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LNJ Logo 報告 : 「関生弾圧を許さない東海の会」第7回総会
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8月3日「関生弾圧を許さない東海の会」第7回総会に60名が結集
〜弾圧にデジタルデータがどのように使われたのかを検証

愛知連帯ユニオン

 名古屋市熱田区の労働会館本館で、13:30から「関生弾圧を許さない東海の会」の第7回総会が行われました。

 最初に石田共同代表が挨拶、今回の総会の第2部で関生弾圧にデジタルデータがどのように使われたのか検証することを紹介、また、冤罪の福井事件等がそうであるように、関生弾圧でも無罪を勝ち取った組合員も警察や検察に人生が無茶苦茶のされたことを考えたいと発言しました。

全国の支援からメッセージ

 「関生弾圧を許さない東京の会」、「静岡の会」、「奈良の会」、「北海道の会」からメッセージが寄せられ、「京滋実行委員会」の小山さんが会場に来て発言、6年間の裁判闘争を振り返りつつ、本年8月30日に湖東記念病院事件の井戸謙一弁護士を講師として司法の反動化と冤罪を考える集会を持つことが紹介されました。

地道な活動の成果とそれを支える人たち

 続いてこの1年の活動報告を植木事務局次長が行いました。「昨年の総会は東京新聞の望月衣塑子記者を招いて行ったが、弾圧当初は暴力的な団体の事件のように報道されていたものが、マスコミの中でもこの弾圧はおかしいのではないかという報道も増えてきた」「昨年11月には被弾圧当該と弁護士で京都事件についてのシンポを開催したが、今年の3月の関生支部組合員との交流会は京都事件無罪判決の報告会とすることができた」と運動の成果が述べられました。

 柿山事務局長からは、今後も運営会議と街頭宣伝を定例化、学習交流会を開催、裁判の傍聴支援、ニュースの発行やホームページでの発信、全国の支援やこの地域の団体との連携を強めること等、この弾圧に対して関生支部を最後まで支えていく方針が提起されました。

 会計の牧野さんからは「この間、病に倒れて集会に参加できなくなったが、関生と東海の会の真直ぐに闘う姿勢に敬意を表します」という手紙と共に会費とカンパが送られてきたことが報告され、小さな規模の財政だが会場費・会費・カンパをきちんと集めて必要な活動を行えるようにしたいとの提起があり、これに応えて、多くの会費の納入とカンパが寄せられました。

 集会決議が名古屋ふれあいユニオンの森さんから読み上げられ、集会決議と報告が拍手で確認されました。

関生弾圧とサイバー防御関連法

 第2部は、企画:関西生コン弾圧とサイバー防御法・刑事デジタル法。

 まず、関生弾圧国賠訴訟の原告で、Xバンドレーダー基地反対・白バス事件の国賠訴訟原告でもある西山直洋支部執行委員が弾圧の実際を語りました。YAHOOのメーリングリストは全て任意提出され、捜査令状の押収目録にはパソコンが全て含まれ、警察はサイバー班を連れてオートロックを簡単に解除して入ってくる。逮捕されると20年前とは違って指紋だけでなく掌紋も取り、顔写真は後に顔認証システムで使えるように様々な角度から撮影される、知らずに認めてしまう人はDNAまで採取される。私は和歌山事件では不起訴に、大津事件では無罪になったが、警察に押収されたものは抹消しましたという書類が返って来ても本当かどうか解らない。日頃から権力の弾圧に備えて、どのデジタルツールを使用するか、考える必要がある、としました。

 次に、関生弾圧の殆どの事件に関わった三輪晃義弁護士が、「大阪ストライキ事件」「大津コンプライアンス事件」「加茂生コン事件」のそれぞれについて、共謀の立証にグループLINEや通話履歴がどのように裁判で使われたのかの説明がありました。裁判の証人尋問で、警察官が「組合員のスマートフォン(iPhone)を押収すると警察内でスマホを解析パソコンとケーブルで繋いで、解析ツールをワンクリックしたら、電話帳、通話履歴、SMS(ショートメッセージ)、メモ、ブックマーク、カレンダー、画像・動画、Safari閲覧履歴、LINEの友達・LINEグループ・LINEメッセージが自動的にExcel形式で出力される。解析パソコンから捜査課のパソコンにデータを移し、警察官が不要と考えるデータを省いたうえで、印字して書証を作成する。」と証言したことが紹介されました。警察のストリーにそって立証を行うのに「スマホは宝物のような存在」と指摘しました。

 続いて、「東海の会」の共同代表である中谷雄二弁護士が戦前の特高警察の解体が不完全に終わって戦後の警察の民主化が崩壊、市町村警察から都道府県警察へ、さらに実質的に国家警察の復活に向かう流れの中で、2022年警察法改正では、国家公安委員会と警察庁の所掌事務に「重大サイバー事案」に対処する事務を付加されたことを指摘しました。そして、本年5月16日に成立した能動的サイバー防御法とデジタル刑事訴訟法の問題を具体的に解説しました。

産別労組再建こそが関生支部の回答

 質疑を受けて第2部が終了した後、関生支部の山本智執行委員が、自らの取り調べ動画が上映された国賠訴訟を解説、違法な組合脱退慫慂をする検事に対して143回黙秘を通告、組合を信じて残っている人間を裏切らないことを決意したことを語りました。「10月31日の国賠訴訟で賠償を勝ち取り、11月18日の大津1次事件控訴審で無罪を勝ち取りたいが、産業別労働組合を再建することこそが本当の回答。関生弾圧を労組への最後の弾圧にすることは私たちだけではできない。みんなの力を借りて、また、国際的な連帯で、このような弾圧ができない仕組みを作り上げていきたい。」と語りました。

 最後に共同代表の熊沢誠名誉教授が、「今日は色々勉強になったが、労組が共謀するのは当たり前で主な争点ではない。権力はアウト業者対策や非組合員へのピケットについては絶対に認めない立場。11月18日の大津事件の判決に向かっては、アウト業者対策としてのコンプライアンス活動は産業別労働組合の正当な組合活動だという点をはっきりさせて闘って欲しい」と持論を語りました。

 第7回総会を終えて8年目の迎えた「東海の会」、地道な活動とそれを支え続ける人たちによって大弾圧に無罪の風穴を開ける一助を担っています。なお、同日18時から行われた「ガザ緊急アクション名古屋」の集会・デモには10数名の総会出席者が参加し、猛暑の中、丸1日奮闘しました。


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