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「9条地球憲章の会」創立8周年記念シンポジウムが開かれる
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ジョニーH(報告)

 6月28日(土) 学習院大学で、「9条地球憲章の会」創立8周年記念シンポジウム(第45回公開研究会)が『日本国憲法前文・第9条と核兵器禁止条約をつなぎ、平和の思想・文化・教育の課題を深める』というテーマで行われ、20〜90歳代の研究者や学生や活動家40人+オンライン30人 合計70人が集った。「9条地球憲章の会」は、日本国憲法の前文と第9条の非戦・非武装の理想に加え、非核の理想に加え、非核の世界実現の理想を、内外の広範な市民と共有することをめざして、8年前に結成された。司会は世話人の目良誠二郎さん。 各登壇者の発言内容

●堀尾輝久(東京大学名誉教授 9条地球憲章の会代表)

 長崎原爆投下の日小倉にいたので田中てるみさんと同い年天候次第では自分が被爆したかもしれない、ノエール・ベーカーは、かつて、日本の広島長崎ではなく人類が被爆したと世界中の人が考えるべきと講演した。「唯一の戦争被爆国日本」しかしそれは同時に「人類の被爆経験者」でもある。 憲法9条とは何なのかを考え、国際会議で反核反戦を国際的に言うべき。国連核拡散防止条約は核保有国と核非保有国における矛盾を含んでいるので、核のタブー化と戦争のタブー化を進めたい。また日本では占領下の核に関する報道規制によっと被爆者への差別が進んだ 原爆裁判は日本政府に救済を求めたもので、棄却判決だったが三淵嘉子判事は米国の加害を付した。ラッセル・アインシュタイン声明を受けて湯川・朝永宣言「核抑止を超えて」では、核抑止ではなく根本的に核廃絶にすべきとうたっている。Disarmamentの訳は軍縮ではなく軍を持たないと訳すべき。『日本国憲法と核兵器禁止条約をつなぎ、平和の思想を深める 核のタブー化と戦争のタブー化が必要』アインシュタインとの対談でフロイトは「目の前の戦争とこれからの戦争の悍ましを想像すれば、私たち平和主義者は心から不戦平和を実現すべき」と語った。 平和実現のためには、戦争に備えよではなく、平和に取り組む国連憲章の精神から戦争を認識するという考えの転換が大切。

●河上暁弘(広島市立大学広島平和研究所教授)

 トランプの広島長崎原爆投下肯定発言批判。「ラッセル・アインシュタイン宣言では、核兵器の禁止・廃絶と戦争の放棄・廃絶を主張」を強調し、非人道の核兵器を無くすために戦争違法化論に繋げる。戦争の廃絶と戦争の違法化 非暴力解決実現をデューイの実験的プログラムでできないか。たとえば、国内では決闘をルール化して減っていた。それを国際的にできないか? 憲法9条はヒロシマ・ナガサキの核のホロコーストから出来上がった。被爆者たちは「リメンバー ヒロシマ・ナガサキ(米国への報復)」ではなく「ノーモア ヒロシマ・ナガサキ」と、訴え、国際的に共感された。

●児玉洋介(「東京都平和記念館(仮称)建設をすすめる会」代表世話人・事務局長)

 『東京都平和記念館(仮称)の系譜』「犠牲者に対する慰霊追悼行為自体を国や行政が邪魔している。東京大空襲の犠牲者10万人の個人個人が抹消され巨大な穴にまとめで埋められ戦後処理を東京都行政がしてきた。日本国の戦争責任回避と、米国に対する忖度。

●鳥海太佑(慶應義塾大学総合政策学部2年生 東京学生平和ゼミナール運営委員)

 「東京高校生平和ゼミナールに所属した時に、『日本政府に核兵器禁止条約批准を求める署名活動』を外務省に提出した際に、知らないことを素直に「知らない」と言い合えることで、とことん考え行動する意義を見つけながら活動する体験が良かった。

●石川康子(市民 調布九条の会「憲法ひろば」事務局)

 市民的非核・非戦論を目指す。「憲法9条第2項を強調した吉田茂の発言とイルカ放送という小説を引用した朝永振一郎の核抑止論批判を紹介。迎撃ミサイルと小型核兵器の出現で更に核抑止論は意味が無くなり、非戦でしか非核は実現できない。 国代表や軍事開発が濃くなったパグウォッシュ会議から、個人的に参加費できる科学者京都会議に。非戦は国ではなく市民でしかできない。戦争を止めるのは市民だ! アレン・ネルソンの手記からインスパイアされた旗を紹介した。

●佐貫浩(法政大学名誉教授 平和・国際教育研究会会長)

 国連憲章を無視して自分の国の利益優先で勝てそうな他国に戦争を仕掛けるプーチンやトランプやネタニアフ、日本では学術会議解体など、軍事開発否定や反戦が主張しづらくなってきた。また学校現場では、日本が侵略した戦争犯罪を歴史で教えなくなった。昨今のように国連憲章が無視されると日本国憲法前文や憲法9条は無力化してしまう。 新たな戦前と言われる今だらこそ人間の理性を取り戻す為にも憲法9条を実現すべき。

 学生や参加者の懇親会の席で堀尾輝久さんが自ら作詞作曲した『9条地球憲章の会の歌』を披露した。


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