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水原出入国管理所、不法連行・移住労働者基本権弾圧

令状なく罵倒、暴力、手錠使用以外に 外注使用の疑い濃く

移住労働者放送局 http://migrantsinkorea.net/ / 2006年08月28日10時58分

軍浦市YTモールドテック工場(写真:トムボルスバ)

8月26日午後1時頃、2人の出入国職員と6人の外注職員が軍浦市にあるYTモール ドテック工場に摘発班として投入された。工場では、女性労働者2人(ネパール 1人、ベトナム1人)と男性労働者3人(バングラデシュ3人、フィリピン1人)が拘 束された。バングラデシュの労働者2人は移住労組の組合員でもある。現場の 職員の話によれば、昼食中に出入国職員たちが押しかけ、捜索をしたという。 移住労働者を支援する団体と移住労働者労働組合が到着した時には、すでに帰っ た後だった。一時の修羅場が過ぎた後、うつろな射出機械の音だけが響いてい た。工場で働いているイ某次長は「どうしてこんなに遅れたのか? 移住労働者 たちはすでに全員拘束された」とし「私たちも最善を尽くして不当な取り締ま りにあわないようにしたが効果がなかった」と打ち明けた。

「静かにしろ、この野郎!」

水原出入国管理所は、無断で工場に侵入し、移住労働者たちを捕虜を虐待する ように手錠で一列につなぎ蹴ったという。摘発の過程で「静かにしろ、この野 郎!」といった暴言と暴行が続いた。移住労働者たちの人権を考えるために改 正された出入国管理法では、摘発時には令状を提示することになっている。だ が、まだ多くの出入国管理所では摘発時に令状を提示していない。その上、無 断侵入は法的にも不法だが、食事時間、休み時間などの暇を狙って誰にも知ら れないように入り、移住労働者たちを捕まえて行く。この日の摘発も不法に工 場に侵入したばかりか、水原出入国管理所は公務執行妨害だと言って警官を呼 んだ。摘発バスではない一般のワゴン車で摘発を実施した出入国管理所に対し、 工場の職員と社長が必死に防いだが効果がなかった。事実上、警官との合同摘 発と違わないこの日の摘発も、身体的、言語的暴力が乱舞する「不法」連行だっ た。

拘束された移住労働者を急いで華城保護所に移送するワゴン車のそばで移住労組活動家が抗議している。(写真:トムボルスバ)

外注職は未登録移住労働者を力で制圧するために連れてきた

移住労組とその他の団体は、工場から直ちに水原出入国管理所に向かった。連 行されるような罪としては滞留期間を破った罪、それまで最も劣悪な工場で熱 心に働いてきた罪しかない移住労働者に、出入国管理所の前でまた手錠をかけ て車に乗せた。工場の職員と摘発の知らせを聞いて駆け付けた民主労総軍浦地 区協は、身分証を提示すると言って抗議し、2人だけが出入国職員であること を確認、残りの6人にも見せるように言ったが最後まで隠して見せなかった。 移住労組は、出入国職員に対してなぜ罪人でもないのに手錠をかけるのかと抗 議し、出入国職員は写真を撮るなと手で撮影を拒んだ。出入国職員ではない外 注職を派遣したことについては「労働部が派遣した職員」とし、絶対に外注職 は使っていないと言い逃れた。事実上、出入国で働いていない職員に出入国業 務をさせたのは、不法派遣の問題だけでなく、摘発される移住労働者を力で制 圧するために投入するものでしかなかった。

華城保護所に移送される移住労働者たちの手首に手錠がかけられている。(写真:トムボルスバ)

出入国管理所、「原則的な話はする必要がない!」

社会の最下層に属する移住労働者たちは、平均10時間以上の労働で最低賃金を 支払われて暮す。移住労働者たちは、ほとんどの製造業者の工場で働いている ため、熟練した移住労働者の存在はこの社会には欠かせない。難しい工程が必 要な零細工場では移住労働者を必要としているのに、社会は移住労働者を追い 出そうとしてばかりいる。これについて出入国は「それは原則的な話だ。率直 に言えば、私たちも摘発は面倒だ。だが不法滞留申告があれば私たちもどうし ようもないだろう?」と言う。出入国管理所は、不法滞留を申告する大韓民国 の国民の権利は擁護しても、最低賃金の工場労働者たちが皮膚の色が違うとい う理由だけで追放されることには支持一色だ。これは、出入国管理所が人間な ら基本的に守られるべき原論と原則、最も低い場所で血の汗を流して働く人々 の立場さえ否定することを示す。彼らが持つ原則は、未登録移住労働者を量産 しつつ、一抹の権利も保障しない社会の支配勢力が容認する原則だ。

水原出入国抗議面談をしている移住労組活動家(右側が出入国管理所担当、写真:トムボルスバ)

抗議面談を進行

移住労働者労働組合は、当時摘発を実施した職員に対する人的事項および被摘 発者に対する徹底した人権保護を要請した。また、正体不明の外注職を動員し た不法連行に公式な謝罪を要請し、現場の職員に確認した身体、言語的な暴行 の事実を一つ一つ暴露するつもりだといった。これについて出入国管理所は、 摘発班員の人的事項は公式の要請があれば公開する、身体言語的な暴行の事実 については徹底的に否定した。摘発班員は、口を開けば「上からの指示だから 仕方ない」といった答弁をならべて逃げるのが常であった。管理所の幹部職員 は、特有の高圧的な姿勢でむしろ抗議面談を行う労組側に、生意気だと脅迫し た。

水原出入国管理所は「未登録移住労働者が働いている」という請願(!)が何度 か入ってきたため、やむを得ず何人かを捉えたと話したが、今日一日で取り締 まられた人員は約20人だった。令状も提示せず無断で侵入したばかりか、水準 以下の言語暴力、捕虜虐待のように手錠をかける慣行を堂々と行う水原出入国 管理所は、移住労働者の最低限の基本的権利さえ残忍に握りつぶしている。 (ソルファ記者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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