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編集2002.03.14(木)20:30

電力大乱「足元の火」…交渉力は落第点

△14日午前、ソウルの明洞聖堂前で開かれた発電労組ストライキ関連民主労 総決起大会で参席者たちが明洞聖堂で座り込みをしている発電労組員に向か い、激励の叫び声を送っている。ソギョンシン記者 raoul@hani.co.kr

もつれた発電労使交渉

妥協点を見出すかと思われた発電労組のストライキ事態がさらに手のほどこ しようもない状況に至っている。シングクファン(辛国煥)産業資源部長官が 14日に出した声明は、「民営化の原則を守るために、発電労組とはこれ以上 妥協しない」という意向と見られる。

政府は、発電労組が屈服せずにストライキを続ければ、軍から代替人材の支 援を受け、はなはだしきは国民に「電力不足事態が発生するかもしれない」 とストライキ事態に対する断固とした対応の方針を明言した。国民の不便を 甘受しても、民営化は推進するべきだという意志だ。

■事態悪化の背景

=実際は、去る12日の夕方、ソウルの明洞聖堂で開かれた交渉で、会社側と 労組はある程度妥結の糸口が見えていた。この日、会社側の代表は、産資部 と事前調整までした協議案を持って労組の代表と会った。この席で労使は、 「民営化」という文句が入った合意条項も作らない代りに、民営化にともな う組合員の身分変動時、労組とどのような方法でも、実效性ある協議の手順 を用意して、組合員が望む場合は民営化しない他の発電会社への転職も保障 するという線で折衷点を求めた。

ところがすぐ翌日の13日の交渉では、前日の合意事項に対する解釈が食い違 い、交渉代表団の構成を巡る悶着を繰り広げただけで、核心的な争点につい て議論もできなかった。続く14日、産資部長官が事実上、交渉放棄宣言と違 わない対国民声明を発表したことにより、事態が一層混迷することになった。

このように事態が悪化したのは、主務部署である産資部の交渉能力の不在が 大きな要因だ。ストライキ事態の初期から基本的な状況判断もできず、何の 権限もない発電会社の社長団だけに交渉を任せ、実質的な進展を困難にさせ た。

■電力供給異常無いか?

=政府と発電会社側は、代替人材を最大限確保してストライキの長期化に対 応する方針だが、電力大乱の憂慮は時間が経つほど大きくならざるをえない。 産資部長官さえ、電力不足事態の発生の可能性を表わして、節電運動などの 対策の用意を訴える程になった。

現在、5つの発電会社が確保している代替人材は1900人程度だ。ここにスト ライキから離脱し復帰した労組員を合わせても、2千名ほどにすぎない。幹 部を含み、6500人あまりの人材によって行なわれる電力供給業務を、5千余 人の労組員等の長期ストライキによって、現在2千人あまりが受け持ってい る。

特に、発電所稼動の必須人材である運転員は、代替率がさらに低い。5つの 発電会社は、去る10日頃から「ストライキの長期化にともなう運転員等の疲 労累積が激しくなっている」という状況報告を毎日出している。

政府の計画通り、軍の人材や新入、及び経歴社員採用でストライキ労組員に 代えるにも限界がある。韓国電力関係者は、「発電設備の運転経験がある経 歴者等は、大部分が高齢者なのに加え、人員も500人程度でしかない」とし、 「発電所の運転には最小3年以上の訓練と現場経験が必要なのに、こういう 状況でストライキが長期化すれば発電所の正常稼働が事実上不可能だ」と話 した。

彼は「幸い、電力非需要期にストライキが行われ、電力供給に支障がないよ うに見えるが、実際の事故予防に対応し、整備が必要な発電所は運転し続け ていて、電力需要が突然急変動すると正しく対処できる能力がかなり落ちて いる状態」だと伝えた。現在、発電所の運転体系は、経験不足の操縦士が副 操縦士も無く、自動航法装置でだけ飛行機を運航しているようなものだとい う。

パクスンビン記者sbpark@hani.co.kr

http://www.hani.co.kr/section-005100008/2002/03/005100008200203142030089.html


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