非難、国内では賛否 両論のなかでの強行だった。加藤氏は自民党内で首相の靖国参 拝に疑問を呈し、メディアでも「参拝するべきではない」と批 判を繰り返していた。男の所属する右翼団体は、過去にも天皇 訪中に関連し宮沢首相(当時)の私邸前で割腹自殺未遂事件を 起こしている。
 この放火は加藤氏の言動を敵視する者による、まぎれもない 「言論封じ」のテロである。

 近年、右翼は靖国問題をめぐる活動を活発化させている。  昨年は小林陽太郎富士ゼロックス会長宅に銃弾が郵送され、 今年一月には自宅玄関前に火炎瓶が置かれた。今年七月には日 経新聞東京本社に火炎瓶様のものが投げ込まれた。
小林会長は「新日中友好21世紀委員会」座長として、昨年か ら小泉首相の靖国参拝を批判していた。日経新聞は靖国参拝の 是非をめぐる論議を呼んだ「昭和天皇発言」の富田メモを入手 、スクープしていた。
 事件とこれらの関連性は、実行犯が真意を明らかにすること をしないため、推測の域を出ない。
 だから卑劣なのだ。実行犯は語らなくとも、目的は達せられ ている。事件は自由な発言への恐喝、脅しであり、言論の自由 への封じ込めに結果することだけが明白だからだ。
自由な発言が守られなくて民主主義はない。民主主義にとって 、政治テロはけっして許されてはならない敵である。

 私たちは、こうした「言論封じ」を目的とした卑劣な政治テ ロを断じて許さない。
戦後だけでも、わが国で右翼によるテロはこれまで絶えること がなかった。1960年、浅沼社会党委員長刺殺事件。196 1年、嶋中中央公論社社長宅殺人事件。放火事件では1963 年の河野建設相宅放火事件があり、1987年には朝日新聞阪 神支局への「赤報隊」による事件があり、1989年には本島 等長崎市長への狙撃事件があった…。
 今一度思い起こそう。戦前、政治家が次々とテロに倒れ、気 づいた時すでに政党政治は形骸化し、戦争へと真っ直ぐに進む 道だけが残されていたことを。
 加藤氏は「政治家である以上、どんな状況でも今後も発言し ていく」とテロに屈しない決意を語っている。しかし、政治テ ロとの闘いをひとり被害当事者だけに委ねてはならない。民主 主義が脅威にさらされている。

 勇気の結束を示すため、私たち一人ひとりが声をあげよう。  私たちは「言論封じ」のどのような政治テロも許さない!

 二〇〇六年八月二十八日

呼びかけ人  

石坂啓(漫画家)
上原公子(国立市長)
内田雅敏(平和の灯りを!ヤスクニの闇へ キャンドル行動実 行委員会事務局長・弁護士)
小倉利丸(ピープルズ・プラン研究所共同代表)
鎌田慧(ルポライター)
きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン発起人)
木村庸五(弁護士)
斉藤貴男(ジャーナリスト)
佐高信(評論家)
三瓶愼一(大学教員)
高田健(許すな!憲法改悪・市民連絡会)
西川重則(平和遺族会全国連絡会代表)
横田耕一(憲法学者・九州大学名誉教授)

(あいうえお順 9月2日現在)

↓記者会見場にはNHKとTBSが来ていたが報道するのか否か、どんな報道するのか


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