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現代重工報道、何をしても労組のせい

[ファクトを埋めるメディア批評]業界状況不振と低価格受注、放漫経営、国際石油価格下落まで重なった造船業危機

イ・ジョンホ蔚山ジャーナル編集局長(leejh67@hanmail.net) 2014.11.10 16:44

朝鮮日報が10月から現代重工関連の記事を数件吐き出している。 労組がストライキ投票に入った前後から記事の量も増え、 労組批判側に方向をはっきり変えた。

朝鮮日報は10月27日付4面全部を使い 「現代重最悪の実績の中でストライキを宣言... ドックの中で活気を失った作業場」という記事を書いた。 朝鮮日報は労使がまた協議にはいったが、特に得るものはなかったという内容と共に、 一部の労組員の口を借りて「会社が苦しいのに(労組が)とても長く無理な要求(をしている)」と書いた。 労組員の中にこう言う人はいるかもしれない。 しかし反対に親企業労組12年間、とても遅い賃上げで今年はきちんと賃上げをしなければと主張する人もいる。

朝鮮日報の労組強迫はこれで終わらない。 朝鮮日報はこの日、関連記事に韓国労働生産性が低いのも労組のせいで、特に造船業では中国の急成長により競争力が失われていると書いた。 この日の朝鮮日報は、記事に付けられた写真には物量がなく、空の作業場に放置された造船ヤードを載せた。 現代重工海洋プラント側は、押しよせる物量があふれ、近くの宿泊所では部屋を見つけられない程、下請労働者が集まっているのにこれは無視した。

四日後、朝鮮日報は10月31日付の経済セクション1面に「現代重2兆の赤字、最悪の秋」という題名の記事をやはり同じ記者の名前でのせた。 朝鮮日報の記事は現代重工2兆の赤字の原因を「工事損失引当金と工程の遅延による費用の急増」と分析した。 さらに具体的には「建造経験が不足した特殊船舶や、高難度船舶の作業日数増加により、 工事損失引当金が4642億ウンに達するなどで合計1兆1459億ウォンの営業損失が出た」と報道した。

特殊船舶と難易度が高い船舶を受注し、工期遅延による高額の損失引当金を支払ったため損失が雪だるまのように増えたという指摘だ。 ところがこの記事の終わりにも東部証券のある研究員の口を借りて 「労組がストライキに突入すれば、また現代重工が危機に陥りかねない」とした。

大規模な赤字の原因が役員陣の誤った船舶受注にあるのに、これに対する問題提起や代案は出さず、 突然「労組はストライキに突入するな」というおかしな結論で記事を締めくくった。

朝鮮日報11月3日付の経済セクション3面の報道はさらにあきれる。 この記事は「わが国の造船重工業が史上最悪の不振の中にある」で始まる。 記事は不振の原因を業界の不振、低価格受注競争、放漫経営、国際原油価格下落をあげた。 それから不振の現象を事例で紹介し、結論部では 「現代重工労組は去る31日に争議対策委員会を開き(中略)部分ストを決定した」と報道した後、 労組に対して「目の前の現実として近付いてくる危機状況を努めて無視した結果が後でどうなるのか心配だ」と締めくくった。

赤字の原因のうち、続く世界的な業界の不振と石油価格の下落はやむをえないとしても、低価格受注競争と放漫経営は現代重工の経営における意志決定権者が責任を取るべき部分だ。 特に放漫経営は具体的な事例を紹介し、代案を提示しなければならない。 赤字の原因解消のために何の取材もせず、頑なに「労組はストライキをするな」という結論に突き進む。 こんなひどい記事があるだろうか。 最低の因果関係ぐらいは設定しなければならないのではないか。

朝鮮日報はこれに止まらず、11月6日付の産業1部長のデスク・コラムで放漫経営の代名詞になったモニュエルと現代重工を比較する。 このコラムも「建造経験が不足した特殊船舶と高難度船舶を受注」したことが現代重工不良の原因だと正しく指摘する。 それなのに「こうした渦中で労組がストライキを決議した」と労組の非難で結論を出す。

原因がはっきりすれば、その原因を解決しなければ問題が解けない。 労組がストライキをしなければ現代重工の赤字問題が解決するのではない。 ただ「労組が憎い」と書けば良いのに、なぜ冗長に現代重工経営不振の原因を並べるのかわからない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-11-11 10:32:47 / Last modified on 2014-11-11 10:32:48 Copyright: Default

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