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韓国:龍山惨事と人間の尊厳 | ||||||
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ペンを置き明日の闘争にたつ時[月刊サラム]龍山惨事と人間の尊厳-パク・レグン共同執行委員長
パク・レグン(人権活動家)/ 2009年03月05日17時06分
検察は、パク・レグン氾国民対策委共同執行委員長に集示法違反などの疑いで 事前拘束令状を請求した。この40日間、汎国民運動本部を率いてきただけに、 正当性と関係なく実定法を破って拘束令状が請求されたのため、拘束される可 能性が高い。パク・レグン共同執行委員長は、逮捕と拘束を前に整理すること らが多いと「月刊サラム-人が人に」に心境を明らかにする文を残した。パク・ レグン共同執行委員長は、上の子の誕生日サムギョプサルを食べると約束した のに守れずにすまないと思いながら、二人の娘がお父さんが行く道を理解して ほしいと書いた。そして何よりも撤去民の遺族たちに、氾国民対策委共同執行 委員長として事態を解決できないことについて許しを請うた。民衆言論チャム セサン紙面に転載-[編集者] 今年の2月も終わろうとしています。今日が2月26日ですから2月もあと二日しか 残っていません。今日は一日中とても不安な状況の中で過ごさなければなりま せんでした。逮捕令状が請求されたという知らせが聞こえてきて、どこかに身 を隠したりもし、ヨンイン・トンジゴル修練院で開かれている人権活動家大会 にも行けませんでした。全国から駆け付けた人権活動家と会い、あいさつをし てこれからの仕事について酒一杯飲みながら、話し合いたいという小さな希望 さえ放棄しなければなりませんでした。 結局、少し前に最終的に確認されたのは、私ではなく龍山氾国民対策委(龍山惨 事に対応するために諸市民社会団体で構成された『李明博政権龍山撤去民殺人 鎮圧汎国民対策委員会』の略称。私は龍山氾国民対策委の共同執行委員長をし ています)の他の人二人に令状が請求されたという内容でした。私と他の人々に は、汎国民追慕大会が予定されている2月28日の後に逮捕令状を請求するそうで す。だからこれから何日か後に私は龍山氾国民対策委の活動に関連して逮捕さ れ、拘束される状況になるかも知れません。デモ現場で逮捕されなければ手配 されるでしょう。私は、拘束や手配は恐ろしくなく、覚悟もできていますが、 一緒に整理すべきことが多いのにそれが出来ないことが残念です。 私が身を置く人権運動サランバンの事務室も、できてから時間だたっていて机 でも整理しなければならないのに、その機会はなさそうですね。子供たちとの 約束を守るのも難しそうです。この前、上の子供の誕生日でしたが、その子が 誕生日の贈り物の代わりにお父さんと一緒にサムギョプサルを食べたいという 小さな約束まで守るのが難しくなってしまいました。上の子はサムギョプサル より家に帰れないお父さんと短い時間でも一緒にいたくて、そんなアイディア を出しました。高校、中学2年になる二人の娘たちが毅然とお父さんが行く道を 受け止めてほしいと思います。お父さんが拘束されるのは今回が初めてではな いので、ちゃんと我慢できると信じながらも、一方では心配になります。 一つも解決出来ない龍山惨事 だがこんな事よりも、一番先に目にありありと浮かぶのは、順天郷病院霊安室 に残っている五つの撤去民遺族たちです。さる2月20日、龍山惨事現場では1か 月をむかえ、キャンドル追慕祭が開かれました。私はその場で遺族に許しを乞 いました。とても寒く、ちゃんと言葉が出ませんでしたが、本当に申し訳ない という言葉をぜひ言いたかったのです。 この1か月の間、李明博政権はなくなった方々前に一言の謝罪もしませんでした。 大規模な検察の捜査本部を構成し、20日間捜査した結果は、撤去民が集団で共 謀し、火炎瓶を投げ、火災が発生し、それによって一人の特攻隊員が死に、数 人が怪我をしたというのです。5人もの撤去民を死に追いやった警察の鎮圧作戦 は、正当な公務執行だったとさえいうのです。加害者と被害者がひっくりかえっ たこの捜査結果を氾国民対策委は防げませんでした。生きるために、用役チン ピラの暴力を避けて最後の交渉のために櫓に上がった撤去民は、結局は自爆し たテロ集団と罵倒されました。櫓から最後に脱出したイ・ソンス烈士などがな ぜ残酷に火に焼かれて死んだのかについては何の釈明も説明もないその捜査結 果を見て、遺族はどれほど泣かなければならなかったでしょうか。愛する夫、 そしてお父さんたちを一日で失った遺族にこの政権が見せたのは、始終一貫、 亡くなった方と残った人々を冒とくし、苦しませることでした。 遺族たちは尋ねました。なぜ人がその中にいるのに無理に鎮圧作戦を敢行した のかと、櫓を作って上がった撤去民が屋上で家族に頭の上にハートサインをし てみせたのに、彼らが自分で火事をおこして命を絶ったというのですから、そ して夫とお父さんの生死も確認できないまま、急いで強制解剖検査した理由に ついて、死体確認も拒否した理由について、焼け死んだという人々のからだか ら出たあまりにも生き生きした身元確認できる遺留品について、そして用役チ ンピラが警察と合同作戦をしたことについて、サムスンとデリムと浦項製鉄の 施工業者と整備業者と撤去用役業者と区庁と結ぶ非常識な癒着関係について説 明しろと叫んで要求したのに、返ってきたのは無視と蔑視と罵倒だけでした。 五人の遺影が並んで祭られた焼香室に今では追慕行列もまばらです。毎日清渓 広場近隣で開かれるキャンドル追慕に来る人も百人を越えません。毎回汎国民 追慕大会は警察の源泉封鎖の中で開かれ、ついに2月21日には遺族が暴行され、 遺影がめちゃめちゃになりました。心は焦るばかりですが、こんなことでは国 民の脳裏には龍山事件が多くの事件の一つとしか思われなくなると考えると恐 ろしいです。金寿煥枢機卿がなくなった時は数十万人の市民が何キロも列を作っ て追慕したのに、ここは五人も死に、病院には負傷された人がいて、イ・チュ ンヨン龍山4地区撤対委委員長は亡くなったお父さんの霊前にも行けずに負傷し た体で拘束されているのに、次第に人々の関心から遠ざかるようです。また龍 山4地区で用役チンピラは、美術家が惨事現場に掲げた絵を警察の保護の下で撤 去して、撤去民たちを暴行しています。人が6人も死んだのに何も変わらないま ま、撤去と再開発をやり直そうとしています。さらに、ソウル市は漢江ルネサ ンスという名前の再開発事業に速度を付けています。 ハンナラ党の国会議員という者どもは、籠城撤去民をアルカイダのようなテロ 集団と悪口を吐き出します。惨事事件の背景になった再開発に関連する法と制 度と計画と莫大な利益を持っていく建設資本とそれと癒着した政治集団はその 後に隠れています。きっと政治的判断で警察特攻隊も前に立てて強制鎮圧を決 めた人々は、まだ徹底して区分されています。軍浦連続殺人事件で龍山惨事を 隠せという大統領府報道指針事件もあいまいに過ぎ去ってしまいました。単に キム・ソッキ警察庁長官内定者が辞任して、大統領府行政官一人が辞職したこ とで終わらせられないこの事件は、今日の韓国社会、この国の人権と民主主義 の現実を圧縮して見せます。これよりさらに克明に、李明博政権の反人権性、 反民主性を示す時代の断面のような事件がどこにあるでしょうか。 暴力で排除される貧しい人々 龍山撤去民殺人は、さまざまな面で暴力の構造をそのまま見せています。李明 博大統領の言及の中には、撤去民が残念なことに生命を失ったという認識は見 つかりません。自分の消耗品である『警察一人が死んだ』事実と自分の手足の ように動くキム・ソッキ内定者の辞任が残念なだけです。もし大統領が撤去民 の生命も警察の生命のように大切に思っていれば、本当に人間は尊い存在だと 思ったとすれば、あんな鎮圧が行なわれることもなかったでしょう。もし警察 が撤去民の生命を考えて鎮圧作戦をしていたなら、あんなに急いで無理な鎮圧 作戦もしなかったでしょうし、安全マットも準備したでしょうし、少なくとも 1次発火後には鎮圧作戦を中断したでしょう。さらに、撤去民の死んだ後も彼ら を尊い人間と思っていれば、とても丁重に遺体を扱ったでしょうし、負傷者を 処理したでしょうし、遺族の胸に太い釘を打ち込むこともはなかったでしょう。 結局、今回の事件は撤去民と同じ民衆を尊い人間と思わない、差別的な認識が 深くあります。李明博大統領は、建設会社社長出身です。今でも一年に何百人 も死んでいますが、前はどだったでしょうか。工期を短縮するためには徹夜の 工事を日常茶飯事のようにしていた時に、何人も労働者が死んでいくことにこ だわるのは金がかかるだけだという認識が根が深くあったのかも知れません。 そのためかどうか、彼は撤去民らが死んだという事実よりも、法と秩序のため には仕方がないという認識を全的に現わしています。 それで、徹底して政治権力の侍女役をすると約束した警察が出て、恐らく政権 の危機状況を大規模な検察の捜査で逃げる捜査の意図があったのではないでしょ うか。捜査もしないうちに下された結論で検察は捜査に着手し、その結論のと おりに行きました。マスコミが吐き出した多くの疑惑は徹底して隠されてしま いました。それで疑惑、隠蔽捜査、不公正捜査と評価されました。このような 国家によるとんでもない暴力が今回の事件の本質でしょう。それでも一部では、 はなはだしくは進歩陣営の一部でも、権力の暴力論をそのまま受け入れている ようです。不法だから、暴力だから、この事件と距離をおかなければならない という両非論的な見解が現在、龍山惨事の真相究明と責任者処罰、再発防止策 の要求にすぐ対応しない原因を提供しています。 権力と保守言論が広げてた暴力フレームは、事実上、今回の事件だけではあり ません。警察の暴力と検察力を動員した暴力、そしてそれを承認する法院の判 決で暴力に追いやられるのは、生存権をはじめとする正当な権利を要求する貧 しい国民です。言語と構造的な暴力で、貧しい人々を強制的に排除することが 日常化する状況で、貧しい人々が選んだ小さな暴力は、即座に体制を転覆する ほどのテロと規定されたりします。まるでイスラエルとハマスの暴力を同等に 扱い、だから両方とも問題だと批判するのと似た暴力フレーム、結局、このフ レームは構造的な暴力が見えなくなるないように防いでいます。 こうした構造的暴力は事実上、この事件の本質を隠すことにも徹底して利用さ れます。龍山4地区を含む国際ビル一帯の開発で、建設施工企業等が得る開発利 益はおよそ4兆ウォン台だと推定されます。再開発地域のすべての金は建設施工 企業から払われます。整備業者だの、撤去用役業者だのというものは、施工企 業の徹底した手下でしかありません。行政機関は当然癒着するほかはありませ ん。再開発地域から政界に流れる秘密資金が作られるのは、あるいは最も容易 なことだからでしょう。今の再開発事業はこれよりさらに複雑な伏魔殿の構造 をしています。そう考えると、撤去民を対象にきちんとした補償交渉をするの ではなく、強制的に追い出すことに血眼になり、組織暴力団が動員されたりし ます。そのようにして動員された組織暴力団を相手にする撤去民の立場として は、恐怖の毎日を過ごしても、じっと我慢することで少しでも補償を多く受け 取ることができます。ところが入居者たちにはこうした過程がさらに苦しいも のです。入居者たちはほとんど無一文の乞食として追い出されるので、闘うほ かはありません。全撤連の撤対委に所属する会員たちには、意外に老人層が多 いという事実は黙過できません。イ・サンニム氏は今70の老人でしたし、順天 郷病院で徹夜でパトロールする全撤連会員の中にも60を越える老人を発見する ことは簡単です。 ですから龍山4地区で開発資本と暴力団と、恐らくそれを裏付ける政治勢力だけ が利益をあげる開発を中断することが急がれます。暴力もなく、地域民の意思 が反映される再開発計画が立てられ、彼らが再定着できる再開発が行われるよ うにしなければなりません。そのためには暴力用役が退かなければならず、警 察は公正な法執行者の位置に戻らなければなりません。市庁と区庁も積極的に この地域での対立と排除のモデルの再開発のモデルを共生のモデルになるよう に、今の計画と日程をすべて全面的に再検討しなければなりません。そうすれ ば、六人が死に、多くの人々が苦しんだ代償になるでしょう。国会は再開発に 関する法制を全面的に再検討し、政府は現行のニュータウン、再開発事業が人 間を中心に、国民の住居権を保障する方向にするために知恵をあわせなければ なりません。そうせずにただ龍山4地区でも、そのまま再開発が施行されれば、 対立が再燃し、暴力が乱舞するでしょうし、多くの人々が苦しむことになるの です。龍山惨事の解決なしで再開発事業は進行できません。 しかし李明博政権ではこんなことは可能ではないということが、この1年間、あ まりにも明らかに確認されたので、国民は抵抗権を発動しても李明博大統領を 権力の座から引きおろそうとしています。それば、私の身辺が脅かされること になったのでしょう。 もう、文を終わらせ、明日の闘争を準備しに行く時です。今年の上半期、多く のことがあるでしょう。揺れ動く情勢で龍山惨事問題が埋まらないよう力を集 めて下さい。貧しい人々を構造的な暴力から強制的に排除するようなことを取 り払って人間の尊厳を回復するためには、龍山惨事が忘れられることなく、常 に新しく記憶されなければなりません。私たちの人間的な安寧は、私たちが守 らなければなりません。 遺族たちが孤独でなく、亡くなった方の死が無駄にならないように、彼らとの 連帯を真剣に実現すべき時です。そんなことに、いつでもどこにいても、常に 一緒に暮します。ではこれくらいにして文を終わります。 水原で編集人パク・レグン 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-03-08 04:20:02 / Last modified on 2009-03-08 04:20:03 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |