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LNJ Logo 韓国オプティカル労働者の600日籠城闘争、パク・チョンヘさん地上へ
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日東電工は韓国オプティカル労働者の雇用を継承せよ!
 パク・チョンヘさんの600日の闘いを受け止めろ!

尾澤邦子

 昨年1月8日に工場の屋上に上がり「雇用継承」を訴え籠城を始めて600日目の8月29日、パク・チョンヘさんが地上に降りました。一緒に籠城を始めたソ・ヒョンスクさんは、体調不良で476日目の4月27日に籠城を中断しました。500日を過ぎる頃から毎日泣いていたというパク・チョンヘさん。どれほど辛く苦しかったかと思います。

 真夏の太陽が照りつける、40℃を越える工場の屋上で、体力も限界だったでしょう。前日の共に民主党代表や、当日の雇用労働省長官、大統領室などの説得と約束があり、地上に降りることになりました。命がけでの訴えに、何も答えない日本本社の日東電工に対しては、どれほど悔しい思いをしたかと思います。

 パク・チョンヘさんは、直後に行われた記者会見で、支援への感謝を述べました。そして「過ちは日東電工が犯したのに、なぜ労働者が苦しまなければならないのでしょうか。勝利して降りられたならよかったけれど、それでも両足で地面を踏めるようにしてくれたみなさんに感謝します。私たちの闘いは終わったわけではありません。政府や国会に問題を解決してもらいたいと思います。これ以上、労働者が高い場所に登らなくてもすむように、労働者が幸せな社会で暮らせるように、私の望みはそれだけです」と訴えました。

 籠城を支え、見守り、声援を送ってきた韓国の労働者・市民たち。その場に集まった約200人の大きな拍手に送られて、救急車で病院へと向かいました。

 8月29日(金)午後3時から金属労組が主催し「政府のオプティカル労使交渉開催の約束・『食い逃げ』防止法の約束宣言および高空籠城解除の記者会見」が行われました。民主労総のヤン・ギョンス委員長やキム・ヨンフン雇用労働部長官があいさつしました。

 高空籠城を支援するために「希望てくてくウオーク」や「希望のバス」を組織してきた民主労総プサン本部のキム・ジンスク指導委員が発言しました。「絶望と希望がないまぜになり、生と死の交差する場所。連帯できなければ死に、連帯できれば生きて帰れる場所。そこから今日、パク・チョンヘが生きて降りてきます。誰かにとってはもう600日でしょうが、誰かにとっては血も涸れ果てるがごとき600日でした」「韓国オプティカルハイテックの闘いは終わったのではなく、屋上から地上へ、狭い場所から広い場所へと闘いの場所が変わるだけです。これからは約束した通り民主党と政府がパク・チョンヘの闘いを受け継いでください」「ふたたび誰かが高所に上がる前に、国会と政府がなすべきことをしてください」と訴えました。そして力強く「笑いながら、最後まで、ともに、闘争(トウジェン)!」とコールしました。

 闘い半ばで自ら命を絶った労働者の闘いを見てきているキム・ジンスクさんの発言は、胸に迫るものでした。整理解雇を阻止すべく309日間のクレーン籠城闘争も闘ってきました。韓国の労働運動は本当にすごいと思います。命がけで闘っているのですから。記者会見の動画を見ながら、涙が止まりませんでした。


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