
●渡部通信(3/12) :
明けない夜はない(301)<若者を再び戦場に送るな!(51)大
分の基地は沖縄と直結>
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昨日(3月11日)参議院議員会館で開かれた
<弾薬庫を増強するな!大分住民の声を聞け!3・11防衛省交渉>
(【主催】大軍拡と基地強化にNO!アクション2024
【協力】大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会)
に参加しました。(40人余りの参加)
最初に、防衛省交渉に入る前に、市民の会の合田さんから、
「大分の大型弾薬庫建設から見えるもの
大分や九州は、沖縄・南西諸島の戦争計画の一環、
避難計画作成は住民無視の象徴 全国の戦場化(不沈空母化)」
という説明をパワーポイントを使い受けました。
少し長いタイトルですが、ここに現在大分で起きていることの意味が
極めて簡潔に要約されていると思います。
また、会場で配布された「市民の会」作成のパンフ
<「おんせん県」にミサイル弾薬庫!?>
には以下のような項目が説明されていました。
1、住宅密集地に弾薬庫を作るのは国際人道法違反
2、保安距離は守られているか?
3、弾薬庫の火災は消化できない
4、弾薬庫の事故はたくさん
5、重要土地規正法
6、大分の基地は沖縄と直結
7、「抑止力」とは「外国攻撃能力」
日本全国「ミサイル」基地化?
8、防衛は国の専管事項?
憲法の理念で対話と友好を!
その後会場に、<防衛省><外務省><経産省><通産省><内閣官房>
の役員が16人ほど入ってきて、前もって提出した「質問事項33項目」
に対する、各省からの「文書回答」を踏まえての交渉となりました。
ここでは、その全部を紹介することはしませんが、
特に気になったことを2つに絞って報告します。
一つは、現在自衛隊の弾薬については、「火薬取締法」が適用されているが
大分弾薬庫の弾薬類は、その同施行規則第19条の貯蔵の区分のどれに該当するのか、
という問いに対しては、次のような「文書回答」がありました。
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・・貯蔵火薬類の区分については、その詳細を示すことにより、火薬庫に保管する
弾薬の種類が推測され、我が国の防衛能力が明らかになるおそれがあるため、
お示しできないことをご理解いただきたい。
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これと同じような回答が、<貯蔵量>、<弾薬の種類>などについても述べてあります。
もう一つは、弾薬庫が保育園、小学校、住宅地などに近いところに
作られるが大丈夫か、ということについての質問と回答についてです。
これについては、以下のような質問が出されました。
少し長いですがお読みください。
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12、政府または防衛省は上記NATOと同等の基準を作成しているのか。しているとすればそ
れは何か。
13、NATOの弾薬庫規制基準AASATP-1によれば、地上覆土式弾薬庫に50トンの弾薬を
貯蔵した場合に、住宅との間にとるべき保安距離は818m(22.2×50,000kgの3乗根)
とされている。日本の場合は589m(16×50,000の3乗根)にしかならない。
なぜ日本の基準はNATO より緩いのか。その根拠を示されたい。
14、上記AASTP‐1では、公共道路との保安距離について、交通量が多い場合には
住宅と同等の保安距離を適用すべきとしている。日本の場合に同様の規定は
存在するのか。ないとすれば、なぜか。
23、NATOの上記文書は、当該基準を守っても事故が起りえることを認めているが、
このことを認識しているか。
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これに対する回答は以下のようなものでした。
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自衛隊の火薬庫設置にあたっては、火薬類取締法に基づき整備しており、
当省からは、火薬取締法に関する内容については、お答えを控えさせていただく。
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また、「AASATP-1は読んでいますか」という問いに対しては、
「読んでいない」という回答でした。
これらを通して感じたことは、軍事に関するものは、
これからは私たちが黙っている限り、
上記の回答のように、すべて秘密裏に進められ、
一般国民は、たとえ近くに軍事施設を作られようと、
そのためどんなにひどい目に会おうと、
「問答無用・受忍せよ」となるであろうということでした。
こうした流れと関連してか、
今回の国会の審議でも、戦後最大規模になった大規模な軍拡予算案に対し、
野党からも真っ向から反対する声は殆ど出されませんでした。
しかし、今回の大分の市民団体の防衛省交渉が示しているように
一般国民が何も知らされないまま大軍拡が進行すれば、
行きつく先<大分の基地は沖縄と直結>となるような事態が
全国的にさらに進行し、目覚めた時には、
「全国の戦場化(不沈空母化)」になっている可能性が、
非常に大きいと思います。
ですから皆さん、「草の根」から連帯して、
「大軍拡」「大増税」「改憲」に反対の声を上げ続けましょう。
また、世界でもまれにみる「平和憲法」を守ることは、
戦争に苦しむ世界中の人々の希望になるだろうと思います。
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●渡部通信(3/14) : 明けない夜はない(302)<若者を再び戦場に送るな!(52)「学術
の終わりの始まり」を許すな>
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昨日(3月13日)、参院議員会館で、
<STOP学術会議の「法人化」署名提出の記者会見と院内集会>
が開かれ、80人余りが参加しました。
国会議員も「立民」「共産」「社民」「維新」「れいわ」「無」の議員たちが
短時間の挨拶に見え、複数のマスコミも入っていました。
この集会は「署名呼びかけ団体」(16+1)の主催で行われました。
集会内容はプログラムを添付しますのでご覧下さい。
最初に、2月5日から始まった署名が3月12日まで、
2万2792筆集まったことが報告されました。
その後、広渡清吾(日本学術会議元会長、東大名誉教授)から
次のような趣旨説明がありました。
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本日、内閣府に署名を提出してきた。
この署名活動は歴史的意味がある。それは「市民と科学者の意思表示である」ということ
だ。
会長が3回声明をだした。これはかつてない動きだ。
「特殊法人化」では、
・内閣総理大臣が任命する「監事」、
・内閣府に設置される「評価委員会」、
・会員外からなる「選定助言委員会」や「運営助言委員会」、
などを置き、学術会議を内閣が監督することになる。
「・・・助言委員会」を設け、会議の内容を絶えず総理に知らせ、
罰則規定も置くことになる。
学術会議法(1948年)「前文」には、
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日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、
科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、
世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、
ここに設立される。
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と書いてある。
しかし、「法人化」の目的は、政府が政策を実行する手段として作るものだ。
当然、対等の立場ではなくなる。軍事研究に協力しろということになる。
そんな会議に誰がなりたいと思うか、
出来る限りの力を以って廃案に追い込みたい。6月までの通常国会中に。
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その後、4人の方のスピーチがありました。
<本田由紀(東大教授)>
国立大学の法人化で、いま大変な惨状になっている。
外部からの介入で、金で動かし、軍事研究をどんどんやりたいということだ。
日本の学術界は世界からリスペクトされなくなる。
<駒込 武(京大教授)>
大学全体、民主主義全体にかかわる問題だ。
内閣府にすべての重要な権限が集中される。
なんとしても止めなくてはならない。
<榎木英介(科学ジャーナリスト)>
理系の研究者の中には肯定している人も多い。
関係ないと思っている人が多い。
デュアル(二重)などといわれ、従う学者もいるが駄目だ。
アカデミー全体として抵抗して行かなければならない。
<赤井純治(新潟大名誉教授)>
法案、腹立たしい。深刻だ。日本のアカデミーが終わるだろう。
道理が通っていない。絶対認めてはならない。
身体を張ってでもこれを止めたい。
何が正しいかを政府が判断する。
ガリレオの時代に歴史を戻すことだ。
「法人化」は国立大学を見ればわかる。
大学人ももう一度振り返って検証すべきではないか。
反対の声を上げてほしい。
その後、質疑応答がありましたが、割愛します。
次に「院内集会」になり、
・国会議員あいさつ
・各団体(「署名呼びかけ団体」など)のとりくみの報告
があり、これもそれぞれ力のこもったものでしたが、割愛させてもらいます。
なお、各団体の最後に、私も参加している
「許すな!「日の丸・君が代」強制、止めよう!改憲・教育破壊全国ネットワーク」
略称「ひのきみ全国ネット」)の小野さんが、
この間の「日の丸・君が代」強制・「教育基本法」改悪などにより
国家主義教育が強まり、教育現場はひどい状況になっていることを報告し、
連帯して闘いましょう、と呼びかけました。
集会は最後に、
<日本学術会議の解体をめざす「日本学術会議法案」に反対し、撤回を求めます>
という「声明」が読み上げられ、終了しました。
集会全体を通じ、
<「学術の終わりの始まり」を許すな、
STOP日本学術会議の「法人化」>という呼びかけは
極めて重要であると思いました。
戦前、学問や教育への弾圧事件には
「滝川事件」(1933年)、「天皇機関説事件」(1935年、
「北海道綴方教育連盟事件>(1940〜1941年)などがありました。
当時、それなりに反対運動もありましたが、
結局弾圧され、「転向」なども起き、
その先にあったのは、無謀・悲惨な太平洋戦争への突入でした。
今度は、なんと「平和憲法」の下で、
同じように「学問の自由」や「民主教育」が危機に瀕しています。
その先にあるのはまたしても戦争です。
私たちは同じ轍を踏んではなりません。
そのためには、現在「草の根」から、
戦争への動きに反対し闘っている全国の仲間たちが、
大きなスローガン(例えば、「若者を再び戦場に送るな!」
もっと良いものが有ればそれで)のもとに、
各戦線での闘いを結び付け、連帯して、
「新しい平和で民主的な政権」を作り出す(あるいは再生する)
ことではないでしょうか。
危機感とともに、そうしたことを考えさせられた集会でした。
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staff01.
Last modified on 2025-03-14 14:28:53
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