「完全護憲の会」より 当会ニュース134号をお送り申し上げます。 ７月参院選の争点が消費税に絞られてきましたが、石破首相は関心が薄いようです。 野党側は消費税減税・廃止でほぼ出揃い、「食品のみゼロ％」派は期間が立憲１年限定 、維新２年限定、社民は３年。「５％」派は国民民主「一時的に」、共産「緊急に」。れ いわ新選組は６年前から一貫して「廃止」を訴えています。 消費税と財務省の問題で世論が燃えています。野党には是非とも温度差を乗り越えてい ただき、消費税「廃止」、最低でも「５％」で結束する「必要」があるように思います。 なぜなら、「廃止しかない」と思える理由が大量にあるからです。 ◆消費税とインボイス 「廃止」が最もシンプルでコスパ最高、最速で、瀬戸際の人々に恩恵が届きます。 さらに、「インボイスも不要になる！」としたら、極めて大きなメリットが加わります。 インボイス制度の根拠法は「消費税法」（2023年改正）のみ、あとは「消費税法施行令 」しかありません。少なくとも、消費税を廃止すればインボイス廃止は簡単だろうと思い ますが、専門家にご確認下さい。 ＊No.6498 適格請求書等保存方式（インボイス制度） 国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm ※「根拠法令等」：消法2、9、30、45、57の2〜57の4、消令46、49、50、62、70の5、 70の9、70の13、平28改正法附則51の2、52、53、53の2、平30改正令附則15、24の2。 昨年10月に始まったインボイス制度の公式説明は、6年前から8％と10％の「複数税率」 が混在し計算が複雑化したため、「消費税の二重払いを防ぐ」と。 しかし細則が非常に多い複雑な制度のようで、登録だけでも相当な経費・人材・時間が 必要、赤字でも納税が必須、得意先との関係も見通しが暗い、などから廃業・倒産が激増 しています。 「食品のみゼロ％」案も事業者側の対応が煩雑で経費がかさみ、インボイスは存続しま す。「5％」案は複数税率が解消しますが、財務省がインボイスを廃止するとは思えませ ん。 ◆大原則に逆行 消費税は衆知の通り、ほぼすべての買物に一律課税され、税の「負担率」が低所得層ほ ど高くなるため、貧富の格差を時々刻々、着々と広げていく悪法です。 これは税の大原則「公平」＝支払能力に応じた税負担＝「応能負担の原則」に反します。 同時に、この原則が依拠する憲法の14条（法の下の平等）や25条（生存権）、29条（財 産権）などにも反します。 ◆信頼を裏切るナリスマシ 消費税に関する公式説明は、「消費税法」と食い違っています。 消費税導入の翌年1990年、東京と大阪の地裁で確定した判決が次のように明記していま す： 「消費者は、消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底 いえない」 「徴収義務者が事業者であるとは解されない。したがって、消費者が事業者に対して 支払う消費税分は、あくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有し ないから、事業者が…国庫に納付する義務を消費者に対する関係で負うものではない」 つまり、商品を買う私たちは課税されていないので、支払った消費税分は消費税ではな く、単に商品価格の一部にすぎない。小売店など事業者も、客から消費税を徴収する義務 はなく、ましてや預り金として納税する義務もない、ということです。 この判決文は、当時の大蔵省が説明を行い、それを確認して書かれたそうです。 確かに消費税法の第４条「課税の対象」には、「事業者が行つた資産の譲渡等」（例え ば商品の販売）に「消費税を課する」とあり、第５条「納税義務者」には、「事業者は… 消費税を納める義務がある」としています。この法律には、「消費者」という言葉自体が 一度も出てきません。 商品を売る側が課税され、自ら税務署に納税する税金は、「直接税」に分類されます。 ところが消費税は最初から「間接税」と広報され、今現在も、国税庁サイトで「間接税 」と説明しています（検索⇒[税のしくみ] 税の種類と分類 国税庁）。 間接税は、消費者に課税された税金を、事業者が預かって代わりに納税する税金――ま さに、私たちが信じてきた「消費税」の仕組みです。 類推できる不正疑惑（国会議員は騙されたと仮定）： �� 霞が関エリート集団が、「消費税法」とは異なる「偽の消費税」を導入。 �� その際、消費税法を参照しないはずはないので、計画的に考案された故意の捏造。 �� 以来、本物の消費税に見せかけるため、あの手この手で印象操作をくり返した。 �� 1989年４月から36年間、全国民を欺き続けている。 �� この間、消費者が支払った消費税該当分の財産を奪った。累計総額は430兆円。 �� 財務省は現在も偽装工作を続けて訂正せず、反省が見えず、情状酌量の余地が無い。 民間人なら、悪質な集団詐欺の容疑で逮捕されませんか？ 全国の価格を一斉につり上げる税金は、絶大な権力の源泉になるはずです。物価と経済 を操作でき、財界を喜ばせ、出世して天下り…数え切れない役得があるのでは？ 官僚の合言葉(？)は「小さく産んで大きく育てる」。消費税は難産だった３％から10％ まで育ちました。かつて何かで読んだ彼らの目標値は、25％超でした。 ◆不安を煽って非情に増税 景気が良かった1989年、国民が猛反対するなか大蔵省は、「福祉や少子化対策のため」 と称して消費税を導入、緊縮財政を強化し、91年にはバブルが崩壊を始めます。長期デフ レになっても消費増税３回、近年は気づかれないようステルス型増税が多いそうです。 「国の借金」（政府債務残高）だけ解説し、マスコミを動員してくり返し危機を煽る財 務省の宣伝は効果抜群。国民は財源が無いからと我慢します。 しかし、日本は貧困国ではありません。金融資産だけで「借金」の７倍前後あり、「財 政の健全性」を示す指標「対外純資産」も昨年は世界第２位。1991年〜2023年の33年間は 連続世界一でした。 ・債務残高： 1323兆7155億円＝「借金」（2025年3月） ・国民資産：１京2445兆円（2021年）＝金融資産 9000兆円＋非金融資産 3445兆円（読 売、2023/01/20） ・対外純資産： 533兆円（2024年）＝対外資産 1659兆円ー対外負債 1126兆円 消費税廃止は「全国民への投資」です。輸出企業の戻し税７兆円も財源に使い、ザイム 教徒に遠慮せず、財政出動すればいいのです。必ず消費が増え、その分売上が増え、法人 税や所得税の税収も増えます。経済が好転するほど、国庫に戻る「投資の果実」も大きく なります。 「好景気になると財政収支は改善する」という相関関係もあります。 ◆消費税が引き寄せる外圧 消費税は自由貿易の障害だと米国は非難します。日本は輸出品の戻し税が補助金になっ て米国で安売りでき、米国からの輸入品は消費税が加算されて売れにくくなります。 「日米構造協議」が始まったのは消費税導入の年でした（94年から「年次改革要望書」 に変更）。8％に増税した頃のTPP交渉でも、10％増税の年に署名した「日米FTA」でも、 米国は食品の市場開放を迫り、財務省は農水省の予算を減らしてきました。この間、減反 政策の強化、GMO（遺伝子組み換え品）輸入大国、種子法や農薬規制の改悪…現在は農協 まで主食米が不足、国は積極的に輸入米を推しています。 以上は断片的ですが、これだけでも、ウソまみれの消費税はスパッと切り捨てるしかな い、放置すると日本の終わりが近づく、と思いませんか？ まずは私たちが情報を調べて意見交換し、結束しましょう！ ＊消費税減税や廃止の議論が出ている今こそ「消費税は… どんぶり勘定事務所 2025/03/19 https://www.youtube.com/watch?v=qZ2te_Xv1Us ＊【輸出還付金】大企業だけが得をする消費税の闇！ 同 事務所 2025/03/27 https://www.youtube.com/watch?v=wC819nORFYc ＊食料品の消費税ゼロ％で飲食店が潰れまくる理由！ 同 事務所 2025/04/01 https://www.youtube.com/watch?v=BXuDKpq1H4I ＊地裁の判決文は下記1行を全文選択・コピーしてネット検索願います： https://minorusan.net/l/東京地方裁判所%20平成元年（ワ）５１９４号%20判決 ＊英国と大きく異なる日本の財政状況〜…日本はベスト２〜 第一生命経済研 2022.10.11 https://www.dlri.co.jp/report/macro/205686.html ＊財務省を超効率的に解体する方法、暴露される… 怒りの日本ニュース 2024/12/12 https://www.youtube.com/watch?v=M_gXbJ2Eu5M 以上、事実関係に整合すると思われる情報や観点をご紹介いたしました。事実を確認で きないことは多く、各記事全文が賛同できるとも限りませんが、ネット検索のお役に立て ば幸いに存じます。 （担当Ｗ・Ｏ） ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ※ 当会では毎月1回、ニュースのファイルを皆さまにお届けしております。（無料） ご不要の方、あるいは新規にご希望の方は、本メールアドレス宛にご一報をお願いいた します。 ニュースのバックナンバーはホームページでご覧下さい。 https://kanzengoken.com/?page_id=6351 ※ 下記は当会刊行の冊子シリーズです。昨年12月に加わった新刊「冊子シリーズ１５」 には、2022年12月〜24年の各月ニュース一覧も付いています。ご希望の方はシリーズ番号 や部数、送付先を本アドレス宛にお知らせ下さい。（送料目安：〜3冊／スマートレター 210円；〜8冊／レターパックライト430円） https://kanzengoken.com/?page_id=6302 ★ 完全護憲の会刊行 冊子シリーズのご案内（2015年4月〜）★ （１）シリーズ１『日本国憲法が求める国の形』（実費300円） （付・日本国憲法全文／「完全護憲の会」設立趣意書及び会則） ☆当会の原典。現憲法と現国政とのへだたりを列挙。 （２）シリーズ２『安倍政権下の違憲に対する緊急警告』（実費50円） 緊急警告001号〜013号（2015年〜2016年） ☆第三次安倍内閣における違憲を告発。 （３）シリーズ３『戦前の悪夢・戦争への急カーブ ―安倍政権3年のあゆみ』 岡部太郎 著（実費300円） ※在庫なし 前・当会共同代表・岡部氏の月例「政治現況報告」集（2014年1月〜2016年11月） ☆岡部太郎氏は元・中日新聞東京本社編集局政治部長（東京新聞）、2018年4月逝去、 86歳。 （４）シリーズ４『明治帝國憲法下のくらし ―自民党改憲草案のめざすもの― 羽毛より も軽かった人のいのち』（実費300円） （付：大日本帝国憲法／教育勅語／軍人勅諭／戦陣訓／自民党改憲草案） ☆当時の人命はいかに使い捨てられたか。詩「地獄の話」（濱口國雄作）収録。 （５）シリーズ５『平和に向けて活用したい道徳 ―教育勅語の重圧と死線をさまよった 臣民たち 歴史から見る道徳の教科化』 山岡聴子 起草（実費400円） （付：教育勅語(明治23年)／小学校祝日大祭日儀式規定(明治24年)／教育基本法(旧 法)/同(新法)） ☆教育勅語から教育基本法（旧・新）への変遷。 （６）シリーズ６『朝鮮半島情勢と私たち ―北東アジアの平和と繁栄のために』 大畑龍 次 起草（実費400円） （付：南北共同声明／南北共同宣言／日朝平譲宣言/南北首脳宣言／日朝ストックホ ルム合意／南北板門店宣言／トランプ大統領と金正恩国務委員長のシンガポール米朝首脳 会談共同声明） ☆米朝首脳会談後の行方、朝鮮半島の非核化、南北統一実現の前途を見る。 （７）シリーズ７『安倍政権下の違憲に対する緊急警告２』（実費100円） 緊急警告014号〜033号（2016年〜2018年） ☆第三次及び第四次安倍内閣における違憲を告発。 （８）シリーズ８『スマトラ島で敗戦 マレー半島でJSP ―学徒徴兵・私の戦争体験記』 福田玲三 著（実費400円） （付：『馬南歌集 残響』） ☆JSP（降伏日本軍人）の現地における文集や歌集を収録。 （９）シリーズ９『未来への小さな礎（いしずえ） ―戦争の惨禍を見つめて』 山岡聴子 著（実費400円） ☆日本が行った侵略戦争の跡をたどる。 （10）シリーズ１０『三鷹事件・巨大な謀略の闇 ―冤罪晴らす再審開始を』 福田玲三 著（実費400円） （付：下山事件・松川事件） ☆いまなお再審請求中の三鷹事件を中心に、下山事件、松川事件の真実を語る。 （11）シリーズ１１『日本国憲法の司法 ―「法治国家」から「法の支配」へ』 後藤富士 子 著（実費400円） （付：「完全護憲の会」設立趣意書および会則） ☆戦前の司法は「ドイツ型」であり、戦後は「アメリカ型」に転換したが、古い尻尾 が残した課題を検証する。 （12）シリーズ１２『安倍・菅政権下の違憲に対する緊急警告３』（実費300円） 緊急警告034号〜056号（2019年〜2021年） （付：解説と年表） ☆安倍・管政権式 悪政の最盛期。国会軽視、憲法無視、とりわけ2015年9月の戦争法 案・強行採決。さらに無数の虚偽答弁、違法疑惑事件は社会にモラルハザード（倫理の危 機）をもたらし……それを引き継いだ最後の3年間。 （13）シリーズ１３『危機に立つ日本国憲法 ―憲法審査会改憲発議の動きと私たちの課 題』（実費400円） （付：憲法審査会に関連する年表） ☆安倍・菅内閣を引き継いだ岸田内閣は、2022年2月以降ほぼ毎週、憲法審査会を開催 するようになり、憲法９条の明文改憲をめざした「戦争する国」づくりの総仕上げに傾注 している。しかし、日本は本当に戦争できる国なのか。現実や諸論を踏まえ、私たちが進 むべき道を模索した。 （14）シリーズ１４『安倍政権の総括』（実費500円） （付：安倍政権に関連する年表） ☆安倍首相は長期在任期間に多くの矢を国民に放った。言論の府の空洞化、メディア の無力化、新しい戦前の法制化、実質賃金低下や消費増税2回で市民を弱体化。専門家に よる分析を中心に経済、歴史、報道、外交、内政、倫理の6章立て、安倍氏に特徴的な幼 児性はコラムで特集。 （15）シリーズ１５『岸田・石破政権下の緊急警告第４集』（実費300円） 緊急警告057号〜070号（2021年〜2024年） （付：「提言」、および「政治の現況」各月ニュース一覧2022年12月-24年11月） ☆岸田政権は防衛費をGDP2％に引き上げ、安倍元首相の国葬を強行、事故原発のトリ チウム汚染水を海洋投棄…。特技は「国民の声を聞く力」、実態は「上級国民の声」のみ 聞く。石破政権は日米地位協定の改定「必ず実現したい」と。いつになるかは不明。 引き続きご支援ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 完全護憲の会 事務局・福田玲三 kanzengoken@gmail.com 公式ホームページ https://kanzengoken.com/ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
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