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「弟が怪我をせず、体を壊さずきちんと解決してほしいです」

現代車蔚山第1工場で会った正規職労働者

合同取材チーム 2010.11.25 23:53

非正規職労働者が工場3階のドア取り付け(CTS)作業場を占拠してから11日、 ベルトコンベアが止まった現代車蔚山第1工場。11月15日の午後から10日以上 仕事を止めた現代車正規職労働者たちは、長く立ち並んだコンベア周辺に 三々五々集まって、労組の宣伝ビラを読んだり将棋で休んでいた。

「残念です。水も切れ電気も切れ食物もきちんと搬入されない... 弟が怪我を せず、体を壊さずにうまく解決してほしい」。

第1工場の中で会った正規職労働者は口を揃えて8〜9年を共に働いた非正規職の 「弟」たちの無事を望んだ。

艤装1部B組00班は、正規職が35人で非正規職が10人だ。1/3近くが非正規職だ。 正規職と非正規職労働者は、コンベアベルトにのってやってくるクリックや ペルナ、新型アクセントの車体にエンジンを装着したり内蔵カバーをかける 仕事を一緒にしてきた。

非正規職労働者が現代車の生産ラインに本格的に「投入」され始めたのは1998年、 IMFと整理解雇反対36日ストライキの後からだ。希望退職、整理解雇などで1万人が 抜けた席は非正規職で満たされ始め、2000年に現代車労組のチョン・ガプドク 執行部は非正規職投入の割合を16.9%に制限することで会社と合意する。 だがこの合意は守られず、非正規職は1/3を越えた。

「10年以上正規職新入社員を選びませんでした。国家有功者で1、2人採用された ことのほかは全部みな業者(非正規職)から入りました。その間に定年退職で自 然減少した人員が相当するはずなのにその人数ぐらい非正規職が増えたと見れ ば良いことです。"

「当然正規職になるべきです。一緒に働いているのに」

非正規職労働者が増え、非正規職自身が団結しようとする動きが始まった。 2003年に現代車非正規職労組が設立され、2004年には労働部の不法派遣判定を 契機として、2005年には不法派遣特別交渉を要求する非正規職労組のストライ キと第5工場の占拠座り込みが行われた。この過程で、リュ・ギヒョク烈士が自 ら命を絶った。非正規職労組は2006年の賃金交渉で部分ストを行った。だが、 それ以後、非正規職労組はまともなストライキができず、労組設立当時2000人 近かった組合員数も600人ほどに減った。

一方、正規職労組の代議員大会では非正規職労働者を正規職労組に受け入れる 1社1労組の規約改正案が3回も否決され、非正規職を雇用の安全弁と見る正規職 労働者の「利己主義」が問題になってきた。

だが第1工場の現場で会った組合員の中で、非正規職労働者を正規職化することに 反対する人はいなかった。

「当然正規職になるべきですよ。今まで一緒に働いてきたし、一緒に働いてい るのですから、そうなるといいですね。」

7月22日、大法院が現代車不法派遣の非正規職労働者を正規職化しろと判決して、 非正規職労働者がまた労組に集まり、蔚山、牙山、全州工場非正規職組合員数 は2500人を越えた。

非正規職労組は11月15日の業者廃業と新規契約書署名の強要に対するシート1部 のドンソン企業労働者たちの闘争を始め、第1工場ドア取り付け作業場を占拠して 11日間ストライキを続けている。

「組合員総会に送れば労労対立に行く公算が高い」

正規職支部と非正規職支会、金属労組は11月24日に会って、現代車会社に特別 交渉を要求することに意見を集約した。金属労組は現代車会社が不法派遣特別 交渉の要求を受け入れなければ、12月初めにゼネストをすることにした。だが、 現代車支部はゼネストの前に組合員総会に送るという立場だ。

「組合員総会に送れば労労対立に行く公算が高いです。ストライキが可決され るかどうかはわかりません。非正規職が命がけで戦っているのだから正規職が 助けるべきですが、否決でもされてみなさい。自動車労組は完全に孤立するで しょう。国民が何といいますか。私たちがストライキをすると『あいつらは、 自分の茶碗だけ取りまとめるやつらだ』ではありませんか? 総会に送るのは、 かなり危険です。金属労組次元で残業拒否をするか、ゼネスト指針のとおりに すれば良いのに、あえて支部が組合員総会まで行く必要はないと思います」。

また別の組合員は「組合員の賛否投票をしても可決される可能性は完全にない とは思いません。正規職たちは年上の人が多いですが、子供たちが業者で働い ている人も多いのです。後で私の子供がどうなるのか考えてみて下さい。反対 票を入れますか?」といったが、総会での可決は断言しなかった。

「こうなったからには最善を尽くして勝つしかありません」

第1工場の正規職組合員たちは、11日間占拠ストライキをしている「弟」たちに 「こうなったからには最善を尽くして勝つしかない」とし、「今孤立してだん だん疲れてくる時だが、健康に気をつけて病気にならないようにしてほしい」 と口をそろえた。

「胸が痛いです。あそこにごみ箱が見えるでしょう。断水するというので、 それを洗って水がめに使えといくつか上げて送りました。人が生きられない 状況です。頼むから怪我をせず、病気にならずにうまく解決してほしい。会社 のために夜も昼もあれほど苦労したのに、法律なんか別として食料だけでも ちゃんと上に送ってやりたいですよ」。

11日間ドア取り付け作業場を占拠してストライキを続けている非正規職労働者 たちは、正規職化の要求を貫徹するまで座り込みを絶対に解かないという意志 を繰り返し明らかにした。現代車非正規職支会のイ・サンス支会長は25日、 「交渉窓口が開かれれば座り込みを解除するかという言葉も出てくるが交渉が 開かれても私たちの要求が貫徹されなければ座り込みを続ける」と釘をさした。 (蔚山=メディア忠清、蔚山労働ニュース、チャムセサン合同取材チーム)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-11-26 10:28:26 / Last modified on 2010-11-26 10:28:37 Copyright: Default

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