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「セクハラされ、嫌がれば解雇」

[インタビュー]セクハラ被害者、現代車牙山工場の正門に立つ

チョン・ジェウン記者 2010.10.06 09:17

セクハラ被害者が初めてプラカードを持ち現代車牙山工場正門の前に立った。

朝7時を過ぎ、バス、乗用車の出勤車両が列を作る。人でなく車に押される所だ。 幸い夜間勤務がなかったので車は少なかった。開天節(建国記念日)が日曜なので 『重複休日』で労働者は前日が休みだった。

カーフィルムを貼ってビュンビュン通り過ぎる自動車に乗った人々は、同僚の 被害者を見ているのだろうか? 寂しいところだ。

離婚した女性下請け労働者

「私が生まれてから、こんなこと(1人デモ)をするとは... 家族も忠南に集まっ て暮し、子供たちも大きくなったしと思い、できればこんなことはしたくない と思ったのに... でもバンと解雇して、工場入れないようにして、外で戦うと 完全に工場から出て行けというのです。私が現代車の名誉を毀損したというう わさを現場に広めて...」

被害者は黒いマスクと黒い帽子をかぶって1人デモをした。丸い二つの目しか見 えなかった。心にわだかまったくやしさを訴える被害者の二つの目は光ってい た。あちこちに広がった社会の不条理は『グローバル企業』現代車だからといっ て特別ではない。

現代車はセクハラされた被害者を昨年12月に1次懲戒し、続いて今年の9月に人 事委員会で懲戒解雇された。『会社の規則に違反、誤った言動で会社内の秩序 をみだしたり会社のイメージを失墜させた場合』が審議の理由だった。

「これまでも現代車には私のようにセクハラされた人はいたでしょうし、今後 もあるでしょう。ただし『セクハラ』と問題提起した人がいなかっただけでしょ う。会社は私のクビを切って人の口をふさいだのです。セクハラしたと嫌がれ ば、ゴミのように切り捨てる! こういうことでしょう。加害者2人が懲戒されれ ば、私のような被害者は、また提起するでしょう。これが使用者側の一番大き な意図だと思います。そうでなければこんなにまでして解雇する理由がないで はありませんか? 手元の証拠資料だけでセクハラだと提起したのに」

被害者は女性だ。大企業で正規職労働者と一緒に働く非正規職だ。そうして 14年働いてきた。

▲被害者はセクハラに耐えられず、一部の携帯メール、電話通話内容を保存していた。

「14年間働いて、何度も『私が正規職なら』と思いました。どうしても元請に へつらって暮さなければならないのが下請け労働者です。それが生き残る方式 でしょう。7月22日の大法院判決によれば、97年から現代車牙山工場の社内協力 業者で働いてきた私は、すでに99年からは正規職だったんです。

もし私が正規職なら、こんなセクハラにあわなかったでしょう。私が現代車の 正規職組合員だったら、どうしてあえて管理者たちが私を離婚した女性だから と言ってこんなことをするでしょうか。どうしてセクハラの携帯メールを送っ て、それを同僚に見せたという理由で人事委員会を開いて懲戒し、停職6か月に するでしょうか。なんでそれを理由に職員がみんな集まっているところであの 人は解雇だというでしょうか。

もし私が腹が立つたびに、でも違うと思うたびに、私の考えをそのまま話せば いつでも管理者が私を解約できると思わなければ、私が正規職なら、絶対にこ んなことはできなかったでしょう」

心理的につらい

管理者二人は日常的に被害者にセクハラをした。我慢できず、加害者が送った 携帯メールを保存して電話の通話内容を録音した。加害者たちはベッドを要求 したりもし、悪口を言った。被害者が働いている時に尻を膝でけったり、肩と 腕を触って、話をするといったセクハラもしたという。

こうした事実を知った業者側は、逆に被害者の電話の録音が『不法』だと嘘を ついた。

「管理者二人はすべて既婚なのに、口にしたくもないようなことを言いました。 1人は『私たち二人が寝て起きても、私たち2人が口を閉じていれば誰にも分か らない』とずけずけ言いました。そのたびに断りましたよ。

また1人は酒を飲んで家で寝たいと言って、一晩に3回電話をかけてきたりもし ました。どうしても寝るという言葉をそんなに簡単に言えるのかと、とてもあ きれました。だめだと言って、最後、夜中に三回目の電話の時は通話を録音し ました。

長女は横でお母さんが電話でいじられているのを聞いて一緒に怒って心を痛め ていました。昨日、長女にお母さんは明日から1人デモをすると言うと、自分が 陳述書を書くといいました。長女はしばらく社内下請業者で働いたことがある のですが、お母さんの話を聞いて、いくらお金をたくさんくれても現代車には 入らないといいました」

被害者は加害者からいじめられても、子供たちを考えて、これぐらい職場でも あればと思って暮してきた。しかし気持が苦しいのは我慢できなかった。離婚 した女性だからとまわりが馬鹿にした。

「結婚して温陽温泉にきて、夫のアルコール中毒で離婚して7年間子供たちと暮 しています。現代車で働き、三人の子供を教育して暮らしてきました。なんと か暮らしてきました。つらく苦しいことがあっても子供たちのことを考えて、 これぐらいの職場でもあって幸いだと思って暮してきました。こんな職場でも、 なければ三人の子供を抱えて頼る所もありません。

仕事はいくらつらくても、私がすれば良いのですから、こんなに苦しくはあり ませんでした。離婚前はこれほど軽蔑されたり馬鹿にされることはあまりあり ませんでした。一人になって私を下に見て、まわりには助ける人もいないとい うことを知って馬鹿にしたようでした。

いろんな人が勝手なことを言って、仕事はいくらつらくても耐えられますが... 体はともかく、心理的なつらさは本当に我慢できず、苦痛でした」

被害者はセクハラ事件が重なり、病院に入院したりもした。吐いて、消化も 悪くなって寝られなかった。病院に行くとストレスで肝数値が919まで上がり、 B型肝炎なのですぐ入院しろといわれた。

日常的にセクハラされ、今は懲戒解雇された被害者はまだ話す。「最近も眠れ ません。夜に目が覚めて、食欲もなくて...」(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-07 15:31:54 / Last modified on 2010-10-07 15:34:46 Copyright: Default

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