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ギリシャ総選挙D-2シリザ、「左派の時間が到来した」

シリザ政府とギリシャの未来は民衆の闘争にかかっている

チョン・ウニ記者 2015.01.23 20:55

ギリシャ執権新民党と第一野党シリザ(急進左派連合)が激しい接戦を繰り広げた総選挙の 選挙運動が終盤に近づいている。

シリザのアレクシス・ツィプラス党首は1月22日(現地時間)、アテネで数千人の支持者を集めて 「左派の時間が到来した」とし 「来る25日、われわれは歴史を書く」と気勢を上げた。 彼はまた有権者に「シリザに最初の機会をくれ」とし 「これはギリシャの最後の機会になるかもしれない」と訴えた。

▲アレクシス・ツィプラス シリザ党首演説現場[出処:@syrizagr]

選挙運動が終わるこの日のツィプラス党首の演説には、 支持率1位を守っているスペイン新生左派政党「ポデモス(われわれはできる)」のパブロ・イグレシアス代表と ベルント・リークシンガードイツ左翼党議長も参加し、 シリザに対する積極的な支持を表現した。

しかし新民党のアントニオ・サマラス総理は、 ギリシャは2010年に経済危機が始まった後に苦痛に直面しなければならなかったが、 新民党が執権した2年半の間、ギリシャ経済は改善したとして自分の成果を打ち出す一方 シリザが執権すればギリシャは奈落に落ちるという攻勢を浴びせている。

シリザ1位は既定事実、執権も可能か?

これまで政府与党はヨーロッパ連合脱退に関するグレグジットや、シャルリー・エブド事態の後には、 安保問題、ギリシャを排除したヨーロッパ中央銀行(ECB)の量的緩和など、 ヨーロッパの主要問題を押し出してシリザを攻撃してきたが、 シリザは相変らず1位を固守している。

1月23日、ギリシャの日刊紙トビマによれば、 シリザは各種世論調査で新民党より4.4-9.9%先行している。 シリザは総選挙で30-35%を、新民党は26-31%を得票すると展望されており、 昨年4月に創党した中道左派指向のトポタミ、ギリシャ共産党、社民主義の社会党、極右黄金の夜明け党が3位をめぐって競争している。

そのためシリザの1位は既定事実だ。 問題は、どの勢力も絶対多数を確保していないという点にある。 政権を取るためには約40%の得票が必要だ。 そのためシリザが1位になっても連立政権になることは避けられず、 場合によっては政府を構成できない可能性も存在する。 新民党も同じだ。 こうなると2012年のように、また総選挙をしなければならない状況に展開するほかはない。

ギリシャの現政権に参加している社民主義の社会党、そして当初、参加して脱退した民主左派党は、シリザとの連立政権に意志を見せている。 しかしシリザは緊縮に責任がある政党に対しては線を引いている。 シリザとしてはトポタミ、ギリシャ共産党とギリシャ反資本主義左派戦線(ANTARSIA)との連立政権を好む。 しかし成功の可能性はトポタミとの連立政権しかない。

このような状況で、総選挙の結果によってシリザはトポタミとの連立政府を構成する可能性が高い。 しかし現在多ければ19%と言われる浮動層の動きにより、 単独政府樹立の可能性、または今回もシリザ政府が座礁する可能性も無視できない状況だ。

国家負債問題とEU加入維持が争点

今回のギリシャ総選挙の最大の争点は、 国家負債とヨーロッパ連合からの脱退をめぐり展開している。

昨年9月15日、ギリシャのテッサロニキ国際会議で発表された「シリザ政府政策要綱」の骨子は、 ギリシャ負債多数帳消し、経済成長率による残りの負債支払い、従来の了解覚書の再協議、緊縮撤回および公共投資と社会保障拡大による福祉国家復元だ。 つまりシリザはヨーロッパ連合を基礎としてギリシャ政府の権限を回復しつつ、 負債を削減して緊縮を撤回し、経済を復興させようとする。 ヨーロッパ連合やユーロ圏からの脱退は、ギリシャの危機をむしろ拡大させるとし、 ヨーロッパ左派勢力との共同戦略を通じたヨーロッパ連合の改革を追求する。

しかし新民党はこうしたヨーロッパ連合内での改革を打ち出すシリザの抱負は、不可能なシナリオだと追い詰めている。 ヨーロッパ連合と海外の投資家は無視するはずで、そのためギリシャはさらに苦しくなるという主張だ。 新民党はその代わりに経済危機と緊縮で、これまでは苦しくても今年中に救済金融を卒業できるとし、 有権者に再度機会を求めて訴えている。

一方、伝統的にヨーロッパ連合からの脱退を主張してきたギリシャ共産党は、 この二政党は大きく見ればあまり違わないと批判している。 ユンゲヴェルトの21日の報道によれば、彼らはギリシャの負債は一般庶民が作ったものでもなく、庶民の利益にもならないとし、完全な撤廃を主張する。 またヨーロッパ連合は初期のマーストリヒト条約から加入国の予算規制措置で各国を統制してきたため、ギリシャの経済危機にもかかわらず緊縮を強行しなければならなかった。 しかしこれは独占企業の競争力と安い労働力政策のための一環でしかなかったとし、脱退を主張する。 ギリシャ共産党はこれと共に、緊縮の下で奪われた者の経済をどう復元するかが最も重要な問題だとし、 独占企業の社会化を主要政策に掲げている。

近付くシリザ政府とギリシャの未来、民衆の闘争にかかっている

結局、外部の債権団の攻勢、不安定な勢力を基盤とするシリザが、 果たしてどこまでできるのかは未知数で、 これは今後のギリシャの民衆運動にかかっているという展望だ。

シリザの左派プラットフォームの一つであるDEAのアントニス・ダバネロスは1月19日、 インターナショナルビューポイントに「一部ではシリザの政策はケインズ主義を再導入したものだという」とし 「だがギリシャ社会の展望で(シリザ浮上の)重要性は、緊縮は反転すべきだという政治的メッセージ」だとし 「シリザの政策は開かれていて、これは労働者たちの抵抗と闘争によって決定される」と明らかにした。

〈シリザ遊説現場、スペイン ポデモス党首が支持演説〉

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-01-24 18:25:09 / Last modified on 2015-03-22 18:37:56 Copyright: Default

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