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LNJ Logo 女性が「ホッとできる」空間/「女性による女性のための相談会@かながわ」開かれる
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報告:松元ちえ

 「女性による女性のための相談会@かながわ」は5月25日、神奈川県大和市で4回目の相談会を開催しました。来場者は中高年女性が多く、8050問題で子ども世代が生活苦の上に、自分の親だけでなく義理の親の介護や病気の兄弟などの世話といった家庭内の責任を担わなくてはならず、将来の不安を抱えていました。そのため女性が精神的・経済的に余裕がなく自由も奪われている一方で、身体的・経済的・精神的DVや介護の負担をめぐって夫婦間では意見の不一致を経験し、離婚を検討している女性も多く見られました。

 賃金格差や雇用差別によって常に不安定な生活を強いられる女性は、賃金労働だけでなく家庭内でも親や子どもや夫、親族のケアを担い、社会生活の中でも本来は安全なはずの家庭内でも、暴力の被害に遭う女性は後を絶ちません。大和相談会では、女性たちが心と体の疲れを癒し、自身のケアができるようマッサージやヨガ、リフレッシュメイクなどのコーナーを準備しました。また、コミック『私たちは無痛恋愛がしたい』(瀧波ユカリ、アフタヌーンKC)を読んで、婦人科系の病気や症状の悩みをオープンに話し合えるブックトークも企画しました。

 2022年から開催してきた「女性による女性のための相談会@かながわ」は、女性が「ホッとできる」空間です。これまで神奈川県内では横浜市や川崎市で3回開催してきましたが、来場者から「味方がいてくれて嬉しい」「あたたかく迎えてもらい相談しやすかった」「親切にしてもらい、生きる気力が湧いた」「心がすっきりした」等の感想が寄せられています。当相談会は、女性たちが互いにエンパワーしあい、生きる力のサイクルを生む重要な取り組みとなっています。


**写真は「女性による女性のための相談会実行委員会」提供、写真に写っている人物は実行委員です。

<相談結果概要>

◾ 2025年5月25日(日曜日)11時〜17時(最終受付16時半)参加無料

大和市渋谷学習センター・IKOZA 2階多目的ホール(神奈川県大和市渋谷5-22)

◾ 相談件数:49件(17時現在) 託児5件

◾ 相談内容:生活、仕事、法律、DV/性被害、家庭/家族、子育て、心と体の健康等

◾ マルシェ:白米、野菜、果物、インスタント食品や生理用品、生花、基礎化粧品等

◾ 対応言語:日本語(やさしい日本語)、英語、韓国語

◾ リラクゼーション:ヨガ(27名)、マッサージ(15名)、リフレッシュメイク(無香料化粧品使用)(4名)、ブックトーク(27名)、ピアノやバイオリン演奏

◾ スタッフ、ボランティアの人数:75名

◾ 相談事例

<事例1>物価高(特に米)で生活保護を利用しているが生活費が足りない。食事回数を減らすほかないが、食事量が足りないので非常食を食べていた。いつも食べることばかり考えていてストレス。(50代)

<事例2>幼い頃から両親からの虐待を受けて育ち、自殺未遂を繰り返した。ついで結婚後は、夫からのDVで複合的なPTSDを抱えている。(40代)

<事例3>何かあれば途端に生活が立ち行かなくなる経済状況のため、将来へのばくぜんとした不安を抱えている。(60代)

<事例4>夫がギャンブル依存症で多額の借金がある。破産申請してから離婚したいが、それまでもつかどうかわからず辛い。(60代)

<事例5>精神障害手帳を保持している。身体もあちこちが痛み、健康状態が不安定。行政支援が必要だが、公的扶助への抵抗がある。(60代)

<事例6>パートナーが無職で貯金がなく、別れたくてもできない。(50代)

<事例7>同僚からのパワハラの相談や、生理休暇を申請したくても職場は男性が多く、どのように伝えたらいいかわからない。「変な人」と思われないか不安。正社員なのに、社内で使える施設やサービスの情報がなくて困っている。(30代)

<事例8>「俺の稼ぎで生活できている」など夫からの精神的DVに悩んでいる。子どもを連れて、夫と別居したいがその資金がない。(30代)

<事例9>更年期障害が辛い。引きこもりがちなので区役所で相談したが「なぜ働けないのか」と言われた。親が超高齢だが、施設入所を拒否。生活保護の利用を検討したい。(50代)

<事例10>認知症の義理の親と同居している。夫の兄弟は世話を拒否しているので自分が世話をする必要があり、精神的にきつい。(50代)

<事例11>年金生活だが持病で高額医療費がかかるため、夫と二人暮らしで生活費が足りない。(70代)

◾ 相談者からの感想

・こうした相談会は、誰もが立ち寄れる町中でやってほしいです。

・問題を聞いてもらってホッとしました。

・職場の人間関係に悩んでいたが、夫が亡くなったあと愚痴を聞いてくれる相手がいなくなった。今日は聞いてもらってスッキリしました。

・初めて参加し、心が温かくなりました。

・これまで歩いてきた人生を評価してもらえて、褒めてもらいました。久しぶりに嬉しかったです。

・女性だけの相談会は大変すばらしい企画です。ありがとう!

・話を聞いてもらえて、次にやるべきことや道筋が見えてきました。心が軽くなった。

・自分も女性たちの話に耳を傾けるために何かしたいです。

・ヨガに参加して、健康を維持するために色々と教えてもらえて良い時間でした。

・やさしく相談に乗ってもらって感謝。

・久しぶりに米を食べることができます。

・今まで一人で辛かった。生きづらかったが「助けて」を言ってもいいんだ、と教えてもらえました。

・マッサージをやってもらい、心まで温まりました。

・ヨガで心と体がほぐれた。最後はお土産までもらえて助かりました。

・女性が生きやすい世の中になりますように。この相談会が広がれば、困っている女性が減ると思う。

・話を聞いてもらえてありがたい。心の通った助け合いだと思いました。

・勇気が出ました。

◾ 主催:「女性による女性のための相談会@かながわ」実行委員会 https://kanaforher.jimdofree.com/

◾ 後援:神奈川県/大和市/神奈川県弁護士会/社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会/社会福祉法人大和市社会福祉協議会/神奈川県生活協同組合連合会


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