サンケン弾圧・尾澤裁判上告審の勝利をめざす12.18集会～東京高裁の9.11不当判決弾劾！尾澤孝司さんの無罪を勝ち取ろう！

尾澤邦子

　2021年5月10日、埼玉県新座市にあるサンケン電気本社前で、韓国の地労委の和解勧告を会社に伝えようとした尾澤孝司さんが逮捕されました。サンケン電気の通報により「暴行」容疑で逮捕され、警備員の業務を妨害したと「威力業務妨害」がついて起訴された裁判は、1審浦和地裁で「罰金40万円」の有罪判決。東京高裁では全く審議せず、初公判で結審。2024年9月11日に「控訴棄却」の不当判決でした。すぐに上告し、現在上告審の段階です。
　12月18日に「サンケン弾圧・尾澤裁判上告審の勝利をめざす12.18集会」が開かれました。

　主任弁護士の荒木昭彦さんが「12月4日に上告趣意書を提出した。逆転無罪を勝ち取るという意気込みでやってきた。最高裁は傍聴の機会がないが、要望書を出すなどできる。多くの人が関心を持ち、無罪を信じていることを最高裁に伝えたい」と報告しました。
　上野弁護士は「高裁では、3人の学者の意見書を証拠として提出したのに、見てももらえなかった。最高裁には、添付書類として意見書を出した。一応受け取ってもらえたので、いい結果になるように願っている」と話しました。

　意見書を書いてくれた静岡大学の笹沼弘志教授（上写真）が「多国籍企業と日本国憲法28条が定める勤労者の団結権の意義について」と題して講演しました。
　笹沼さんは「団体交渉に応じようとしない使用者に対して、団体交渉に応ずるように呼びかけることは、憲法28条が労働者の団結権、団体行動の権利として保証するものだ」と話しました。
　「本件におけるような警備員と被告人との身体的接触が発生したのは、サンケン電気本社が憲法28条を尊重せず、韓国サンケン労組との団体交渉を拒否し、『韓国サンケン労組を支援する会』の被告人等の話しに耳を貸さず、警備員を用いて物理的に排除しようとしたからであって、サンケン電気本社にこそ責任があると言うべき」と意見書で書いています。まったくその通りだと思います。

　現在日本のグローバル企業日東電工に対して、「雇用継承」を求めて闘っている韓国オプティカルハイテック労組。韓国の子会社の工場屋上で高空籠城を続ける二人の女性組合員。もうすぐ1年になります。「勝って地を踏みたい」と闘う二人を含め、7人の組合員が闘いを継続しています。
　労組との話合い要求を拒否し続ける日東電工。その責任者である高﨑秀雄社長宅へ二度、組合員の手紙を持って労組が訪問し、手紙を読み上げました。高﨑社長はそれを「面談強要」だとして、支援者の尾澤孝司と尾澤邦子に対して「面談強要等禁止仮処分命令」の申立てを東京地裁に行いました。
　労組の話合い要求なのに、それを認めない日東電工。日本本社への労組の遠征闘争を支援する訴えを尾澤邦子が行いました。

　集会では、韓国の「全泰壱労働賞特別賞」が尾澤孝司・尾澤邦子に贈られたことが報告されました。KBSテレビのイ・ホギョンPDが撮影した、11月13日の授賞式の映像が紹介されました。長年の日韓連帯運動、韓国労働者の日本遠征闘争への支援に対する賞です。二人に花束が贈られました。

　まとめのあいさつで全労協の関口事務局長が「韓国では光栄な賞をもらい、日本では刑事事件の被告としたり、『面談強要』などと言う。この落差はなにか」と言っていました。
　とにかく、あきらめずに闘おうという集会でした。ありがとうございました。

→全泰壱労働賞特別賞授賞式の動画（3分）