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編集2002.03.01(金)19:06

発電部門民営化の争点

発電産業民営化をめぐる労政の対立はあまりにも複雑で根が深い。互いに 「国民の利益のために」と言っているが、立場の差はあまりにも大きい。労 政の拮抗した綱引きの争点を点検する。

  • 国民的な合意は経たのか? = 政府は、発電会社の民営化を含む電力産業の 構造改編推進が、2000年12月に関連法案を立法した当時、与野党が満場一 致で賛成し、その前に労組と労使政委員会でも合意されたことを強調する。 構造改編関連法を制定・改正する過程で、あらゆる問題を点検し、その長 所・短所を総合的に分析し、現在推進している民営化の方向が正しいとい う決定を国民的合意を経て行なったという主張だ。

    しかし労組の見解はかなり違う。電力産業構造改編とこれにともなう発電 の民営化は、実際に国民的な合意を得たというよりは、単に「形式的手順」 を経ただけだと考えなければならないという。労組と労使政委員会の合意 の内容は、「電力産業の構造改編推進過程で労組と誠実に協議する」とい うことだったが、発電会社の分割で労組が共に分割された後、政府と会社 側ではむしろ労組を黙殺したという。労組はまた、国会の立法過程でも、 経済の論理と国民生活の利益という観点に専門家の批判が多かったのに、 当時の批判を政治圏が十分に取りまとめて結論を挑出したと見ていない。

  • 料金引上げと電力供給不安の可能性 = 民間の効率的経営技法が導入されれ ば、積極的な原価低減の努力で多様な資金調達が可能になるというのが政 府側の意見だ。結局、市場で発電会社の間で価格とサービスに対する競争 が自発的になされ、電力需要者等に恩恵が返るということだ。政府は、英 国が電力民営化により90年から97年までに電気料金が18.4%も下がり、オー ストラリアのビクトリア州では、産業用の電気料金が93年以後、39%も下がっ たという事実を民営化の成功事例として主張する。

    政府はまた、構造改編以後、電気料金の安定的な管理対策を立て、最終消 費者の料金に対しては政府認可制を維持し、電力委員会と電力取引所で市 場監視をするため、労組が憂慮する大幅な電力料金の値上げはないものと 見ている。

    その反対に、労組は電力の民営化が国民の利益よりも国内外の資本の利益 だけを保障する結果を産むと見る。電力は需要と供給が一致しなければな らず、保存が不可能な商品なので、一時的にでも需要が供給を超過すれば 価格が暴騰せざるをえないという。たとえば、米国のカリフォルニアで発 電会社が一度に維持・補修作業に入り、出力を下げれば料金が暴騰して電 力大乱がおきる。労組は必須公益体である電力需給を民間資本の利潤論理 に任せると、こうした事態を防止出来ないと主張する。

    発電所の建設には、3千億〜2兆ウォンの莫大な財源が必要で、資本の準備 期間も5〜10年かかる。それで労組は、国家や公企業が計画的に投資しなけ れば、電力の安定的供給に支障が生じると強調する。成長が停滞している 国ではともかく、政府予測でも毎年5〜6%ずつ電力需要が増加する我が国で、 民間資本だけに任せても電力供給が円滑にいくかは疑問ということだ。

  • 雇用不安は激しくなるか? = 労組は、民営化により既に締結された団体協 約が守られず、雇用が不安定になることを憂慮するが、政府は民営化を推 進しながら一定期間雇用と団体協約が継承されるようにし、雇用不安が起 きないように最善を尽くす方針だと明らかにしている。

    我が国は、高い電力需要の増加により、2015年までに発電設備規模が今の2 倍近く増える見込みだ。したがって、現在の電力産業従事者に対する需要 も増え続けて、むしろ新規採用が大きく増加するだろうと政府側は説明す る。

    しかし労組は、韓国重工業など、先に民営化した企業等の事例を見ると、 政府の雇用保障の約束がどれほど虚構的かよくわかると言って政府側の説 明を信じない。人気公企業だった韓国重工業が斗山に売却された後、全従 業員7300人中の千人が希望退職した点を代表的な事例に上げている。

    労組はまた、組織のスリム化と分社化にともなう雇用不安も深刻化すると 憂慮する。大規模な人材調整をし、どうしても必要な人材が不足するため に、また契約職として採用する事例が日常的になっているからだ。

パクスンビン記者sbpark@hani.co.kr

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