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古物の再生、ゴミにならない物

[レトロスケープ]レトロ文化を支える技術的行為としての修理

チェ・ヒョッキュ(文化社会研究所) 2020.07.20 10:09

コロナ19事態で世界化の幻想が一つずつ崩れている。 世界化論者たちは、モビリティーや情報通信テクノロジーが発展すれば、 全地球がつながり国家的境界が次第に無意味になると主張した。 これは安い労働力を求めて新植民地に移動する資本の自由な移動と グローバル金融化を正当化する方式で機能したりもしたが、 文化的な観点から見ればある程度の自由な移動が保障され、 国際的な感受性を持った世代が登場する背景として作動することもした。 また「文化コンテンツ」の全地球的な流通が可能になり、 個人と集団の好み構造が変化し始めた。

レトロ文化もこれと関連がある。 好みに対する既存の階級的接近は、 低級文化と高級文化という文化的階層が階級的な差を反映しており、 こうした好みを区分することが階級再生産を文化的に正当化すると見た。 だが今日の区分は低級と高級という質的な位階構造に基づくのではなく、 ジャンル的に多様で包容的な好みを持った文化的「雑食性(omnivore)」を基礎に作動すると言われる。 例えば、以前は文化資本を蓄積して滞貨した階級がクラシックを聞き、 高級な好みを誇示して文化的支配を正当化したとすれば、 今日ではクラシックだけでなく、大衆歌謡とポップソング、ワールドミュージックなど 誰もが聞ける好みを中心に区分する方式で代替されたということだ。 こうした雑食性はジャンルを横断し、その内容が地理的・歴史的に拡張された。

このような好みの構造の変化がレトロ文化を浮上させる条件を作ったが、 同時にこれは単に消費と好みの問題ではないかもしれない。 なぜならレトロ文化は消費のためにマーケティング次元で作り出されたのでもあるが、 同時に既存の消費を克服する試みとも関係があるからだ。 財貨とサービスの生産と分配のために組織された一連の複雑かつ相互に関連した活動の集合を価値鎖(value chain)という。 これは生産から流通、そして消費までの過程で、 付加価値が発生する過程の弱い輪と強い輪を把握しようとする。 だが最近はこうした接近方式が価値周期(value cycle)に転換されている。 電子廃棄物などにより環境問題が深刻になり、 製品の付加価値だけに注目するのではなく、 製品そのものの減少・再使用・リサイクルを話題にする。 産業界や学界だけがこうした点に関心を持っているのではなく、大衆も同じだ。 ただ一度使い捨てるのではなく、減らして、再使用して、リサイクルしようとする流れがある。 製品が壊れたり寿命がつきた時、そのまま捨てるのではなく、 直して利用期間を延長するのだ。

修理(repair)の浮上もこれと無関係ではない。 修理行為を市民の権利と主張して、 これを社会運動に導く流れは米国から始まった。 アップルやモトローラなどの携帯電話が壊れた時、 これを修理するためにはマニュアルと純正品部品が必要だ。 だが製造会社がこれらの情報を公開しなかったために高い公式ASセンターではなく 私設の業者を利用したり、自分で直そうとすると危険負担があった。 つまり、機器を修理する方式を直接決めたくてもできない情報的・技術的環境だった。 そのため一群の市民が「修理する権利(right to repair)」を主張し始め、 企業に製品のマニュアルや部品を公開させる立法請願を提起して熱い論争を呼んだ。 そしてこうした流れは修理都市(repair city)に対する主張に進んだ。

したがって、修理は消費者の権利でもあるが、同時に大量生産して大量消費された後、 廃棄される消費文化を克服する技術的な実践でもある。 ターンテーブル、ウォークマン、CDプレーヤーなど、昔の古物を購入し、直して使う人が増え始め、 その上音響機器だけでなくブランド時計を中古価格で買い、 修理して使ったりもする。 修理可能な環境を作るために、技術者と大衆を連結する活動をする団体も生まれた。 特に、このような修理行為は機能的に作動する程度の消極的な修理ではなく、 古物自体を新しい製品として作り出す再生行為としての積極的な修理だ。

だからレトロ文化を単に消費文化のひとつでしかないと見るのは難しい。 レトロ文化を支える行為はビンテージな商品を新しい内容物として生産し、消費する行為であるだけでなく、 どこかの古物を収集して今日に合わせて直して使えるようにする、 修理という技術的行為なのかも知れない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-07-23 07:00:56 / Last modified on 2020-07-23 07:00:57 Copyright: Default

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