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LNJ Logo ウカマウ集団60年の全軌跡−富山全作品上映(10/3〜10/5 富山市)
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2025/10/05 ウカマウ集団60年の全軌跡−富山全作品上映(10/3〜10/5 富山市)

案内→https://x.gd/Y46BA
   https://x.gd/CiXKY
   https://x.gd/BXMyY

 南米ボリビアの映画製作集団ウカマウ60年の全軌跡
 未公開の新作2本を含む全14作の特別上映
 ボリビア独立200周年/日本との協働50周年記念

 みなさまのお越しをお待ちしております!

ウカマウ集団60年の全軌跡――富山全作品上映
会 期:2025年10月3日(金)〜10月5日(日)
場 所:オーバード・ホール ハイビジョンシアター(富山市芸術文化ホール・大ホール1階)
 〒930-0858 富山市牛島町9-28
 JR「富山駅」徒歩3分
 アクセス→https://x.gd/aIIuA
 地図→https://x.gd/B7YJA
料 金:一般1600円 / 25歳以下1000円 / 3回券3300円
主 催: カルトブランシュ
企 画:福島亮・村田はるせ・エスポラキスタジオ
問合せ:esporaquistudio@gmail.com

ウカマウ集団とは?
 南米ボリビアで1960年代半ばから映画制作・上映・配給などの仕事に携わっているグループ。
 監督はホルヘ・サンヒネス(1937〜)。
 1966年最初の長篇作品『ウカマウ』が評判となり、サンヒネスらが街を歩いていると「あっ!ウカマウだ」と声がかかるようになったので、それをそのままグループ名に採用したという。
 「ウカマウ」はボリビアの先住民族アイマラ人の母語にある表現で、あえて訳すと「そんなふうなことだ」となる。

 ウカマウ集団は、日本との関わりが深く、今回の特集上映を主宰する日本人スタッフは、1975年に彼らと出会い、以来、上映会を実施し、その収益をウカマウ集団に送金し、次回作の製作資金にするなど、協働者として映画製作をサポートし続けている。
 また、2025年はボリビア独立200周年の記念年でもある。

上映スケジュール:https://x.gd/OGB7s
10/3(金)
10:00 革命+ウカマウ
12:00 最後の庭の息子たち
14:00 人民の勇気
上映後トーク
ゲスト:太田昌国さん・唐澤秀子さん
18:00 落盤+コンドルの血

10/4(土)
10:00 第一の敵
12:30 地下の民
14:50 ここから出ていけ
17:00 女性ゲリラ、ファナの闘い
上映後トーク
ゲスト:堀江節子さん

10/5(日)
10:00 30年後
上映後トーク
ゲスト:太田昌国さん・唐澤秀子さん
13:00 鳥の歌
15:00 ただひとつの拳のごとく
17:00 ここから出ていけ
18:15 叛乱者たち

トークイベント登壇者
太田昌国さん
 1943年釧路市生まれ。
 1968年東京外国語大学ロシア語科卒。
 1973〜76年にかけてラテンアメリカ各地を旅する。
 帰国後「シネマテーク・インディアス」を主宰し、ボリビアの映画集団ウカマウの全作品上映や一部作品の共同制作を実現する。
 1980年代半ばから現代企画室の編集者として、第三世界の歴史・思想・文学、世界と日本の民族問題などに関連する書籍の企画・編集を多数手がける。
 また執筆・講演などを通じて幅広く意見を発表し続けている。
 『ボリビア・ウカマウ映画伴走50年』(藤田印刷エクセレントブックス、2025年)など著書多数。

唐澤秀子さん
 長野県木曽福島に生まれ、東京外国語大学ロシア語科に学ぶ。
 1970年代半ばの数年間を、太田と共にラテンアメリカ各地で生活。
 帰国後にはウカマウ映画の自主上映・共同制作に従事するほか、現代企画室の編集者として文学・芸術分野の企画を多数手がけた。
 訳書に、ドミティーラ『私にも話させて――アンデスの鉱山に生きる人々の物語』(現代企画室、1984年)など。

堀江節子さん
 フリーランス・ライター。
 1948年、富山県魚津市生まれ。
 桂書房を経て、フリーランス。
 植民地責任・戦争責任問題、ジェンダー・障害者・外国人労働者・ハンセン病など、マイノリティの人権問題に関わる出版社勤務を経てフリーランスで活動。
 著書に「総曲輪物語−繁華街の記憶」「人間であって人間でなかった−ハンセン病と玉城しげ」「日本人になった婦人宣教師−亜武巣マーガレット」「黒三ダムと朝鮮人労働者−高熱隧道(ずいどう)の向こうへ」(いずれも桂書房)。

聞き手:福島亮さん
 1991年、群馬県生まれ、富山大学人文学部講師。
 カリブ海をはじめとするフランス語圏文学の研究を行う。
 著書に立花英裕編『クレオールの想像力――ネグリチュードから群島的想像力へ』(共著、水声社、2020)、訳書にアラン・マバンク『アフリカ文学講義』(共訳、みすず書房、2022)がある。

上映作品紹介:https://x.gd/jJDrs

A 女性ゲリラ、フアナの闘い −ボリビア独立秘史−
★日本初上映
2016年│カラー│103分
製作:ウカマウ集団
監督:ホルヘ・サンヒネス
 スペイン植民地支配からの解放闘争を担った実在の女性、フアナ・アスルドゥイ(1780〜1862)。
 映画は、ボリビアが独立を宣言した1825年、チュキサカ(現スクレ)にあるフアナの質素な住まいを、後に、ボリビアの国名の由来となるシモン・ボリーバルと、ボリビアの初代大統領となるアントニオ・ホセ・デ・スクレが訪ねるところから始まる。
 サンヒネス監督は「私の中で常に何かをかき立ててくれた人物。19世紀という時代の植民地主義者や宗教者の偏見と闘い、女性の、人間の、母親の権利獲得のためにゲリラ兵士となった。多くの女性たちに、とりわけ観てほしい」と語っている。

B 30年後 −ふたりのボリビア兵−
★日本初上映
2022年│カラー│105分
製作:ウカマウ集団
監督:ホルヘ・サンヒネス
 ボリビア現代史の重要な事件・チャコ戦争(隣国パラグアイとの間で1932年から35年にかけて戦われた)で、同じボリビア軍に属していた白人で裕福な家庭出身のギレェルモとアイマラ人で貧農のセバスティアン。
 ギレェルモが、負傷したセバスティアンを救ったことから、ふたりの間には友情が育まれる。
 上官の人種差別的振る舞いに反抗し、軍事裁判で死刑判決を受けるギレェルモ。
 兵営から脱走を図り、セバスティアンも彼に同行するが、やがて二人は真逆の方向の道を辿ってゆく……。
 白人と先住民のステレオタイプなイメージを打ち壊し、融和の道を探す最新作。

C 革命
64年ライプチッヒ映画祭ヨリス・イヴェンス賞 ほか
1962年│白黒│10分
 ありのままの画像・音楽・音を用いて、ボリビア民衆の貧窮の実態を示す第1作短編。

D 落盤
1965年│白黒│20分
 掘り尽くしたと見做して鉱山企業が見捨てた危険な場所で採石する鉱夫たちを描く。

E ウカマウ
'66年カンヌ映画祭青年監督賞
1966年│白黒│75分
 ティティカカ湖上の太陽の島に住むインディオ農民の妻が、メスティーソの仲買人に暴行され、殺された。
 長い時間をかけての復讐を誓った青年の前途は?
 この初の長編映画が大きな評判を得て、タイトルが集団名として採用された。

F コンドルの血
‘70年仏ジョルジュ・サドゥール賞 ほか
1969年│75分│白黒
 アンデスの一寒村に医療チームを名乗ってやってきた北米人たちは、診療所で何をしていたのか?
 現実の出来事を題材に、先住民女性に対する強制的な不妊化手術の実態を描く。
 北米「平和部隊」の国外追放を実現した話題作。

G 人民の勇気
'71年ベルリン映画祭 OCIC(国際カトリック教会)賞
'71ペサロ映画祭最優秀映画賞
1971年│白黒│93分
 1967年6月24日、チェ・ゲバラ指揮下のゲリラの連帯を計画していた鉱山労働者の住宅区を政府軍が攻撃、多数が殺された。
 現場に居合わせた人びとの証言を通して再構成される歴史的事実。
 「史上もっとも力強い映画」と評価された。

H 第一の敵
'75年カルロヴィヴァリ映画祭グランプリ ほか
1974年│白黒│98分
 都市からやってきたゲリラと貧農の出会いから、反地主・反帝国主義の共同闘争の過程を描く。
 1980年日本で最初に紹介されたウカマウ集団の作品で、この映画が高い評価を得て、その後45年続く自主上映・共同製作の基盤をつくった。

I ここから出ていけ!
'77年カンヌ映画祭監督週間正式出品 ほか
1977年│白黒│102分
 アンデスの先住民村に現れた北米人宣教師の、真の意図は?
 村人の間に生じた精神的な亀裂につけ込んで、鉱物資源開発を目指して入り込む多国籍企業。
 先住民居住区にある資源は誰のものかを問う、先駆的な問題提起の映画。

J ただひとつの拳のごとく
'83年ハバナ新ラテンアメリカ映画祭ドキュメンタリー部門グランプリ
1983年│カラー│92分
 1970年代の10年間を支配した軍事政権は、80年代初頭のどんな民衆運動によって打倒されたのか。
 今まさに胎動している民衆運動を内部から描いた、ウカマウ集団はじめてのドキュメンタリー作品は、群集シーンの力強さが印象的だ。

K 地下の民
'89年サンセバスチャン映画祭グランプリ
'89年ハバナ新ラテンアメリカ映画祭 外国紙グラウベル・ローシャ賞
1989年│カラー│125分
 街に暮らしてきた先住民セバスチャンは、かつて追放された村に帰る決意を固めた。
 現実と虚構、過去と現在を交錯させた大胆な手法で、過去への償いの旅を続ける男を通して、民族的アイデンティティの喪失と再生を描いた力作。

L 鳥の歌
'95年ロカルノ映画祭「質と刷新」賞
'95年ボリビア映画祭 銀撫子賞
1995年│カラー│100分
 16世紀、アンデスを「征服」したスペイン人遠征隊の事業を批判的に捉える映画を作ろうとした映画スタッフが、ロケ地の先住民村で直面した現実とは?
 「ここから出ていけ」とまで迫られた映画人たちがたどる内省の過程を描く。
 ジェラルディン・チャプリン主演。

M 最後の庭の息子たち
2003年│カラー│97分
 民衆が経済危機の中で苦難の生活をおくるなか、政府高官は汚職を繰り返している。
 それに怒りを燃やし、何かの行動を考える青年。
 他方、現代風な享楽的な日々をおくる青年たち。
 確たる展望も持たぬままにもがく青春群像を描く。

N 叛乱者たち
'13国際政治映画祭第一位(ブエノスアイレス) ほか
2012年│カラー│83分
 18世紀末、スペインの支配からの解放を目指す先住民族の戦いに始まり、2005年、ついに先住民出身のエボ・モラレス政権が誕生するまでのボリビア史を物語る。
 さらにグローバリゼーションという大波に抵抗する21世紀の革命の映画を模索した。

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