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熊も100日経って人になった

[メディア忠清]ヴァレオ空調コリアの工場には人が暮している

チョン・ジェウン記者/ 2010年02月12日13時02分

あるインターネットのサイトが提供する、地球上の人は2010年2月8日に68億 1464万231人だ。これほど多くの人々は随所でガールフレンドとの100日目の出 逢いを、子供が生まれた100日を祝っているだろう。あるいは飢餓で先に天国に 行った子供の死から100日を、望まない大統領が選挙に当選して100日、「国家 が私に何をしたか」と川の橋の上にきわどく足をかけている人もいるだろう。

いろいろな事情の中で、忠南地域でも工場を占拠したまま100日以上闘争を続け ているヴァレオ空調コリアの労働者たちがいる。人影が少ない田舎の道端に座っ た自動車部品工場ヴァレオ空調コリア。フランスのヴァレオ資本が、あまり利 益がないと言って工場を清算し、労働者全員を解雇し、100人ほどが工場を守っ ている。使用者側は労働法を考慮して11月30日に労働者全員を再解雇した。す でに10月27日、3日後の30日付でバイク便を使い、勤労関係解止を通知したので 労働者は内容的に10月末に解雇され、その時から工場死守闘争が本格的に始まっ た振り返れば8日頃が100日目の日だ。

山腹に新芽が出たという伝えがあるこの頃、ヴァレオ空調コリアの労働者は何 を祝っているのだろうか?

100日

工場のある曲がり角で、3人の屋台メンバーが集まっている。屋台メンバーは、 会社が清算手続きに入り食堂が閉鎖されると、同僚の食事を解決するために結 成したメンバーだ。支援に来た人がいればチャンポン、モヤシのスープなどを 作って分け合って食べ、闘う同僚のために時々間食も準備した。ところが最近 は、屋台メンバーの仕事があまりない。業者で毎食1人1300ウォン程の食事を配 達しもらってて食べるからだ。あとどれほど闘争が続くのかわからない。労組 は闘争基金を考えて、費用が少ない方式を選ぶしかなかった。

「100日ですか? 知らなかった。そうだね。日が経つのを知りません。(工場の) 中にいるだけなので。職場生活すれば週末は休むので分かりますが…。」

▲屋台メンバーが屋台の前で談笑している。[出処:メディア忠清]

▲労働者たちが食堂が配達した飯を一緒に食べる。

35〜6歳ほどの年頃のハン氏、チェ氏、チョン氏はみんな工場で寝て100日が過 ぎたことを知らなかった。良いこともないのに日を数えてどうするという調子 だ。子供が生まれて100日になるわけでもなく工場で寝て100日とは…。彼らに とって100日は記念する日ではなく、記憶を十分にかみしめて怒る日になってし まった。100日間、私たちは何をしていたのだろうか? 季節が過ぎ、顔を突き合 わせて同僚たち何を考えながら過ごすのだろうか? 使用者側はなぜ対話の要求 さえ無視するのか…。一瞬の思いは彼らをしばらく沈黙させた。

「振り返ると100日間飯も食べて…(笑い)。あちこち毎日1人デモ、日本、フラ ンスの遠征闘争、韓国にあるヴァレオ事業場の打撃闘争をして、釜山、昌原な どに行って。地域で集会して、使用者側に対話しようと言い、直接交渉を要求 して、工場で毎日寝て、死守闘争して…。そうしているうちに時間が経ちまし た。私たちの状況を外に知らせることが重点だったとすれば、今は突破口を探 す闘争を作らなければならないのではないかと思います。事実フランスの場合、 2次まで遠征闘争をしましたが、多くの成果があるとは、使用者側がすぐ直接交 渉に出てくるとは期待しませんでした。周辺の同僚は6か月程度、あるいはもっ と長く闘わなければ無対応を貫く使用者側は動かせないと考えたりもします。」

返事のないこだま

闘争が長くなると、小さなことに鋭敏になったりもする。100人ほどが工場の中 で規律を作って共同生活するのは容易ではないだろう。さらに月給も出てこず、 家族は憂いに満ちた表情で互いを見る。むしろからだがつらいのは耐えられる。 寒くて、からだが重くて、ストレスで頭も痛くて、同僚がいびきをかいて眠れ なかったり…。そんなことだ。

「一番苦しいのは、さまざまな人が集まって暮していると、家庭の事情などの 個人的なつらさについて、気持がわからず傷つけたりもします。そして収入が ないので、経済的にとても大変です。私は6月に双子が産まれました。私が職場 に通い、闘争をしているのでケア労働者に来てくれと言おうとしたのですが… 国からは支援も出ない…。それで1か月に160〜170万ウォン出て行きます。専門 家でない人でも70〜80万ウォンです。だから私たちののような生産職労働者が、 どうすればケア労働者いこいと言えますか。想像するだけです。今は収入がな くて、金を使い果たしています。これからがもっと問題です。離別でない離別 生活をしなければならないかもしれません。子供たちを田舎に送るとか…。妻 が大変がるのは、子供たちがお父さんと一緒に生活するべきなのに、お父さん に会えないから…。不満でない不満混じりの語り口で、頼むからはやく終わっ てほしいといいます。」

しかし「闘争がはやく終わってほしい」という労働者、家族の期待は、響いて 戻ってくる。使用者側が清算手続きを取っている工場で、電気代などの付帯費 用がかかると言って、労働者100人ほどに一人当たり400万ウォンを請求する予 定だと1月23日頃に郵便で通知してきた。4億ウォンほどだ。直接交渉を要求す る労組の要求には無対応を貫くのに、労働者と家族にしばしば郵便を送る。チョ ン氏はこの前、家に帰ってまた郵便物を一通持って工場に戻った。

「電子メールを各家庭に送るのですが、内容は労組が対話を回避しているとい うことです。家族に通知文を送り、不法占拠しているとか…労組が対話を要求 しても応じないのに、家族に心配させるということそのものに腹が立つ。私た ちが望むのは、経営上の危機ならいっそ認めます。苦痛分担もできます。しか し、交渉の席でとにかく顔をあわせて対話しようということなんです。一次的 には対話の場が用意されなければならないということではありませんか? 工場 の正常化のために、一つずつ問題を解いていこうというのです。」

▲会社で個別の家に送る郵便の一部

少なくとも、そして最大限

「組合員には明確に目的がありますが、少し苦しみもします。そして労組には 無対応を続ける使用者側に直接打撃を加える闘争をしなければなりません。伸 るか反るか、窮余の策です。連帯で全国を歩き回ってみると金属労組事業場と いっても御用労組のようなところがあります。御用労組がとても幅を利かす世 の中で…。だから形式的な連帯より実質的な連帯が欲しいという希望もあります。」

闘争が長くなると、疲れたり、使用者側を圧迫できる闘争で悩む。また小さな 川の水が海になる連帯を望んだりもする。当然のことだ。しかし彼らは強く闘 争する労働者の道を行くために気を引き締めて、労働者の武器と呼ばれる『団 結』と『連帯』を怠らずにいる。まったく工場を離れられないからだ。

「くやしい。平均10年以上働きました。一日で出て行けというので頭にきて。 経済危機と言っても、どこに出て行くのか? 最悪の状態の政策という世の中 で…。出て行くのも恐ろしく、出て行こうとすれば頭にきて。一日でクビを切 られ、あきれて、くやしい。考えてみれば若い時は労組に加入しても、若いの で幼稚に働きました。金をくれるから働きもしました。年月が過ぎて、ずいぶ ん考えも変わりました。私も労働者だからこんな目にもあいますが、さびしい ことです。少なくともここでやれるだけはやらなければならないと思って闘争 します。最大限できることみんなしてみて、その後で何をしても遅くないと思 います。そして申し訳なくて、同僚を置いて出ては行けません。生死苦楽を共 にした人々なのに…。」

100日という日それ自体が重要なのではない。100日という物理的な時間と同時 にその間に何をして、何が変化したのか重要だ。100日間、労働者たちは変わっ たように見えた。身と心は苦しくても工場を死守すべきだという目標がさらに 明確になり、使用者側に対する批判意識もまた高まった。少し打たれても倒れ ないほど芯が固まり、鋭い冬も胸を暖かく満たす同僚の愛や同志愛を持った。

しかし労使関係は変わっていない。労使は一度も直接対話をせず、労組は相変 らず闘争を、使用者側は相変らず弾圧をしている。熊も100日ニンニクを食べて 人になった。話せない獣さえ変わったというのに…。ヴァレオ空調コリア労働 者の闘争が終わるのは、ただ使用者側の意志にかかっているようだ。

▲100日以上作業服が椅子にまたがる。油汚れが埋めなければならない作業服. いつ彼らは仕事が出来るだろうか。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-02-15 12:57:04 / Last modified on 2010-02-15 12:57:06 Copyright: Default

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