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Document 20130905matu
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臨時号(2013.9.5) 松本昌次(編集者・影書房)

立派だった「天声人語」子の覚悟

 「いま、言わねばならないこと」の第1回目(4月1日)は、朝日新聞の「天声人語」三篇を批判したものだったが、昨日(9月4日)の同欄には敬服のほかなかった。筆者はまず、かつて足尾鉱毒事件で闘った田中正造(没後100年)の「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」という言葉を引用し、しかし当時の政府はそれに反し、富国強兵を優先、それが水俣病、原発に重なると語る。そして、もし、正造だったら、このたびの原発事故のあと、何をおいてもまず「困っている人、弱い立場の人」を助けるだろうが、「現実の総理」はどうか。経済のために再稼働の必要を唱え、「事故処理より外国への原発セールスに熱心」と批判する。おわりに冒頭の言葉につづく「今文明は虚偽虚飾なり、私欲なり、露骨的強盗なり」という正造の引用で結んだ文章は、立派である。正造は死罪覚悟で天皇に「直訴」したが、ジャーナリストならば、この「天声人語」子のように、ある覚悟を決めて言わなければならない、と思う。(2013.9.5)

*写真=田中正造


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