![]() |
ウィシュマさん名古屋入管死亡事件裁判第19回 9.3裁判報告 | ||||||
Menu
おしらせ
■サブチャンネル ・映画祭報告(7/27) ・レイバーネットTV(7/9) ・あるくラジオ(6/14) ・川柳班(次回9/27) ・ブッククラブ(8/2) ・シネクラブ(7/6) ・ねりまの会(6/28) ・フィールドワーク(6.1報告) ・三多摩レイバー映画祭(5/25報告) ・夏期合宿(8月23-24日) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第104回(2025/8/15) ●〔週刊 本の発見〕第402回(2025/9/4) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2025/6/12) ●川柳「笑い茸」NO.161(2025/5/26) ●フランス発・グローバルニュースNO.19(2025/8/5) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第100回(2025/6/5) ●「美術館めぐり」第14回(2025/8/25) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・CLP・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信・Tansa・市民活動情報プラットフォーム
|
「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合・東海」&「エルクラノの会」の小野で す。 いつも、「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件」国家賠償裁判支援・傍聴やウィシュマ・ サンダマリさんのご遺族である原告の妹さん(ワヨミさん、ポールニマさん)への激励や ご支援、裁判支援、弁護団支援やカンパなど、ほんとうに有難うございます。 ◆ウィシュマさん名古屋入管死亡事件裁判第19回 9.3裁判報告(2025.9.4小野政美) (1)2021年3月に名古屋出入国在留管理局施設で収容中に死亡したスリランカ人女性ウ ィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟(名古屋地 方裁判所民事第10部「事件名 国家賠償請求事件 令和4年(ワ)第891号」)の第19回口頭弁論が3 日、名古屋地裁でおこなわれました。被告・国側は、当時の判断は「不合理ではなかった 」とするウィシュマさんの担当医の新美医師の「陳述書」を提出しました。大竹敬人裁判 長は、計 4人の証人尋問を実施すると決めました。 12月4日、12月11日、新美医師の証人尋問、12月24日、被告・国側の求める野村医師の証 人尋問、原告・遺族の求める今井医師の証人尋問、2026年1月1 4日、原告・遺族の求める下(しも)医師の証人尋問を名古屋地裁で実施することになり ました。 (2)原告(ウィシュマさんご遺族)と弁護団は、これまでの裁判で、ウィシュマさんを 診察した外部病院の医師の他、当時の名古屋入管局長、処遇担当統括、ウィシュマさんの 担当の看守、庁内内科等医、庁内整形外科医、看護師の証人尋問を求めています。今回の 裁判で、原告・遺族の求める今井医師と下(しも)医師の証人尋問は実施されることにな りましたが、当時の名古屋入管局長、処遇担当統括、ウィシュマさんの担当の看守、庁内 内科等医、庁内整形外科医、看護師の証人尋問は認められていません。 (3)今回、第19回口頭弁論に提出された新美医師の「陳述書」によれば、今井医師は入 管の非常勤内科医で、21年1〜3月にウィシュマさんの診療を担当し、合計 4 回の診察を行っていました。「亡くなるほどの疾患があるとは思っていなかったので、( 死亡に)大変なショックを受けた」、当時の医療判断について、「不合理なものではなか ったと考えている」としています。 ウィシュマ・サンダマリさん本人は、名古屋出入国在留管理局施設で収容当時、体調不良 の訴えや極度の体重減少があり、飢餓状態で点滴治療や、原因となる緊急入院治療が必要 ながあり、 ウィシュマ・サンダマリさん本人は、点滴治療や緊急入院治療を求めていました。当時、 新美医師はウィシュマさんの診療を担当していました。 (4)ウィシュマ・サンダマリさんは、スリランカから日本で英語の教師になるのを夢み て日本に語学留学したウィシュマ・サンダマリさん(当時33 歳)は、収容された「名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)」施設で、飢餓状態になる ほどの体調悪化し、2021年2月23 日の名古屋入管施設で撮影された映像では、「担当さん、病院の点滴お願い」、「もうが まんできない、息もできない」と訴えている声が記録されています。 3月3日付の「申出書」には「薬をください」という言葉もあります。その3日後、2021年3 月6 日、ウィシュマ・サンダマリさんは、本人と支援者の訴えにもかかわらず、救急搬送もさ れず、飢餓状態であることがわかっていながら、病院への救急されず、点滴などの治療も 受けられないまま亡くなりました。 (5)それに対して、被告側(国)は、既に当時の名古屋入管における医療体制などの事 実関係は明らかになっており、また、当時の名古屋入管局長を証人尋問する必要はなく、 医師以外の証人尋問は不要であるという見解の意見書を出していました。 前々回の裁判で、大竹敬人裁判長は、裁判所までもが、被告側と同じ見解で、事実関係の 証拠はすでに出揃っており、医師の尋問などを踏まえて入管の注意義務違反を判断すると しています。 (6)今回9月3日の第19回口頭弁論後、記者会見及び支援集会が行われました。 記者会見後、弁護団は、弁護団会議のために退席しましたが、支援集会には、ウィシュマ ・サンダマリさんのご遺族である原告の妹さん(ワヨミさん、ポールニマさん)も参加し 、お二人とも、支援に感謝しています、支援者の支援がなければ、姉ウィシュマの名古屋 入管での死亡の事件の真相を明らかにすることはできない、裁判に勝つこともできない、 姉ウィシュマの死亡の事件の真相を明らかにするために、正義のために、絶対に諦めない 、これからも多くの皆さんの支援をお願いしますと熱く訴えられました。 (7)支援集会では、 愛知、高知、広島、京都、大阪など、全国各地から多くの支援者(多くは学生たち)が参 加し、ウィシュマさん名古屋入管死亡事件裁判への連帯と支援の言葉を語りました。 愛知の支援グループ「start」からは、これまで、ご遺族が意見陳述で述べているように 、295 時間分のウィシュマさんが収容されていた様子が映されたビデオのほとんどを開示してい ない状態で、「証拠は既に出揃っている」という被告の見解は、中立公平な裁判とは言え ず、被告側に有利になるように立ち回っていると考えざるを得ません。以前、ご遺族がウ ィシュマさん事件に関して「アメリカ人だったら同じことをしたのか?ウィシュマが、ス リランカの、貧しい国の出身の女性だからこんな扱いをしたのではないか?」と言われた ことがあります。私たちは、国家権力による民族差別、人権侵害反対の立場に立つならば 、国側に立って進められている裁判のあり方そのものを社会的に問うていかなければなら ないと考えています。ウィシュマさん裁判は、通底して、日本人として、国による民族差 別、人権侵害を許してよいのかを、問われている裁判であると考えます」と訴えがありま した。 支援集会では、通訳者のサニーダさんは、ウィシュマさん名古屋入管死亡事件で通訳を担 当している想いを初めて問われ、10 年前に学生として家を担保に借金して来日したが、差別される存在だった、職場でも暴言 暴力を受ける経験もしたこと、ウィシュマさんの妹さんのワヨミさんに通訳を依頼され、 ウィシュマさんの死亡事件に心を痛め通訳を引き受けた、通訳する時は、ウィシュマ・サ ンダマリさんのご遺族である原告の妹さんであるワヨミさん、ポールニマさんの気持ちが 伝わるようにしているなどと、法廷内外でいつも朗らかで誠実な人柄溢れる人らしく答え ているのが印象的でした。 (8)本日の「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件」国家賠償裁判第19回口頭弁論では、 弁論がありました。お二人の意見陳述を紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーー 私は、原告のワヨミです。 姉を入管で診察していた医者が、陳述書を出したと聞きました。当時の自分の判断は「不 合理ではなかった」と述べて、姉の死について責任を認めていないそうです。 それまでは歩けていたウィシュマが、2021年2月には自分で歩けなくなって、どんど ん弱っていった激しい変化は、この医師の目の前で起こり続けていたのに。この医師も、 看護師も、名古屋入管局長以下職員たちも、誰一人として、身体から栄養と水分をなくし 、ひからびた状態で死んでいくウィシュマに手を差し伸べませんでした。苦しみながら、 ずっと助けを求めていた、姉の声は全て無視されました。 これから始まる尋問で、必ず、真実が明らかになることを願っております。 裁判官に申し上げたいことがあります。どうぞ、尋問を、医者たちだけで終わらせないで 下さい。 名古屋入管局長、当時の入管の職員たち、看護師。彼らの話を聞かないまま、この訴訟が 医師の医療ミスで幕引きされることを遺族は望んではおりません。 それは真実のごく一部でしかないからです。それでは、また同じことが繰り返されてしま うだけだからです。どうぞ、医師たちの尋問の後、姉の死に深く関わった人々の尋問を続 けていただきたく強くお願いします。 私は、今月、日本を離れます。2021年5月に来日して以来、一時、スリランカに帰国 した時期はありましたが、約4年の長い期間を、日本で暮らしてきました。姉は、日本を 深く愛していましたが、私にとって、日本は、姉の命を奪った国です。日本の国の施設の 中で体調を崩していった姉は、スリランカでなら、簡単に受けられる初歩的な治療を、与 えられずに死にました。 私は、姉の死の真実を知りたい一心で、姉を奪ったこの国に来て、長い時間を過ごしまし た。その間、日本の人びとの優しさにも触れましたが、4年以上もの歳月をかけて、ウィ シュマの死の責任を誰も認めようとしない、この国の病の深さも知りました。今後も、日 本に戻って来ることがあると思いますので、裁判官にお目に掛かるのもこれで最後とは思 っていませんが、いまこの機会に、姉が亡くなる2か月前に友人に残した言葉をお伝えし たいと思います。 「人間に生まれてきて、よかったです。動物よりも、私たち人間は深く考えることができ るから、許すこと、助けることができるのです。…すてきな人生のために私たちは長い人 生を一緒に行かなければなりません。」 収容施設の中で、面会しに来て下さる日本の方々の優しさに触れて、「人間に生まれてき て、よかった」と言った姉は、そこから2か月生きられませんでした。どうぞ、姉の死の 真実を法廷で明らかにすることによって、この国が命を大切にする国に生まれ変わるよう 、裁判官の力を貸して下さい。これが、ウィシュマと遺族の祈りであり、強い願いです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーー 私は、原告のポールニマです。 いよいよ、証人尋問の予定が決まり、証人尋問が始まります。姉ウィシュマは、飢餓で脱 水の状況になっているのに、入管は点滴をせず、姉を死に追いやりました。これが姉の死 因であることは明らかですし、入管に責任があることも明らかです。 医師の尋問により、国がどんなに反論しても、姉の死因と入管の責任は明らかであること が、より確実に分かると思っています。医師の尋問の後には、入管の幹部・職員にも尋問 を行っていただきたいです。 私たちの願いは、姉の死の真相を明らかにすること、入管の責任を明らかにすること、そ して、二度と同じことが起こらないようにすることです。そのために、有意義な尋問を行 っていただきたいです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (9)次回、第20回口頭弁論以降の裁判の期日は、12月4日、12月11日、新美医師の証人 尋問、12月24 日、被告・国側の求める野村医師の証人尋問、原告・遺族の求める今井医師の証人尋問、 2026年1月14 日、原告・遺族の求める下(しも)医師の証人尋問を名古屋地裁で実施することになりま した。 (10)なお、5月20 日、ウィシュマ・サンダマリさんのご遺族である原告の妹さん(ワヨミさん、ポールニマ さん)が東京地裁に、ウィシュマ・サンダマリさんの名古屋入館施設での最期の記録映像 を全面公開(295時間分)することを求める訴訟を提訴しました。 第1回口頭弁論以降の裁判の期日は、9月30日、14時30分から、東京地方裁判所103号法 廷です。こちらのご支援もよろしくお願いいたします。 (11)「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償請求訴訟」についてのカンパなどの 支援については、以下をご覧ください。 ◆ウィシュマさんの妹さんお二人の滞在費や裁判費用等のために、カンパにもぜひご協力 をお願いします。名古屋入管死亡事件弁護団→事件の真相究明のために結成された弁護団 です。 カンパは、遺族の日本滞在、刑事告訴、国家賠償請求訴訟等に使われます。 https://wishmalawyers.wordpress.com/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84/ ◆◆ウィシュマさん事件国家賠償請求弁護団→カンパは、国家賠償請求訴訟に使われます。 https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094 ◇昨日9月3日の第1 9回口頭弁論後、記者会見及び支援集会終了後、ウィシュマ・サンダマリさんのご遺族で ある原告の妹さん、ワヨミさん、ポールニマさんと通訳者のサニーダさんを名古屋駅で見 送りました。 明後日、お母さんの待つスリランカに帰るワヨミさんとの別れを惜しみながら、名古屋入 管でウィシュマさんが亡くなった後来日し、妹のポールニマさん共に、「名古屋入管ウィ シュマさん死亡事件国家賠償裁判」原告として法廷内外で辛い想いを語り、名古屋入管で 亡くなったウィシュマさんの死亡のような事件が二度と起きてはならないと訴え続けたワ ヨミさんに改めて、心から敬意をお伝えしました。 スリランカのお母さんに、これからも日本全国の多くの皆さんとともに、「名古屋入管ウ ィシュマさん死亡事件国家賠償裁判」の支援を継続することをお伝え下さいと願いしまし た。 全国各地の皆さん、これまでの「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償裁判」への さまざまな温かいご支援に心から感謝を申し上げます。 今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。お元気で。再見。 Created by staff01. Last modified on 2025-09-04 13:30:05 Copyright: Default |