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「福島以後、核産業に未来はない」

マイケル・シュナイダー全州招請講演、「脱核・再生エネルギーの声が高まっている」

ムン・ジュヒョン記者 2012.10.31 17:17

「まだみんな、あの事故がどれほど恐ろしいのかよく知らない
福島事故は現在進行形」

全北環境運動連合と核ない世の中のための全北行動(準)が国際エネルギー政策 の専門家、マイケル・シュナイダー氏を招請して市民講座と記者懇談会を開き、 福島核発電所事故後の世界の核産業の動向を見て脱核が必要だと要求した。

マイケル・シュナイダー氏は国際エネルギー政策の専門家で『世界核産業動向 報告書』の代表著者であり、ソウル市原発一基削減政策の重要な助言をするなど、 脱核の必要性を強調してきた。

▲30日のマイケル・シュナイダー招請講演会[出処:全北環境運動連合]

10月31日午前10時、全北環境運動連合のヌティナム室で開かれた記者懇談会で、 マイケル・シュナイダー氏は「世界の核発電量は90年代から増加し、2006年に 最高値を記録して以来、減少傾向にある。電力生産量に核エネルギーが占める 割合は次第に低下している」とし「太陽熱エネルギーなどの再生可能エネルギー が注目を越えて、今では一般的な傾向」と説明した。

シュナイダー氏は「核発電は国際エネルギー部門でますます役割が小さくなっ ており、福島事故以後、保険、安全などにかかる費用と世論の悪化などで投資 コストが増加し、核関連の企業は深い財政的な困難に陥っている」と話し、 「福島以後、世界主要経済の危機まで重なり、未来の主要エネルギー技術とし ては核発電は展望がない」と話した。

彼は核発電の下り坂をドイツなどの事例を挙げて説明した。シュナイダー氏に よれば、ドイツは2011年には核発電より再生可能エネルギーによるエネルギー 生産の割合が高くなった。シュナイダー氏は「ドイツでは、約1100万台の簡易 発電機で、家庭、農村、市議会、中小企業などがエネルギーを生産している」 とし「今エネルギー生産が一か所に集中するのではなく、多様な方式で広がっ ている」と話した。

このように、核発電などの出口戦略を世界的に模索しているのとは違い、韓国 は『原発ルネサンス』と呼ばれるほど政府次元の核発電戦略を固守している。 シュナイダー氏は「2012年に世界で稼動を始めた新規原発は2基に過ぎないが、 すべて韓国」とし、韓国の核発電が世界的な流れに外れていると指摘した。

続いて韓国社会のエネルギー産業を独占する韓国電力について、「韓電の中央 集中式のエネルギー政策と方式は古い。これを現代的に変えるように助けるべ きだ」とし「太陽熱などの代案再生エネルギーの水平的方式、消費者が生産者 になり、生産者が消費者になるエネルギー政策と方式に変えなければならない」 と指摘した。

また2011年の福島核発電所事故についての警告も忘れなかった。彼は「事故の 後、発電所に注入された水は果たしてどこに流れていると思うか」と尋ね、 「汚染された水が漏れているのは相変わらずだ。そして冷却施設は原子炉より 高いところにあるので、燃料がすべてなくなる前に冷却水が隙間から抜け出せ ば、爆発する危険もある」と警告した。

地方政府のエネルギーパラダイムを変えよ

マイケル・シュナイダー氏は地方政府のエネルギーパラダイムの変化について も助言を惜しまなかった。彼は「地方政府は地域の必要エネルギー量を調査し、 必要な人にどんな方式で供給するかを考えることが重要だ」とし、これにより 地域で多様な方式でエネルギーを生産する基礎を作り、核発電と中央集中式の エネルギー生産によるエネルギーの浪費と致命的な核発電事故を防ぐことがで きると助言した。

続いて「誰もKWの電気も数十バレルの油、ばく大な量のエネルギーは必要とし ていない」とし「私たちに必要なものは、エネルギーによる火、冷房、暖房、 移動と機械の運転のように、調理された食べ物と同じだ。したがって自治体は 地域が必要とするエネルギーを小さな単位で分析し、効率もデザインしなけれ ばならない。必要なものの調査とエネルギー生産の多様化、ローカル化を組織 し、エネルギーにかかる不要な浪費を防がなければならない」と話した。

続いて「しかし今はエネルギーの割当が難しい時で、割当の方法を考えるべき なのに、むしろ逆にエネルギー生産ばかりに熱を上げている」と指摘した。

古里原発の寿命延長、「古い機械の延長は危険」

一方、マイケル・シュナイダー氏は最近問題になっている古里原発1号機の運転 延長にもその危険を指摘した。

彼は「韓国政府は核発電所延長運営の経験が少ない。そして、40年以上の古い 機械は古い技術で作られており、技術的に問題が発生せざるを得ない」と憂慮 を表明した。

続いて「ベルギー(Doel)の古い原発3号機の核燃料を入れる圧力容器で約8000か 所の微細な亀裂が発見されたが、その亀裂はすでに初期の製作当時からあった ことが確認された」とし「しかし当時の技術力ではその亀裂が発見できなかっ た」と海外の事例を紹介した。

また「現在の技術を延長することは革新を防ぐ」とし「韓国のような同じ高い 水準の技術力を持つ国家は、革新により維持されるので、新しい視角が必要だ。 核発電のような古い方式ではなく安定と革新のための方式を考えなければなら ない」と話した。

送電塔建設問題、「自治体のエネルギー政策の変化とローカル化が解決法」

マイケル・シュナイダー氏は密陽、清道、全北完州、群山などで住民と政府が 対立している送電塔問題にも言及した。

シュナイダー氏は「現在は電気は韓電が運営しているが、運営する土地は政府 が管理している。自治体がその線を買いエネルギーを直接供給すると言えば、 解決する」と指摘した。彼は「自治体のエネルギー政策の変化を基礎に、韓電 のエネルギー独占権は自治体に移転すれば無理に送電塔を建設しなくても良い」 とし「現在の法では難しいが、変化は要求から始まる」と話した。

最後にマイケル・シュナイダー氏は「核発電所は『花畑の恐竜』だ」と表現し 「核発電所と核エネルギーは古くて、重くて、遅い。だから革新が必要だ」と 話し、脱核は未来社会に行くために必要な革新だと整理した。(記事提携=チャムソリ)

〈福島原発事故以後主要国家の政策変化〉

ベルギー

  • 2011年10月:2015年から2025年間に脱核(phase-out)確認
  • 2012年8月:Doel 3号機の圧力容器で深刻な亀裂発見

ブルガリア

  • 2基の原子炉を建設するBeleneプロジェクト放棄(1987年から建設)

中国

  • 2011年に新規建設なし
  • 立地ごとの基数の制限
  • 安全点検。2011年に2基の商業原子炉稼動開始(1600 MW)
  • CPR1000シリーズの放棄
  • 2011年に再生エネルギープログラム加速:+18000MW風力(11個の原子炉分量) --〉 63000 MW設置(=フランスの核発電所容量) + 3000 MW太陽光(2基の原子炉、 2010年の5倍追加) --〉 2015年までに20GWへと四倍を目標

フランス

  • サルコジおよび2次大戦以後すべての政府との断絶:核発電比重を75% --〉 50% Fessenheim、Penly発電所
  • 安全委員長:「フランスで深刻な核事故が起きないとは誰にも保障できない」 (OECD、Paris、2011年6月8日)
  • 広範な設備補強の要求(〉10条);維持補修費用2倍に
  • 政党間合意失踪
  • 緑色-社会党選挙合意:核発電割合縮小、プルトニウム産業転換、効率化および再生エネルギー拡大
  • 世論は脱核賛成が強力(〉75%)

ドイツ

  • 3/11以後27の原子炉のうち8つを即刻閉鎖
  • 遅くとも2022年までに完全な脱核
  • エネルギー源の根本的な再デザイン
  • 2010-2012年の間に20000 MW以上のPV(太陽光)が設置
  • 2011年に初めて核や石炭または天然ガスより多くの電力を再生エネルギーが生産。現在、褐炭に次ぐ電力源
  • ピーター・テリウム(Peter Terium)がRWE(ライン-ウェストファリア電力会社)の 会長に就任:「われわれは確信を持って核戦争力からの抜け出しています。 単にここドイツでだけではありません。この技術が持つ危険の多発は窮極的に 選択肢ではありません」 (2012年8月14日、記者会見の公式発言)

オランダ

  • 新規建設プロジェクト放棄
  • ドイツ企業RWE撤収

スイス

  • 福島以後「新しいエネルギーシナリオとこれによる行動計画と手段」作成(連邦エネルギー局)
  • すべての新規核発電所の建設禁止投票(2011年9月28日)

台湾

  • 発電所寿命延長せず
  • 「核のない島」長期ヴィジョン

英国

  • 政府は公的補助をしない条件で、新規核発電建設を強く支持
  • 2012年3月29日:ドイツ企業RWEとE.ONがすべての新規建設プロジェクトを放棄
  • 2012年4月16日:GDF-Suezは投資決定を2015に先送り
  • 2012年4月20日:Centrica (EDFのパートナー)が「核発電撤収を威嚇する」 (ガーディアン)
  • 2012年7月23日:提出されたエネルギー法案を英国議会委員会が猛非難

米国

  • オバマ大統領/チュー長官:「原子力は重要な役割がある」
  • サウステキサス・プロジェクト(新規原子炉2基)の大株主のNRGエネルギーは プロジェクトを放棄(4億8千1百万ドルの損失)
  • 2012年2月と4月に1978年以後、初めて新規の原子炉が許可されたが (Vogtle、Summer)、NRC(原子力安全委員会)の議長はこれに反対投票した。 Vogtleの許可は法定ですでに争った
  • 2012年3月の世論調査:連邦融資保証を核から風力や太陽光に 移転することに77%が賛成
  • 現在1基の原子炉だけが建設中… 1972年以来(Watts Bar 2)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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