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「PD手帳」謝罪放送..背信...悲しくてみじめだ

[インタビュー]MBC労組パク・ソンジェ委員長

ユ・ヨンジュ記者 www.yyjoo.net / 2008年08月13日18時55分

8月12日夜10時40分。MBCはニュースデスクの後、『PD手帳』謝罪放送をした。 謝罪放送を阻止するために2階と5階に集まっていた組合員は虚脱感に陥った。

▲出処/mbc放送キャプチャー

労組は放送直後に『卑怯なオム社長は首長の資格がない』という声明を発表し た。前代未聞の送出だという。

MBC経営陣は抜け道を使い謝罪放送をした。労組は2階の主調整室と5階のニュー スセンター前に組合員を配置して謝罪放送のテープを渡させないようにする方 針だった。これを看破したMBC経営陣は、子会社の「MBCプラス」を通じて謝罪 放送を送信した。

一日たった今日(8月13日)午前11時頃、MBC労組のパク・ソンジェ委員長を訪ねた。

▲パク・ソンジェMBC労組委員長

「オム社長が拡大幹部会議で発表したことを9時のニュースで放送してくれと言っ た。もうすべてのマスコミが知っている状況で、それは送信するが組合員が反 対して座り込みをしているという事実も一緒に放送することにした。ニュース では謝罪放送をしないことにした。ところがニュースが終わるとすぐ謝罪放送 が送信された。主調整室の指揮者が幹部だからそうなったのだろう。」

パク・ソンジェ委員長はこれに付け加えて、主調整室の幹部の責任を問うので はなく、経営陣と抜け道を使った幹部の責任を問うという。また今回の事例が 編成規定に違反するのかも調べるという。社規違反が重要だというのではない が、それほど経営陣の決定と行動が幼稚で、同時に悲しくてみじめに感じるか らだという。

「全国メイン放送でこんなことはなかった。以前、いんちき宗教団体が乱入し、 主調整室を占拠したことがあったが、その時は急いて南山から『動物の王国』 のような番組を送信した。そんな非常な状況でもなければ、今回のような送出 はなかった。こんな幼稚なことをしてまで謝罪放送をした経営陣の決定が悲し く、みじめだということだ。何が彼らを卑怯にさせたのか。結局、李明博政権 の圧力に屈服するほかはなかったようだ。」

一部に主調整室を占拠しても防げという話もあったが?

「そんな意見もなかったわけではない。だが完全に防ぐには、主調整室内部を 占拠して機械を掌握しなければならないが、それは事実最終的な限度を越える。 放送局の、公営放送社の主調整室には大きな意味がある。クーデターが起きれ ば軍人がきて占拠するような... 私たちの手で送信室を、オリンピック中継が 行われている状況でそうするのは、視聴者に対する道理ではないと判断した。 スタジオの外でテープを効果的に防げばいいと思った... 虚を突かれた。」

経営陣が放送通信委通知を受け入れた背景や契機、時点などを聞いた。パク・ソンジェ委員長は、7日に開かれた役員ワークショップで大まかな方向を定めたようだと答えた。

「8月7日に役員たちが市内の某ホテルでワークショップを行った。社内のさま ざまな懸案を議論した。そこで『PD手帳』についても議論したと見られ、大ま かな方針が立てられたようだ。結局、社長が全てを決めるかのように話したし、 その場で相当数の役員が受けるべきことは受けなければならない、妥協しなけ ればならないという意見を表明したと理解する。」

パク・ソンジェ委員長は、オム・ギヨン社長を信じていたが背信され、経営陣はまぬけな判断をしたと眉をひそめた。

「オム・ギヨン社長は最後まで良心を守ると信じていた。そうしてくれと要請 し続け、労組はかなり前から意見を表明してきた。構成員たちも視聴者を裏切 らないでくれと言ってきた。確答を避けたが結局経営陣が旗色を表わしたのだ。 経営陣がまともに判断ができないのだろう。何が会社のためなのか。まぬけな ことだ。」

オム・ギヨン社長は8月12日午後5時の拡大幹部会議で、「MBCの未来を総体的に判断し、放送通信委の制裁を大乗的に受け入れることにした」と話した。パク・ソンジェ委員長はこの大きな課題をKBSと比較して話を続けた。

「KBSのチョン・ヨンジュ社長が最後まで地位を守ろうとしたのは、個人が地位 を守ろうとしたのではないと皆が理解している。KBSが色々な弾圧を受けながら、 長期的に社長がそんな決定を下すのは良い先例だというが、オム・ギヨン社長 と経営陣は正反対の姿勢を見せた。『PD手帳』はこれから政権の絶え間ない圧 力を受けることになる時事批判番組にどう対処するのか、その基準になる点だっ たが、そのように遠くを見通すことができず今年一年、MBCが苦しくならないだ ろうか、いじめられないだろうか、そんな憂慮が先んじたのだろう。」

パク・ソンジェ委員長は今回の謝罪放送が招く番組製作の『萎縮』を心配する表情だった。MBCの未来を本当に心配しているのなら、逆の決定がされなければならなかったという。チョ・ヌンヒCPとソン・イルジュンPDは職務を解かれ、ソン・イルジュンPDはMC資格が剥奪された。ただ、後任にキム・ファンギュンPDが選ばれたことは安心しているような姿だった。

「辞令が出て、職務解任と後任者が指名された。後任はキムファンギュン前PD 協会長なので、番組自体は影響を受けだろう。経営陣が謝罪放送による後続措 置としてのアクションを取ってくれたのではないかと思う。オム・ギヨン社長 が社内情緒を考えざるをえなかっただろうし、労使協議の過程でもPD手帳が間 違っているとは思わないと言っていた。一部にミスがあったが、すでに訂正し ている。ところがそれで全体を責めるのは、また殴ることだ。」

オム・ギヨン社長は昨日の幹部拡大会議で「PD手帳に対する多様な見解がありえるが、PD手帳の問題提起は結果として国民の健康と公共の利益に寄与したと評価する」と話し、PD手帳への価値判断を表明した。

一方、今日(8月13日)、検察は『PD手帳』押収捜索を検討するというニュースがあったが、パク・ソンジェ委員長はたいしたことでないと受け流した。

「(検察は)言論プレイをやっているようだ。PD手帳の公訴権維持が難しいと考 えていて、名誉毀損適用も議論だ。したがって『PD手帳』のPDが調査を拒否し ている状況で、起訴が不確かで、大統領府がサインをしてくれれば捜査を終わ らせたい心境であろう。そんな次元で、あれこれ話を流して、経営陣は謝罪放 送をすれば検察も捜査を中断するのではないかと考えたようだがそれも誤った 判断だ。」

これまでMBC経営陣と労組の間には一定の信頼関係が維持されていたと伝えられている。パク・ソンジェ委員長は、しかし今回の謝罪放送で経営陣とはもはや一つの船に乗ることができなくなったと断言した。

「今年のはじめ、李明博大統領が当選した状況で、MBCの新社長が選ばれた。李 明博政権が某系列会社の社長を送ろうとした時に防いだ。オム・ギヨン社長に なったのだ。オム・ギヨン社長は、労組と構成員が政権の落下傘社長を防ぐ闘 争のおかげで誕生したのだ。オム・ギヨン社長と私が労使協約または公私の場 で、今年一年は圧力が予想されるので、労使が協力して上手くやっていこうと 約束したこともあり、互いによく助けあってきた。会社が進める改革案も拒否 しなかったし、組合員が不満を感じるようなこと、新入社員を減らそうという ことも労組が同意した。会社と摩擦を減らして合理的な代案を見つける健康な 労使関係を維持してきたと思ったのだが...」

パク・ソンジェ委員長は前日の謝罪放送事態を思い出しながら話を続けた。

「最も重要だと考えた今回の問題をめぐり、経営陣が裏切ったので、すべての 信頼が破綻した。その責任はオム・ギヨン社長と経営陣にあるとはっきり言う。」

▲MBC組合員が謝罪放送テープを阻止するために座り込みをしている。出処/ MBC労組

YTNのク・ボノン社長人事、KBSチョン・ヨンジュ社長解任に続き、MBCのPD手帳謝罪放送で公営放送の危機を心配する声が多い。今回の経営陣の判断は、MBCの民営化の流れとも関連があると見るべきか? パク・ソンジェ委員長は慎重に話を続けた。MBCの民営化がそんなに簡単な問題ではないと話した。

「もちろんMBCが頭を下げても、言論掌握の陰謀を受け入れる勢力ではない。す でに放送法施行令改正案があり、国会が開かれれば新聞に放送を与える新聞法 改正も進められるだろうが、その時が最も強く戦う時点ではないだろうか。 MBCの民営化もそれと絡む。」

パク・ソンジェ委員長は、ハンナラ党議員やシン・ジェミンなどMBC民営化を語る人々がいるが、大統領府の人が公式に立場表明をしたことはないと話した。

「しかし容易ではないだろう。DJ政権も民営化しようとしたが、できなかった。 構成員の抵抗だけでなく、手続き的にも難点がある。何らの方法で正修奨学会 が持つ30%を解決できなければ大株主になり、その他に30%を1人に与えるとすれ ば財閥に与えることになるが、それでは財閥に売ったという批判を受けるので、 そんな非難を甘受してまで進めるのは容易でない。先週、ニューライトがMBC関 連で討論をした場でも、正修奨学会を買い入れる方法で国民株を語る状況で、 相当数の言論学者たちも賛同しないものと理解している。したくてたまらない が方法が不如意で、たやすくは行動に移せないだろう。」

腹を切って焼くというが、これから労組がどう対応するかを尋ねた。パク・ソンジェ委員長は『破綻』の責任を問い、オム・ギヨン社長に刃を突きつけると言いつつ、すぐ社長退陣運動やオム・ギヨン社長との戦いに突入はしないといった。外風を防ぐことのほうが重要だという認識だ。

「オム・ギヨン社長退陣運動について聞く人は多いが、去就を論じる段階では ない。今のように社長としての堂々たる姿を見せられなければ退陣運動の刀を 抜くだろうが、しっかりして政権との戦いで少なくとも外風を防ぐようにむち 打ち、批判し、引っ張っていけという世論が多い。予想される公権力侵奪、言 論関係法改正、放送掌握に対する言論政策の戦いのほうが大きいので、そこに 集中するつもりだ。」

▲MBC建物

パク・ソンジェ委員長は最近、労組の非常対策委への再編もこの戦いのためで、経営陣と戦うためではなかったと付け加えた。

続いてパク・ソンジェ委員長は、MBCよりもKBSのほうが切迫しているとし、西の方に視線を投げた。今日午後4時に理事会が予定されていて、李明博大統領の社長解任以後の後続社長人選を議論すると発表された。この渦中で謝罪放送の件で連帯しにきてくれというのは非常に心苦しいという話だ。

「言論市民団体たちは、MBCが危機の時は駆け付けてくれるだろうが、今回の謝 罪放送一つで、助けてくれるかというと、ちょっとどうか。経営陣の報復は重 要な問題だが、今はKBSのほうが急だ。KBS社長が落下傘になれば、KBS社員行動 が闘争を始めるだろう。KBS労組が共に行動するのか分裂するのか、変数はあ りそうだが、KBS社員行動の闘争にMBC労組も連帯して力を貸す。」

検察が『PD手帳』に令状を発行して押収捜索を敢行したら?

「どんな形でも、公権力が投入されれば私たちは防ぐ。公務執行妨害で執行部 を連行するようなことになれば、ストライキになるだろう。その時は、助けて ほしい。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-08-15 18:48:16 / Last modified on 2008-08-15 18:48:17 Copyright: Default

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