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座り込みは解けない VS 非正規職の組織化を展望してみよう

現代車正規職労組工場代表と非正規職組合員の懇談会

合同取材チーム 2010.11.30 09:36

蔚山現代車第1工場非正規職占拠座り込み15日目の11月29日午後4時30分。蔚山 の現代車正規職労組(支部)の9つの事業部(第1〜第5工場、エンジン、変速機、 素材、生産技術、統合事業部)代表が座込場に入った。この日、事業部の代表は 座り込みをしている非正規職と各事業部ごとに懇談会を開き、率直な対話をし た。しかし率直な話は話で終わった。むしろ非正規職組合員たちは事業部代表 の率直な話に強い失望感を示した。この日の懇談会は、正規職代表と非正規職 組合員の大きな認識の差を表わした。

第4工場の非正規職組合員と懇談会をした第4工場のイ・ジョンチョル代表は、 現実の状況と事業部代表が描く今後の計画を率直に表わした。しかし第4工場の 非正規職組合員たちは、イ・ジョンチョル代表が帰ると、強い不満を示した。 この日、イ・ジョンチョル代表は会社側との交渉で、損害賠償、仮差押さえ、 懲戒などの問題を解決して、不法派遣交渉団が構成されれば座り込みを解き、 その後、硬い組織力による中長期的な対応が現実的だと吐露した。

李代表は、組合員の質疑応答にディベートルーム式でしようと対話を続けた。 イ・ジョンチョル代表は、「使用者側は皆さんの座り込みを不法占拠座り込み と見なして裁判で決定するまで様子を見ようとしている。支部は非正規職支会 を最大限援護して支持したい。さらに連帯に努力するが、直接当事者でなく、 不足がある。最善を尽くしている」と状況を伝えた。

組合員たちは、自分たちにとって一番切実なことを質問した。ある組合員は 「ゼネスト総会に行って否決すればどうなるのか。可決と否決以後の計画があ るのか」と尋ねた。第4工場代表は「支部は総会前に最善を尽くして事態の解決 に努力している。まだ可決や否決後について、支部では議論していない。金属 労組-支部-非正規職3支会の主体案を用意したが、一日後に支会が追加文句を入 れて苦しい状況に直面した」と述べた。第4工場代表は続いて「支部は3主体の 合意文を使用者側に送った。だが支会が一日後にこれを正面からひっくり返す 記者会見をした。『成果ある合意がなければ座り込みを解かない』という内容 で、既存の合意文をひっくり返した」と説明した。

すると組合員は、合意案の質問を続けた。イ・ジョンチョル代表は「合意事項 はとても重要だ。使用者側は交渉に出てくる条件を提示しなければ出てこない。 不法派遣の成果を要求すれば交渉に出てこない。不法派遣交渉対策要求は、ま ず交渉に引き出して交渉の過程で成果について議論するといった。使用者側を 引き出す戦術なのに、記者会見で私たちが隠すべきことがオープンになった。 指導部が調整する名分がとても弱まってしまったようだ」と説明した。

「記者会見で状況が悪化したように聞こえる。どうしようということか」とい う質問には「記者会見で外部に公開する事項ではなかった。交渉が難しくなっ た。互いに信頼と信頼に基づいて解いていかなければならない」と答えた。

李代表は続いて率直な事業部代表の意見も明らかにした。彼は「率直に申し上 げれば、期間がかかっても、苦しくても、4つの交渉議題を一つ一つ解いていか なければならない」とし「非正規職の組織化をするためには、中長期的にやっ ていかなければならない」と述べた。また「正規職化は当分は率直に難しい。 鄭夢九の後に李明博が粘っているからだ。段階的に組織化を強固にして解いて いこうということだ。非正規職支会の正規職化の要求には全部共感する。当分 は難しいが、今回のストライキで組織された非正規職支会をさらに強固にし、 さらに作り出そうというのが事業部代表の大半の意見だ。今回の闘争で間違う と、正規職化が水の泡になる恐れもある。組織力で中長期的に解く段階に進ま なければならない」と話した。

座り込みは解けない VS 非正規職組織化の展望を見よう

この話を聞いたある組合員が、「座り込みを解いてやり直せということだが、 座り込みを解いて出て行けば終わりだと思う。何かの成果がなければ出られな い」と述べると、イ・ジョンチョル代表は「絶対に放棄しろというのではない。 4つのうち、不法派遣交渉対策で交渉団で組織を作って解いていこうということ」 と説明した。

続いて「私も長い間闘争をして、9つの代表も20〜30年間闘ってきた方々だ。監 獄にも行き、告訴告発もされてきた。そして組織がしっかりしていなければ、 一瞬で瓦解する残念な姿も見た。今回のようによく組織化された状況を組織的 によく活用しよう。よく活用して、不法派遣交渉団で中長期的に作り出そう」 と付け加えた。

彼は「この組織力が瓦解すれば、今後、南韓の非正規職の組織化はないという ことだ。組織力をよく生かし、組織的に作っていく方が良い」と再度強調した。

「3主体の合意案は、不法派遣協議体を緩く運営して案を出し、処遇改善をしよ うという方向か」というある組合員の質問には「処遇改善と非正規職の正規職 化に進む。850万非正規職の正規職化は、一瞬ではできない。それで少し残念で 胸が痛いが、今、うまくいっている組織化で組織的に対応し、不法派遣正規職 化に進もうというのが9代表の声」と答えた。

イ・ジョンチョル代表は、正規職組合員の情緒も明らかにした。彼は「正規職 組合員たちは、ここにいる人たちの切実な気持ちの1/10も感じていない。100% の支持を期待するのは難しい。その渦中で、できるだけ力を集め、最低限の役 割でもしたいというのが代表の考えだ。正規職も皆さんの正規職化を望むが、 実質的な切実さは1/10にもならない。皆さんが現場に戻り、もっと多くの共感 を引き出さなければならない」と吐露した。

「社会的問題になっても共感できないのに、座り込みを解いてできることではない」

するとある組合員は「今現在、社会的な問題になった」とし「彼らも私たちの 問題を報道で接しただろう。このように問題になっていても共感できないのに、 座り込みを解いて復帰して共感を得られるか」と懐疑感を表わした。

イ・ジョンチョル第4工場代表は「まだ共感も少なく、支持援護も足りない。皆 さんも感じているだろうが、実際の闘争にはつながらないだろう。しかし事業 部で募金運動をして、48時間徹夜座り込みをして、毎晩50の隊伍が支持援護し ている。ストライキでラインが止まる水準ではなくても、非正規職支会に十分 に共感している」と明らかにした。

李代表は最後に「私がきて、みなさんに冷水を浴びせたのか、希望を浴びせた のかはわからないが、今の状況と私の内心をすべて述べた」とし「これからど う展開するかわからないが、隊伍を乱さず最後まで組織化された隊伍で正規職 化に行く明るい明日のために悩むことが必要だ。壮烈な戦士ではなく、もっと 明るい明日のために、苦悩に充ちた決断が必要な時期だ。支持援護と助けが足 りず申し訳ない。できることに最善を尽くす」と話した。

「座り込みを解いて降りて行けという話に聞こえる」

イ・ジョンチョル代表が懇談会を終えて帰ると、第4工場組合員のA氏が直ちに 立ち上がった。彼は「皆さん、絶対に座り込みを解いて降りて行ってはいけま せん。それでは私たちは全員死にます」と声を高めた。A組合員は、「第4工場 の代表は、ただ座り込みを解いて出て行って、組織化をしようということだが、 率直に再組織化のために出て行ったら会社はじっとしているか」とし「われわ れはもう一度失敗した経験がある。その後、またこの程度までやったのに、座 り込みを解いて出て行けば、非組合員はコメディを撮って降りてきたのかと笑 われる。私たちが出て行った瞬間、バカになる。9代表はできないと言うが占拠 を解いて出て行って、再組織化しろというのは話にもならない」と反発した。

B組合員は「代表が支持援護の話をしたが、結局支部長の話と同じだ。飯を運ぶ のに努力してくれるのは本当にありがたい。だが座り込みを解いて降りて行け ということではないか。ここの組合員はみんなそう感じるだろう」と話した。

横にいたC組合員も「任せて降りて行けというが、何か解決策があるのか。何も ない。みんなはともかく、私はここに居続ける。正規職化なく座り込みは解け ない」と述べた。

彼は続いて「支会が記者会見をしたのが気に入らないと言う。それが負担になっ たという。それで私たちを説得しに来た」とし「支会で争対委決定事項を壁新 聞にした時、われわれは支部からこうして上がってくるかもしれないと思って いた。私たちも皆知っている事実をまた確認した」と話した。

D組合員は「率直な話で私たちが出て行けということだが、出て行きたい人もい る。しかしそれは私たちが決めること」とし「支会がこわれないように支会長 の決定に従うことが重要だ」と強調した。

彼は続いて「10年以上ラインで正規職と一緒に働いたが、正規職と私たちの話 を解けなかった。ところがまた出て行って、正規職の共感を得られるか? 絶対 できない」と空しい内心を表わした。

▲去る28日現代車非正規職支会は座込場入口で記者会見を行って正規職化に対する成果ある合意なしでは座り込みを解かないと明らかにした

第1工場代表、「不足して不満だが支部長の手を離してはいけない」

第1工場事業部のペク・キホン代表も、第1工場非正規職の組合員たちと懇談会 を開いた。ペク・キホン代表は、「非正規職組合員でも非組合員でも、一日も はやく正規職になるべきだという思いは変わらない」とし「だが現実的には難 かしい。日曜に使用者側の要請で会ったが、『今週から休業しなければならな い』と言っていた。多分私が思うには水曜か木曜ぐらいになるのではないかと 思う。今朝8時に第1工場の非常懇談会(代議員35人)で立場をまとめた。休業に 反対するという立場を使用者側に伝えた」と明らかにした。

ペク・キホン代表は「現代車支部も非正規職支会の闘争を支持援護している。 その過程で傷つく人もいる。つらく苦しくても正規職支部執行部の手を離して はいけない」とし「もちろん不足も不適当なこともある。それでも支部長の手 を離してはいけない。もし手を離せばすぐ会社が鎮圧してくる。使用者側の力 で鎮圧ができるだろう」と明らかにした。

彼は「この闘争に勝利して、美しく正規職と手を握り、誰も傷つかず笑って出 て行けるように、事業部代表として最善を尽くす」と強調した。組合員の質問 が続いた。ある組合員は「美しい連帯はどんなものか? 私たちが何をすれば美 しい連帯になるか」と尋ねた。ペク代表は「非正規職支会は組合員を代表する 支会長がいる。支会長を中心に一糸不乱に動き、支部も同じように任期中は信 じて行かなければならない。それで金属労組の旗の下に不満があっても一緒に 行くことだ。それでこそ何か作品ができる。あちこちで声をあげれば交渉過程 で混線する」と答えた。

「支部長はまず座り込み解除と話していようだが、私たちが座り込みを解いて どんな対策があるか」という質問には「私が返事できる問題ではないだろう。 座り込みを解くか解かないかは、闘争の主体である非正規職支会組合員が判断 する問題」と明らかにした。

「第1工場代表として早く事態を解決する戦略でもあるのか」という質問には 「まず何らかの形で、手段と方法を問わず会社を交渉に出させることが一番重 要だろう。それでも出てこなければ正規職が粉砕しなければならない。会社が 答を出すべきだ」とし「私がここで拍手されようと、ぺらぺら話すことはでき るが、甘言はだめだ。現実的、主観的に判断しなければならない」と述べた。

彼は続いて「返事が不足かもしれない。皆さんは不法派遣正規職化しか見えな いことはよく知っている」とし「だが交渉は相手がある。会社が出てこなけれ ばいけないのではないか。今はその枠組みを作ることが最優先」と強調した。

ペク代表は「皆さんは今、全社内下請労働者の正規職化を要求している」とし 「正規職も気持ちは皆さんと全く同じだ。だが会社という相手が存在している。 あのひどい会社がそんなことをするか」と付け加えた。

使用者側の4者会談案をめぐり「3主体会議で決めた原案が正しいと思う。だが 結局判断は主導者がするべきだ」と述べた。

組合員、懇談会の内容の評価はさまざま

懇談会が終わり、第1工場のE組合員は「正規職の苦情を話したようだが、一面 同感だ。事実、交渉案に対する支部と支会間に立場の差があるが、支部の手を 離して行くことはできないと思う。金属労組もあって、他の連帯団体も多いが、 ここに工場の中で直接ぶつかる問題で、今は支部でなければ飯も食べられない のが現実ではないか」と明らかにした。

F組合員は「22日の金属労組代議員大会もその日、携帯電話でみんな確認をして いた。75%でゼネストを決議したと言うので『ああ、これで何とかなるだろう』 と思ったが、イ・ギョンフン支部長は組合員賛否投票をするといってとても失 望した」とし「投票すれば否決されることがわかっているので、われわれは支 部が支援しないという話に聞こえる。私たちがドンソン企業問題だけを考えて いれば、今ここまで来なかっただろう。不法派遣正規職化という目標があった から、くることができた」と不満を表わした。彼は「明日から下請業者が解雇 するという携帯メールがくるかも知れないのに、それでもわれわれは復帰しな い」とし「支部は世論のために、どうしようもないようだ。イ・ギョンフン支 部長は座込場に来るたびに険悪な雰囲気になる。組合員がみんな見ている前で 支会長や招請講師に怒るのはよくない。だから組合員の雰囲気がざわざわする」 と伝えた。

G組合員は「第1工場代表の言葉をすべて信頼することはできない。われわれは、 はっきりと正規職化にサインして降りて行く。中間に占拠座り込みを中断する という言葉は私たちには通じない」とし「私たちには至急で切迫した問題だ。 ある先輩は正規職の闘争で、君たちが支援したかと言ったが、事実その時、わ れわれはラインを流れる機械扱いされていた。今、私たちが占拠座り込みに入っ てきて不安に思っている。先輩たちが助けてくれると信じていた。正規職は私 たちの兄貴だ。兄貴たちにもっとやってほしい」と訴えた。(蔚山=メディア 忠清、蔚山労働ニュース、チャムセサン合同取材チーム)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-11-30 11:18:31 / Last modified on 2010-11-30 11:18:35 Copyright: Default

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