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LNJ Logo 声明 : 日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会
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<日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会>の小野です。

6月11日(水曜日)、参議院本会議において、「日本学術会議特殊法人化法」が自民・公
明・維新の会などの賛成により成立してしまいました。

本日、6月24日午後、<日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会>と
しての<声明 日本学術会議を「特殊法人」化する法律の成立にあたって>
を出しましたのでお知らせいたします。

<日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会>は、短時間の審議時間で
今回強行成立した「日本学術会議特殊法人化法」
の危険な問題を多くの人々に訴え、将来新法を廃棄するための土台を築くこと、当面、
2026年10月に向けて内閣府が行う法人としての学術会議発足に向けた
内規つくりや委員の任命などを監視する取り組みを行っていく予定です。

私自身は、「日本戦没学生記念会・わだつみ会」として、<日本学術会議「特殊法人化」
法案に反対する学者・市民の会>に参加してきましたが、「学者・市民の会」
が呼び掛けた
チェンジオルグ署名、日本学術会議への多彩な働きかけ、議員への働きかけ、数度にわた
る院内集会、ヒューマンチェーン、座り込みなどなど、「学者・市民の会」
が呼び掛け、多くの人々が国会前に集まったことなど、
さまざまな取り組みのひとつひとつが大きな歴史的意味を持っていると思っています。い
ずれにせよ、今回の闘い、戦後日本における「学問の自由」を守る闘い、学術会議をめぐ
る闘い、学術を巡る学者と市民の共同の闘いは、大きな歴史的意義を物語る闘いだったと
確信しています。院内集会、国会前
ヒューマンチェーンや座り込みなどでの活動は数少ない「学者・市民の会」メンバーや参
加者などが、臨機応変に役割を分担し、お互いにリスペクトしながら、協業的分業によっ
て多くの課題をひとつひとつ解決しながら、多くの成果を生み出したことは間違いないと
思っています。この間の共同・協同の闘いでそれぞれの経験と現場を持つ人々が、「法案
廃案」という一つの目標に向かう姿は、見たことのない景色であり物語でした。

<日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会>は、これからも、この間
、署名運動、院内集会、国会前座り込み、国会前座り込みなどさまざまな
活動を共にした方々、全国各地各大学等で行動を共にされた、全国の研究者、
市民、労働者の皆さんとともに、これから始まる新たな闘いである、「戦争をする国家」
の学問の軍事動員・「軍産学共同」を許さないために、「学問と教育の自由、思想信条の
自由、表現の由を守る共同の闘い」を、全国的な広範なネットワークをさらに広げながら
共同の闘いを続けていく決意です。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

お元気で。再見。

*************************************

日本学術会議を「特殊法人」化する法律の成立にあたって

日本学術会議を「国の機関」から「特殊法人」に変えることを通じて政府の管理下に置く
新たな法律が、6月11日に成立した。

私たちは、学術会議の度々の「懸念」表明にもかかわらず政府が法人化法案の国会提出を
強行し、抜本的修正を求める学術会議総会決議や廃案を求める学者・市民の声を一顧だに
することなく、自民・公明・維新等が短時間の審議で採決を急ぎ、成立させたことに強く
抗議する。

国会審議における政府の態度は、「任命拒否」問題との関連や法案の内容をめぐる野党議
員の数多くの追及に真摯に向き合うことのない不誠実なものだった。その一方、坂井学担
当大臣は、
「業務に関し著しく不適当な行為」という規定が政治的理由による排除のために用いられ
る可能性を示す重大な答弁を行なった。看過できない答弁であり、これを放置することな
く、危険なものとしてあくまでも撤回を求めたい。

内閣総理大臣が任命する監事や評価委員など、政府が管理する仕組みを何重にも設けたこ
の悪法に反対する私たちは、7万筆を超えるオンライン署名や4
度の院内集会、「任命拒否」当事者をはじめとする多くの学者による坐り込みや継続的な
「人間の鎖」など、議員や世論に働きかける最大限の取り組みを行なった。全国各地でも
国会前の行動に呼応する取り組みが展開された。

この運動の中心を担った「学者・市民の会」は、最初は少数の学者、市民、ジャーナリス
ト、教育関係者らの自発的な集まりだったが、「立場の違う者同士が、互いにリスペクト
し合い、協業的分業で『廃案』という一つの目標に向かう新しい運動となった」と参加者
が振り返ったように、新たな運動の形も生みだした。

にもかかわらず、「学術会議の独立性を高めるための法人化」という政府の狡猾なレトリ
ックのもとで、今回の立法を許してしまったことは厳然たる事実である。

反対運動が広範な大学人を巻き込めなかったことはもとより、この問題を「他人事」と見
る社会の無関心を突き崩すことができなかったのはなぜか、法案の重大な本質や法案反対
の取り組みについての報道が一部のメディアを除いて低調だったことをどう考えるか、国
会内外の連携を含め、法案に反対した野党と市民との連携は十分であったかなど、さまざ
まな問題点を多角的に分析し、今後の運動の糧として共有する必要がある。

新法の成立によって問題が終わったわけではない。

2026年10
月の発足に向けて新組織の会員の選考や法律に肉づけを与える規則類の制定などのプロセ
スが今後進行していくが、これを社会の厳しい監視のもとに置く必要がある。「任命拒否
」の正当性を問う情報公開訴訟も続いていく。

法人化の背後には、軍事研究の歯止めとなってきた学術会議を無力化する狙いもある。戦
後民主主義を逆戻りさせる今回のような動きは、戦争への道につながるものとして、どう
しても止める必要がある。

私たちは、今回の運動の経験を前向きに活かし、自由で豊かな連帯を広げることによって
平和で民主的な社会の形成のために力を尽くしていきたい。

2025年6月24日

日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会

連絡先 univforum7@gmail.com

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