労働者が幸せになる夢を持とう!/元民主労総委員長ハンサンギュンさんが講演 | |||||||
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労働者が幸せになる夢を持とう!〜元民主労総委員長ハンサンギュンさんが講演尾澤邦子10月8日午後、東京都中野区の産業振興センターで、日韓労働者国際連帯集会が開催さ れました。 メインの講演は、韓国の元民主労総委員長ハンサンギュンさん。現在は、民主労総の指 導委員をされています。テーマは「切実に求められている、階級闘争の勝利が!」。難し そうで固そうでと思っていたのですが、すぐにお話に引き込まれました。深みのある、示 唆に富むお話に聞き入りました。 *以下、ハンサンギュンさんのお話 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今日のテーマの「階級闘争」は、古臭い言葉に思えるかもしれないが、今一番求めら れているものだと思う。韓国社会は、総体的危機に晒されています。市民団体と共に乗り 越えようとしていますが、既得権の力が強い。尹大統領は就任早々民主労総を「敵」とし ました。今では韓国労総をも敵にしています。2015年パククネ政権の時、私は民主労総の 委員長でした。パク政権は民主労総を弾圧しましたが、弾圧に抗して闘い、組合員の数は 増えました。 <労働運動が直面している危機> 民主労総は、30年間、非正規労働者の闘いを行ってきました。しかし残念なことに、非 正規にもならない労働者が増えています。非正規労働者よりもっと弱い立場にある労働者 がいます。たとえばフリーランスとか個人事業主などで、労働法の適用がありません。雇 用問題も深刻です。労働組合で雇用の要求は出していますが、ロボットが仕事を奪ってい ます。特に韓国、日本、ドイツではロボットが多く使われています。製造分野でロボット が仕事をしています。ロボットは賃上げの交渉もしないし、政治闘争もしません。 尹政権は貨物連帯と建設労組を弾圧しました。それは両労組が、最も政権に打撃を与え ることができるからです。今民主労総の中で、非正規労働者が約45%を占めています。プ ラットフォーム労働者、フリーランスの労働者は増えていますが、その人たちとの団結の 課題を抱えています。全ての労働者が団結する必要があります。同じ労働運動をしている のに、他を排除するようなことをしていては、労働運動は世の中に広がりません。共通分 母を広くしなければいけません。 韓国では、能力主義が重んじられていますが、それが不平等の根源だと思います。と同 時に、抵抗する考え方をも奪ってしまう。能力主義的な考え方は捨てなければいけないと 思います。競争で取り残されている若者たちは、自分が負けたから、能力がないからと自 分を責めています。自殺したり、引きこもっている若者が増えています。日本はどうでし ょうか。 <民衆の歴史と底力> 民主労総の闘いは、不義に対して闘う。労働弾圧をする政権とは徹底的に闘います。パ ククネ政権の時には力強い闘いを繰り広げ、それが民衆に受け入れられ、一千万人のキャ ンドルデモとなりました。 民主労総が民衆から一番支持されたのは、一番闘った時です。1987年の労働者大闘争は、 低賃金を引き上げようと立ち上がった闘いでしたが、国民の9割がそれを支持しました。 自分の闘いだという共感があったのです。そのような闘いを再度起こすにはどうしたら いいか考えてみました。 *最低賃金の大幅引き上げ *働く全ての人たちに労働基準法を適応させよう *労災保険や年金などの保険を全ての人に適応させよう *金を持っている人たちにもっと払わせよう、というような闘いが重要だと考えます。 韓国では、合法的なやり方で世の中を変えることはできません。合法的では、力が出せ ない網がかかっています。政治的な要求を掲げると、違法・不法になります。そのような 法律は悪法だと思います。不法闘争で、不平等な世の中を変えていかなくてはなりません。 韓国の歴史を見れば、アリストテレスよりはるかに優れた指導者がいました。身分解放 をヨーロッパより先に訴えて、実践に移した東学革命のリーダー、チェジェウさん。そし てチョンテイルさん。 2015年のパククネ政権退陣要求のキャンドルデモの成果は、政治に横取りされてしまい ました。南米に行ったとき、労働運動の指導者たちから言われたことがあります。「韓国 の民衆運動は驚くものがある。でもあれほどの運動がありながら、何も変わってないこと に驚いた」と。でも、闘った民衆の経験・意識は生きています。いずれ韓国社会を根本的 に変えていく力として、残っていると思います。 韓国では、大統領が全ての権限を持っています。南北の分断を理由に弾圧をします。運 動を委縮させる厳しい状況があります。そのような中で労働者が権利を主張すると押さえ られてしまいますが、引き続き、労働者が権利を持っていることを学生たちに教育してい かなければと思います。 東京に来て、1968革命を闘った方とお話をする機会があり、共鳴するところが多々あり ました。 韓国では政権交代をしてきましたけれども、根本的には変わっていません。変えていく ためには、韓国だけではなく世界的に語り合い、共感していかなければ社会を変えること はできないと考えます。政権交代しても依然として韓国社会の危機は、はびこっています。 その影響もあり、世界で一番出産率が低い。 南米では多くの国で左派が政権を取っています。それを目指すかどうかは別にして、そ の国々の民衆が体制を変えようとする運動については、私たちが学ぶことができると思い ます。学ぶことによって一歩でもよりよい社会体制に近づくのではないかと思います。 不平等な社会を変えていくために、私たち一人一人が街に出て闘争をしなければいけま せん。それは、世界的に証明されていることだと思います。私たちが今の体制を変えてい く勢力としてあることを確認したい。直接政治をしないと今の体制を変えることはできま せん。労働者の中にある路線の違いは敵対的関係ではありません。 どうすれば私たちが勝利することができるでしょうか。韓国の著名な山岳家が、それま で登ることができなかった厳しい山に、なぜ登ることができるようになったのか訊ねられ 「ベースキャンプがあるからだ」と答えました。今日参加されたみなさんと話を共有し、 日韓の連帯を深めていくことで、不平等社会を変えていく、若者たちに希望を与える「ベ ースキャンプ」になればと思います。 私たちは不可能なことを夢見ることはしないが、夢を見なければ何も実現できません。 労働者が幸せになる夢をもっていけば、必ずその夢が実現する未来がやってくると信じて います。資本には国境がありません。政権も同じです。8月にアメリカで日米韓首脳会談が ありました。これは、日本と韓国の一般の人たちにとっては、とても悪い会談でした。 朴烈と金子文子は同志であり、同伴者でもありました。日韓連帯を進めている私たちも、 活動家であり、連帯を共にしていく同志として、これからも共に闘いを繰り広げていき たいと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 集会参加者は66人とのこと。もっと多くの人たちに聞いてほしい内容でしたし、一緒に考 え、行動していきたいと思い、要旨を報告させていただきました。 Created by staff01. Last modified on 2023-10-12 21:24:57 Copyright: Default |