![]() |
村のタブーを打ち破った人々〜『黒川の女たち』 | ||||||
Menu
おしらせ
■サブチャンネル ・映画祭報告(7/27) ・レイバーネットTV(7/9) ・あるくラジオ(6/14) ・川柳班(次回9/27) ・ブッククラブ(8/2) ・シネクラブ(7/6) ・ねりまの会(6/28) ・フィールドワーク(6.1報告) ・三多摩レイバー映画祭(5/25報告) ・夏期合宿(8月23-24日) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第103回(2025/7/15) ●〔週刊 本の発見〕第398回(2025/8/7) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2025/6/12) ●川柳「笑い茸」NO.161(2025/5/26) ●フランス発・グローバルニュースNO.19(2025/8/5) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第100回(2025/6/5) ●「美術館めぐり」第13回(2025/7/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信・Tansa
|
堀切さとみ 戦後80年の今、観るべき映画は?といわれたら、迷わず『黒川の女たち』と答えるだろう。すごい記録だった。満蒙開拓団の史実を掘り起こした、というだけではない。 1945年8月、ソ連が満州国に侵攻。捕虜になるよりはと、集団自決した開拓団もある。 「乙女の碑」という地蔵菩薩がある。開拓団員はその意味を知っている。でも口にすることはできない。黒川村の人たちは箝口令に従っていた。 長野県に「満蒙開拓平和記念館」がある。2013年にオープンし、いち早くそこで証言をしたのが佐藤ハルエさんだ。彼女は自分の体験を話したくてたまらなかったのだ。ずっと前から開拓団についての取材に応じてきたが、性被害についてはとりあげてもらえなかったという。
汚いと言われるのを恐れ、話せなかった人もいる。映画の前半は名前も顔も出さず手元だけが映される。ところが、話し始めたら孫が手紙をくれた。「伝えてくれてありがとう。自殺しないで、ばあちゃんが生きてくれたおかげで、自分たちがこの世にいる」と。 映画には黒川開拓団の息子たちも出てくる。男たちには経験し得なかった凌辱。それを詫び、次の世代に言葉で残さなければと、勇気ある女性たちに寄り添う。 戦後100年になったら、生きた証言者はいなくなる。戦後80年の今がギリギリだろう。だけど「なかったことにさせない」という思いを、開拓団の娘や息子たち、その子どもたちがつないでいる。語れば必ず歴史に残る。 隠すようなことではない。被害者はもっと堂々とあっていい。それを全力で受け止めた黒川村の人々に、私は心底学びたい。
Created by staff01. Last modified on 2025-07-13 20:12:37 Copyright: Default |