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LNJ Logo 報告:『平和のための日本民衆外交団』イラン大使と面会
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ガザの子どもを守りたい、切実な思いから〜『平和のための日本民衆外交団』大使館めぐり

知多 歩

 いま、ガザやパレスチナの惨状に心を痛める「地球人」は多いだろう。日本各地のそんな市民が集い何かできないか議論し、試行錯誤のように動き出した。そのひとつの形が『平和のための日本民衆外交団』だ。

 スタートは北海道。十年以上前から日本国憲法を軸に平和を求めて活動を続ける市民らが、泊原発反対運動などで活動されている瀬尾英幸氏を事務総長として結成した自立的な個人のゆるやかな集まりである。まずは、今春実験的にさまざまな在日大使館に文書で主旨を伝え、アポイントを取り、上京した瀬尾氏と首都圏の仲間が実験的に大使館を訪問した。累計60ヵ国のうち、ギリシャ大使やアフガニスタン公使はじめいくつかの国々と一等参事官や職員との面談がかなったそう。これから在京全150大使館と対話ネットワークを築きたいと、民衆外交団の構想はふくらむ。

まさかの展開! このタイミングでイラン大使と面会

 その流れで、6月19日、イラン・イスラム共和国のペイマン・サアダト大使との面談が実現。急きょ筆者も仲間に加わり、大使の話に耳を傾け質疑応答や対話に16時から2時間近く貴重な時間を持つことができた。日々報じられるとおりイランは現在戦時下にあり、予断を許さない状況である。        大使は開口一番、6月13日以来のイランの戦争被害について250人が命を落とし1000人以上の負傷者が出ていること、イスラエルはイランの核関連施設に攻撃をしかけていることを沈痛な面もちで話された。また、イスラエルはNPT(核不拡散条約)に加盟せず核兵器保有の説明責任を拒否し続けているが、イランはNPTに加盟し、IAEA(国際原子力機関)の査察を受け入れていると強調。戦争による唯一の被爆国でその怖さを知る日本の人たちと共に平和をめざしたいと述べられた。

 ちなみに、チェルノブイリ原発事故を機に設立され原発のない社会をめざし奮闘を続ける市民運動の老舗『たんぽぽ舎』は、6月11日に「イスラエルによるイラン攻撃・ガザ侵略・核兵器政策を糾弾する」声明を出し、国連憲章、NPT 体制、国際人道法を踏みにじる行為に対し日本は明確な拒否を突きつけよ・・・との意見を毅然と発表している。筆者は、大使の話す内容がたんぽぽ舎の主張にかなり近いもののように感じた。

 今回のイスラエルとの戦闘は、大使が夏休み帰国の準備中に起こり楽しみにしていた帰国どころではなく、大使館のスタッフともども母国の家族や知人の心配をしていることや、私たちに関心が深い環境問題、湿地に関する有名なラムサール条約に関する話題(ラムサールはイランの地名)などにも話は及んだ。

『平和のための日本外交団』は、当面ミーティングや諸行動を続けつつ、会員増員に向けて準備中である。


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