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北核武装、「『避けられない選択』で『核抑制力』発揮する」

民族・統一運動陣営はすべて 「北朝鮮の核武装は、米国の対北朝鮮圧殺政策の必然的帰結」

キムサムグォン記者 quanny@jinbo.net / 2006年10月13日12時24分

北の核実験による余波が韓半島を強打している12日、民衆連帯と統一連帯の主 催で北核実験政局を診断する討論会が開かれた。「北朝鮮の核実験政局と進歩 陣営の対応」という主題の下で開かれたこの日の討論会には、パクキョンスン 進歩運動研究所常任研究員、ソンヒョンソク・ソウル地域青年団体協議会議長、 ハンヒョンス統一連帯政策委員長など、ほとんどの民族・統一運動陣営に属す る人物が参加し、現状況への解釈と展望を出した。

しかし、この日の参席者たちは、現状況についての認識で大きな差を見せるこ とはなかった。参席者ほとんどは、北の核武装を米国の対北朝鮮圧迫政策の反 作用としての核抑止力、自衛的次元で認めるべきだという、いわゆる核容認論 の立場を表明した。また交渉カードとして、今回の北核実験の戦略的な有用性 を強調した。

進歩運動研究所、「北、核武装で米国の核戦争の威嚇から完全に脱した」

問題提起をしたパクキョンスン常任研究員は、北朝鮮の核実験を「核先制攻撃 戦略を打ち出した米国の北朝鮮圧殺政策の必然的な帰結」と説明した。彼は 「ブッシュ政権は、クリントンの時期に合意した米朝共同コミュニケを白紙化 したばかりか、北朝鮮を悪の枢軸と規定し、北朝鮮への軍事的な圧力を拡大強 化してきた」とし「米国が軍事的圧殺政策を強化したことで、北は自らの生存 戦略としての核武装化の道を歩まざるを得なかった。それが今回の核実験事態 にまで発展した」と分析した。冷戦体制の解体後に、米国は核兵器を持ち出し て北朝鮮体制の崩壊戦略を維持してきた。それに対する北朝鮮の避けられない 選択が核武装だったとパクキョンスン常任研究員は主張する。

パクキョンスン常任研究員は続いて「(核武装により)北朝鮮は米国の核の先制 攻撃を抑制する最も強力な核抑止力を備えた」とし、「それは米国の核戦争の 威嚇から完全に脱するという意味がある」と、今回の北朝鮮の核実験が米国と の対決の構図の下で持つ政治軍事的な意味を指摘した。彼は「在来式の攻撃の 威嚇は残っているものの、歴史的に核武装国家の間で戦争が起きたことはなかっ た」とし「在来式の戦争は常に核戦争で発展する可能性があるため、どちらも 下手に戦争を選択できない」と主張した。

続いて彼は、北の核武装により「軍事的な力による米国の対北朝鮮敵対政策も その力を失い、北米平和共存の段階に入らざるをえなくなる」とし、「こうし た戦略が米国の寛大な心と譲歩による北米平和共存ではなく、自らの力により 争奪する北米平和共存戦略だ」と評価した。一方、パクキョンスン常任研究員 は今後の展望について「当分はアメリカが北朝鮮への軍事攻撃はできない」と し「しかし、政治的な対決が激しくなれば、物理的な衝突につながる。これは 局地戦から全面戦争に広がるかもしれない」という憂慮を付け加えた。

民主労総、「いいかげんな所に座って『核は無条件に持ってはならない』というな」

討論者として参加した金ヨンジェ民主労総統一局長は、パクキョンスン常任研 究員の問題提起に対して全般的に同意する意向を明らかにした後、「ブッシュ が一方的な暴力的先制攻撃を行っていることを見て、北朝鮮が核で最小限の自 衛力を備えなくてはならないということが残念」と話した。

一方、金ヨンジェ統一局長は原則的な平和主義の立場からの北の核武装を批判 する立場に対して「いいかげんな所に座って『核は無条件持ってはならない』 というのは無責任だ」とし、「(北核武装)は歴史的な流れと文脈から、当然だ と言える」と語った。

統一連帯、「北の核保有は『一時的核保有』、非核化すればいつでも核放棄する」

ハンヒョンス統一連帯政策委員長は、進歩陣営内部での北の核武装をめぐる立 場の違いが存在するという点を指摘し、北の核保有は「一時的な核保有」と規 定した。非核化という理想には同意するが、アメリカの覇権政策と対決してい る北朝鮮の現実的な条件を認めてるべきだとハンヒョンス政策委員長は指摘する。

彼は「北朝鮮も、韓半島が完全な非核化すれば、いつでも核を放棄すると繰り 返しも言っている」とし、「軍縮や非核化が平和を大切にするものだとすれば、 強大国の武器増強と弱小国が自衛的次元で行う武装が同じ軍事的な拡張だと考 えることは妥当ではない」と語った。

続いてハンヒョンス政策委員長は、今回の北朝鮮の核実験が呼び起こす効果に ついて「米国の核独占体系は威嚇に直面することになり、米国も北朝鮮の軍事 的実体が対内外的に確認されており、下手に先制攻撃はできないだろう」と見 通した。

社会進歩連帯、「北の核武装容認は、反戦平和運動の大衆的基礎を失いかねない」

この日、ほとんどの討論会の参席者がやむをえない選択肢としての核実験とそ の戦略的有用性を強調したが、社会進歩連帯のリュジュヒョン活動家は「南韓 の社会運動が北朝鮮の核武装を避けられない選択として米帝国主義に対する軍 事的・外交的勝利だと考えれば、非核原則に反するばかりか反戦平和運動の大 衆的な土台も失いかねない」と憂慮し、非核原則を堅持した。

彼はまた、今回の北の核実験が北米対決構図の下で、米国の変化を引き出す契 機になるかもしれないという戦略的な有用論に対しても懐疑的な立場を示した。 リュジュヒョン活動家は「米国の北朝鮮無視戦略は、北朝鮮との交渉が『核の 脅しとそれによる搾取』という悪循環を造成しただけだという反省の下で提出 された。今後も『核を放棄しなければ交渉はない』というブッシュ政権の立場 は、これまでさまざまな経路を通して繰り返し確認された」とし「現在の対決 局面が米国の敗北、つまり一括妥結を前提にした両者間交渉に帰着する可能性 は極めて薄い」と分析した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-10-18 10:13:02 / Last modified on 2006-10-18 10:13:05 Copyright: Default

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