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5月1日、すべての労働者に有給休日を認めろ!

[連続寄稿]メーデー有給日保障(1) B級国民、B級労働者?

パン・ヒョフン(民主労総忠南本部) 2012.04.25 13:52

[編集者注]5月1日は、第122回世界メーデーです。韓国でもこの日を 『勤労者の日』とし、すべての労働者に有給休日の権利を付与しています。

しかしこの権利は、労組があるか規模が大きい事業場で働く労働者だけの話で す。官公庁と学校は休まないので、関連公共部門の労働者や非正規職労働者は 休めません。そればかりか、中小零細事業所の労働者や自営業に属する労働者 はもちろん、大規模スーパーなどのサービス職労働者も同じです。その上有給 休日でも、休日勤務手当を受けられない労働者も多いのです。

こうした現実を変えるため、民主労総忠南本部では地域の移住労働者団体、 非正規職団体などと共に『5月1日、すべての労働者に有給休日を保証しろ』 キャンペーンを進めています。

メディア忠清は、メーデーに有給さえも認められない多くの労働者の話を民主 労総忠南本部と共に4回にかけて掲載します。また労働時間短縮が争点になって いるこの頃、メーデーの意味をまた考えてみる契機になればと思います。

一年のうち、たった一日、すべての労働者に何も聞かず有給休日を認める日が ある。名付けて『勤労者の日』だ。本当の名前はメーデー、われわれは労働節 と呼ぶが、とにかく法は『勤労者の日』となっている。

法は普通、複雑なのがその特徴だが、驚くべきことにこの法律(勤労者の日制定 に関する法律)は、たった一行だ。「5月1日を勤労者の日とし、この日を「勤労 基準法」による有給休日とする」。余計なものは一つもなく、この一行だけだ。 しかし現実は、複雑でも特別な解釈もできないこの一行の法律さえきちんと守 られない。たいていの労働の権利がそうであるように、この簡単な法も法と 現実は違う。

『国格が出る』韓国の労働時間

すでによく知られる事実だが、韓国の労働時間は世界最長水準だ。比較可能な OECDの国家では圧倒的に1位だ。少なくともこの統計では韓国はOECDに加入した 1996年から一回もトップから滑り落ちたことがない。これほど長時間労働が続 く理由は、何よりも国家が法もきちんと守らないためだ。

メーデーの例では、この日は法律による有給休日だが、公休日ではない。だか ら官公庁と学校などの主な公共機関は正常勤務をする。当然こうした公共機関 の労働者にとって、メーデー有給休日は絵に書いた餅だ。非正規職労働者たち の境遇はさらにひどい。それでも最近、特別勤務手当てを支払われる公共部門 の労働者が増えているという。幸いだ。しかし相変らず特別勤務手当てもなく ただ働く日と思って働く労働者は多い。

大学を含む学校の非正規労働者も同じだ。当事者が望めば何の不利益もなく、 有給で休めるという事実を知っている清掃、用役労働者はどれほどいるだろう? 彼らが誰にも気にせず、自分の権利を行使できるようにしなければならない。 手当ては次の問題だ。労働の権利は金で解決する問題ではない。

B級国民、B級労働者?

先日の4.11総選挙で民主労総は、公民権を認めない事業体の告発を含む公民権 保障運動を展開した。初めてのキャンペーンでもないが、結果は多くの労働者 が『主権』を半強制的に奪われているという事実の確認だった。一部では総選 挙戦略の一つとして『黙って投票』を主張したが、むしろ『その口を閉じろ』 と言いたい労働者もまた少なくなかったのだ。

それでも労組があり、節度がある事業場の労働者は、国民としての主権を行使 できた。だが多くの労働者は主権行使の権利も奪われ、さらに投票もしない B級国民と非難されるというくやしさを甘受しなければならなかった。

両極化した時代の非正規職-中小零細事業所の労働者が受ける相対的剥奪感は、 一つや二つではない。ニュースはよく勤労者の日をむかえ、休日を楽しむ市民 の姿を丁寧なインタビューまでして見せる。しかしその日、へとへとになって 帰った労働者が受ける相対的剥奪感に対する考慮はどこにもない。公共部門の 非正規職、中小零細事業所の労働者、アルバイト労働者にとって、法律が規定 するメーデー有給休日という文句は、自分たちがB級労働者ではないのかという 自己恥辱感を持たせる多くの事例の一つかも知れない。

"NO work, NO house work, NO school, NO shopping"

この前、どこかで見たメーデーのスローガンだ。5月1日、一日でもこんなこと になれば良い。だが現実は厳しい。共稼ぎ家庭で、それもメーデーも出勤しな ければならないB級扱いされる労働者の立場としては、保育園保育教師のメーデー 休業からして大きな心配だ。スーパーの労働者たちは誰かの休日ショッピング のために、もっと多くの労働を強要される。本当に先が暗く複雑な現実だ。し かし当然、こうした困難な現実は、労働者が悪いのではない。法を作っておい て、監督も守りもしない政府と資本が悪い。

だが一方で、労組の塀を越えて周囲を振り返ることができず、それで彼らの誤 りを指摘して戦えない私たちの無関心も考えてみなければならない。団体協約 の1行の権利のためにストライキも決意するその心情のかけらを集め、私たちが 関心を傾けなければならない。

メーデーは、労働時間短縮闘争の歴史だ。その闘争は今でも続いている。労働 時間短縮、夜間勤労撤廃、そして例外のない実質的な公民権の保障、すべての 労働者のメーデー休業保障まで、具体的な現実だ。

忠南では、民主労総を中心に地域の団体が共に『5.1日メーデー休業を認めろ!』 というキャンペーンを行う。遅くはあるが、周辺を振り返る契機になればと思 う。そして今年は準備不足だが、来年はもっと大きな響きになることを希望する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-04-26 12:50:37 / Last modified on 2012-04-26 12:50:39 Copyright: Default

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