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起亜車の現場では労働部マニュアルが法だった

キム・ソンナク支部長、「いい加減なストでは勝てない」

キム・ヨンウク記者 2010.07.18 13:19

金属労組のキム・ソンナク起亜車支部長は7月16日、今年の賃金団体交渉闘争を 長く見て行く計画だと明らかにした。起亜車支部の賃金団体交渉闘争にタイム オフマニュアルを背負った会社側は、この機会に労組を抹殺する緻密な計画を 準備したと判断し、性急な闘争はむしろ逆攻勢を受けるということだ。

▲16日金属労組起亜車支部整備支会昼食集会に参加したキム・ソンナク起亜車支部長とホン・ヒドク民主労働党国会議員.

キム・ソンナク支部長は7月16日にタイムオフ労働弾圧の実態を把握するために 京畿道光明の起亜車ソンハ工場を訪問した民主労働党ホン・ヒドク議員と記者 に「15日に闘争事業場が集まって、8月の闘争まで長く見て行こうといった」と し「金属の仲間たちには申し訳ないが、ストライキの時期を調整するほうが効 率的だと判断した」と21日の金属労組ストライキに参加しないことにした背景 を説明した。

起亜車支部は14日、2次支部争議対策委員会の会議を開き、19日から休暇までの 闘争戦術を確定した。これにより21日の金属労組ストライキには、拡大幹部と 代議員、労働組合の役員だけが4時間の部分ストを行い、民主労総集会に参加す ることにした。起亜車支部のこうした決定に、一部のマスコミは「ストライキ 賛同時に予想される深刻な後遺症を考慮したという」とし「組合員の賃金や福 祉ではない専従者の処遇問題でストライキすれば不法である上、『なぜ起亜車 が銃を担ぐのか』という現場の感情も負担になった」と報道した。

キム・ソンナク支部長はホン・ヒドク議員に「労働部の意図は、起亜車労組を 無力化し、全国の事業場にタイムオフを適用すること目標」とし「起亜車闘争 でこの問題が争点になれば、環境労働委でマニュアル問題をはっきり解決して ほしい」と注文した。

ソン・ソンホ起亜車副支部長も「8月に闘争戦術を使わざるをえない状況だ。支 部は、国会や社会でタイムオフマニュアルと労組法が問題になり、検討しよう という雰囲気にならなければ、産業平和を破ってでも労使で合意するのは難し いと判断して自制してきた。国会次元の争点を作ってほしい」と話した。これ までは社会的な争点になっていたというより、混乱が大きく静かな争点形成が うまくできなかったと判断したと言える。民主労総と韓国労総は傘下事業場で 深刻な混乱が生じ、単位事業場の使用者もこの問題で混乱し、先週、大規模な タイムオフ討論会を開いて争点作りを始めた。ホン議員も19日の国会環境労働 委員会で野党がタイムオフに関する問題を強く提起していく計画だと説明した。

▲起亜車支部整備支会昼食集会に参加したキム・ソンナク支部長

起亜車労組、「会社はすぐストライキに追い立てるが長く見て行く」

ソン・ソンホ副支部長は「すでに6月25日に争議権を確保しているが、使用者側 も今回よく検討したと理解する。使用者側は交渉を懈怠し、調整不可を受ける 戦術だ。昨日、慶南で現代起亜車グループ労組が集まったが、みんな同じよう に指針が出ていることを確認した。結果として現代起亜系列社全体の問題とし て見て、まず起亜車が弾圧の銃隊を結んだ」と説明した。ソン副支部長は「会 社ははやくストライキをしろという調子で弾圧している。会社が管理者を集め て現場で教育し、労働部に逆らうと与信や特別監査を受けると言って現場の雰 囲気を作っている」と伝えた。

キム・ソンナク支部長も「組合員たちもこの問題が防げなければ、金属労組は 何の役にたつかという。闘争を慎重にして起亜車がタイムオフを防げなければ 労働運動全体が危機に陥る」と付け加えた。

キム・テヨン副支部長も「会社は勤怠管理マニュアルで支部を押し通せば労組 が6月末か7月初めにストをすると思っている。恐らく会社は専従者問題による ストに焦点をあてて現場を揺さぶり、組合員が労組を離脱すれば8月に労組を揺 さぶる意図のようだ」と説明した。

この日、キム・ソンナク支部長は京畿道始興の整備支会昼食集会に参加して、 「外部からキム・ソンナク支部長と起亜車社長がうまく話が進み、ストライキ をしないのではないかと聞かれるが、私はストをしないで賃金団体協議がうま くいけば良いと言っている。これまでのように適当にスト戦術を駆使し、たい して金も取れず、団体協約をいくつか取って終わる戦いではない」と今回の闘 争の困難を説明した。キム支部長は「腹が立ち怒りも込み上げるが、準備なく 戦いを始めれば、労組が終わる戦いになりかねない」とし「支部は徹底的に準 備する時間を稼ぎ、経営陣には最後の機会を与えた。早く経営陣が交渉に出て きて真心を示すことだけが破局を防ぎ、起亜車の未来の役に立つ。今年、必ず 昼間連続二交代制と月給制争奪など賃金団体協議要求案を勝ち取りたい」と自 信を示した。キム支部長は「仲間たちに感動を差し上げられなかった執行責任 はあるが、労組を守ってこそ私たちの未来がある。すべての既得権を捨て、ど んな場合も責任を転嫁しない。同じ言葉で最後まで力を合わせよう」と要請した。

昼食集会に参加した整備支会のある幹部も「支部はたった一度も不法をしなかっ た。労働組合を死守することで賃金団体協議勝利と生存権死守もできる。この 戦いは長く続くだろう。早急に考えず必ず雇用と生存権を守る」と述べた。

起亜車支部労組弾圧報告書、国会環境労働委に伝達
14日、工場から火が出ても代議員活動を認めず、かえって正常化に遅れ

この日、起亜車支部はホン・ヒドク議員に起亜車労組の弾圧事例を説明し、国 会環境労働委議員に渡す『改悪労働法を口実にした起亜自動車使用者の労組弾 圧報告書』を渡した。起亜車支部が作った労組弾圧報告書は二冊で、勤怠管理 マニュアルと社側の各種の立場を含む内容証明書と文書などが含まれている。

ソン・ソンホ起亜車副支部長は「単位事業場が苦しいのは労働部マニュアルが 法として弾圧の道具に使われるため」とし「工場で火事が出たが、産業安全委 員会や代議員を認めない労働部マニュアルのおかげで協議対象者がない。10時 間二交代工場なので夜昼が共に協議をしなければならないが、午後7時30分に協 議をするには夜間組は無給で行い、昼間組は退勤後に協議しなければならない が、とんでもない」とマニュアルの問題を説明した。

実際、14日には起亜車ソハ1工場新塗装工場のサンドブースでロボットが自然発 火し、火災になったが、勤怠管理マニュアルのために迅速なライン稼動ができ なかった。労組によれば関係代議員たちが『安全事故原因把握と対策作りの協 議対象者』ではなく、ソハ1工場ラインは14日16時14分から15日午前1時30分ま で中断した。ソン・ソンホ副支部長は「安全事故になっても使用者側と協議す ると無給処理になるから協議対象者がおらず、普段なら2時間で終わる事故処理 ができず、その翌日未明までラインが中断した」と指摘した。

ホン・ヒドク議員は「チョン・ウンベ労働部政策官に『今回のマニュアルの性 質は何か』と尋ねたところ『勤労監督官の指針書で、既存の団体協約ですでに 結ばれた事務室提供や組合活動とは無関係』という回答を受けたが、現場で受 け入れられないので心配」と明らかにした。

ソン副支部長は「使用者側は労働部マニュアルは法なので絶対に修正できない という。その上、代議員が4時間勤務した後に早退して組合活動をすると、4時 間勤務したことも無給処理すると言っている。現場で代議員活動を粉砕する意 図を示している。起亜車タイムオフ限度が38000時間なのに、500人ほどの代議 員大会の時間を入れると事実上有給専従者はない。一度代議員大会をして総会 に出ると時間が完全になくなる」とつねった。

また「自動車工程は車体、塗装、組み立てなど、各工程が異なり、10時間2交代 が基本の労働集約的な産業だが、このような現実を全く反映していない」とし 「販売側では公正取り引き監視機能や車体は大きなプレスを管理して、塗装は 有機溶剤、組み立ては筋骨格系問題などに対する労組の監視機能がある。労組 法そのものを改正しなければ監視機能は失なわれる」と付け加えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-07-19 14:53:08 / Last modified on 2010-07-19 14:53:14 Copyright: Default

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